1383ベルグアースIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ベルグアース(1383 JASDAQスタンダード)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:水産・農林業

業績は手堅く推移しており、残る最大の課題は配当の実施
 業種・業態は地味だが、堅実であり、業績そのものは堅調に推移している。一定の成長性すら見込める業況となっている。11.10期業績予想ベースEPS約85円に対して、想定されている公募価格のPERは約11倍となっており、妥当な値付けになると思われる。

 最大の課題は、配当実施であろう。11.10期業績予想でも配当実施は想定されていない。また、目論見書での配当方針でも、「財務基盤を強固にするために配当を実施しておらず、現時点では実施の可能性・実施時期は未定」とされている。

 株主資本比率が20%台と高くはないため、内部留保の必要性はあるだろうし、事業の成長性は認めるにしても、そろそろ配当は小額でも開始したほうが、よいのではないかと思われる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 09/10 10/10 11/7 11/10予
売上高(百万円)
2,686
11.0%
2,982

2,196
10.4%
3,292
営業利益(百万円)
122
43.9%
176

78
4.0%
183
経常利益(百万円)
117
54.0%
180

93
3.1%
186
当期利益(百万円)
80
3.5%
83

51
34.3%
111
総資産(百万円)
純資産(百万円)
2,006
406
2,085
488
2,077
539
--
--
株主資本比率(%) 20.2% 23.4% 25.9% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
5.8%
19.7%
8.7%
16.9%
4.5%
9.4%
--
--
発行済株式数 1,294,400(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
61.7
313
63.9
377
39.2
416
85.8
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
野菜の接ぎ木苗の生産販売,農業資材等の仕入販売等

 ベルグアースは、野菜苗の生産販売を主な事業としている。

 野菜苗生産販売事業は、ベルグアースの主力事業として、野菜の中でも主に果菜類の接ぎ木苗の生産・販売を行っている。野菜苗の中でも、接ぎ木しない実生苗に比べて接ぎ木苗の生産には高いレベルの技術を要し、また、多額の設備費用がかかることから、異業種による新規参入が困難とされている。ベルグアースは、この野菜接ぎ木苗生産に特化し、1年を通した納品が可能となっている。

 従来の果菜類生産者は、野菜の種子を購入し、播種→苗生産→定植→栽培→収穫の全工程を行うことが一般的であった。しかし、最近では、一般的な施設栽培において連作障害を回避するために接ぎ木苗が必須となったことに加え、農家の高齢化が進んだ結果、農家が苗生産を行わず、購入する時代へと変化してきた。こうした接ぎ木苗の購入需要の高まりと農業の分業化を背景として、苗生産会社が誕生し、接ぎ木苗の生産事業は農業の成長に必要不可欠となっている。

 一方で、農業就業者の高齢化・後継者不足はあるものの、野菜接ぎ木苗の購入需要は、農業界の変化をうけて増加傾向にあり、今後もマーケットの拡大が予想される。また、近年では団塊世代を中心とした家庭園芸ブームが起きており、接ぎ木苗のマーケットは営利農家向けとホームセンター等の家庭園芸向けの両方で拡大しており、ベルグアースへの追い風となっている。

 また、流通事業(農産物等の仕入販売事業)として、農業資材等の仕入販売、コンビニエンスストア(サークルK 1店舗)の運営等について、新規事業として開始した。
収支の状況
売上高は10.10期実績、11.10期見通しともに対前期比+約10%の増収
■10.10期実績
 野菜苗生産販売事業では、農家人口の減少や農家経営の厳しい状況の中で、東日本を中心に営業体制を強化し、多様化する消費者ニーズに応えて製品群の充実を図り、シェアの拡大、新規取引先の開拓に注力した。また、家庭園芸市場に対して、12p〜15pの大型ポットを使用した新製品の投入等を行った結果、売上高は対前期比+7.4%の増収となった。

 全体の売上高では、対前期比+11.0%の増収となった。売上の拡大とともに予算管理の徹底や内製化を進めた結果、売上総利益率が改善されたこともあって、営業利益は対前期比+43.9%、経常利益は同+54.0%の増益となった。

■11.10期業績予想
 野菜苗生産販売事業で、営利農家向け・家庭農園向けの両チャネルで順調に売上が増加することを織込み、全体の売上高で対前期比+10.4%の増収を見込んでいる。

 営業費用では、売上原価で野菜苗生産量増加に伴う原価増や、農産物等の商品仕入れが増加すること、販売費等では、流通事業の人件費・荷造運賃費が増加することを織込み、営業利益では対前期比+4.3%の増益となる見通し。

 税効果会計適用後の法人税等の負担率が前期の50.3%から40.0%に低下すると見込み、当期利益では、対前期比+35.2%の増益となる見通し。

株式の状況
株式需給については、当面問題点は無いように見える
 ストックオプションの未行使残高はない。ベンチャーキャピタルからの出資はあるものの、ロックアップ対象となっている。また、ロックアップのカバー率も高い。当面は、株式需給に問題点は無いように見える。

A. 発行済み株式数 980,800株(単元100株、11.6に1:200株式分割後)
B. 公募 250,000株、増資によるオーバーアロットメント 63,600株
C. 売出し 174,400株(売出し元は)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,294,400株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 320,800株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者等個人26名と、ベンチャーキャピタル13組合、法人7社に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。

 目論見書でのベルグアースの想定発行価格は940円で、この価格に基づく公募によるベルグアースの手取り概算額は約211百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資の手取概算額約54百万円と合わせた資金使途は、その全額を次年度の野菜苗生産販売事業に関る設備資金に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 ベルグアースのウエブサイトには、10月25日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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