IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
FPG (7148 JASDAQ)IPO |
1年前の増資時には600円/株だったのだが・・・ 業容を大幅に拡大して、10.9期にはEPSも約350円まで増加する業績予想となっているが、08.9-09.9期の業績ではEPSで80-180円程度に留まる。11.9期以降も基本線は10.9期の増益トレンドを踏襲するのだろうが、資料を通じた印象としては長期安定的なストックベースでの収益が確保されている業態ではなく、時々の景況等に影響を受け易い業態と考えられる。 想定公募価格と10.9期業績予想EPSに基づくPERは約11倍と妥当な線に思えるが、上記のように収益の変動リスクを踏まえると、特に割安感は感じられない。そもそも、09年9月時点の第三者割当増資は600円/株で発行されており、それから1年経過しているとはいえ、今回の公募との価格整合性は気にかかる。 個別データ(肩は対前期比(%))
FPGグループは、当社FPGとSPC43社、SPCの持株会社1社とその他子会社1社の合計46社から構成されており、タックス・リース・アレンジメント事業を行っている。 タックス・リース・アレンジメント事業では、FPGが、船舶・海上輸送用コンテナを対象とし、主に投資家が税の繰り延べ効果を享受できるオペレーティング・リース事業をアレンジメントしておいる。FPG子会社(SPC)がリース事業営業者となって、当該リース事業を遂行している。FPGは、その子会社(SPC)から、組成、販売、管理といったオペレーティング・リース事業運営に必要な一連の業務を受託することで、手数料を得ている。 オペレーティング・リース事業とは、投資家が船舶、海上輸送用コンテナ等のリース事業に出資し、リース期間中の事業損益の取り込みを行うことで、税の繰り延べ効果を享受するとともに、リース期間満了時にリース物件を売却して、キャピタル・ゲインを追求する一連の取引を指す。 オペレーティング・リース事業では、営業者の損益は、リース期間前半には、定率法を選択することにより、減価償却費等の費用が、収益よりも先行して発生するため赤字となる傾向にあり、一方、リース期間後半には減価償却費等が減少するため、黒字となる傾向があることから、営業者にとって税の繰り延べ効果が発生する。投資家は、匿名組合契約に基づき、出資割合に応じた事業損益の分配を受けることで、この税の繰り延べ効果を享受することが可能となる。
8月5日時点で、FPGのウエブサイトには投資家向け情報開示のページは設置されていない。但し、ニュースリリースとして上場承認のニュースや目論見書等の資料掲載はされている。 |
■09.9期の業績概要 09年7月以降、海運業界における海上輸送用コンテナの設備投資は削減されてきが、反面、組成に適した船舶案件の引き合いがあり、自動車運搬船を対象としたリースを組成し、販売を行った。その結果、通期では海上輸送用コンテナを対象として商船三井、日本郵船を賃借人として各2案件、自動車運搬船を対象として日本郵船を賃借人とした4案件を組成し、全て計画通りに完売した。 しかし、前事業年度に比べ、オペレーティング・リース事業の組成金額が減少したことに伴い、有価証券(匿名組合契約に基づく権利)の販売額も前事業年度に比べ約6%減少したことから、09.9期の売上高は対前期比約5%減となった。 また、14名の新規採用を行い、本社の拡充、大阪営業部の大阪支店への格上げ、福岡営業所の開設など、業容を拡大したため、販売費及び一般管理費が増加し、営業利益は対前期比約36%減、経常利益は同約44%減、当期純利益も同約56%減となった。 表1 売上形態別の販売実績(百万円、前期比%) 09.9期 10.6期(3Q) アレンジメント・フィー 438 -5.1% 682 販 売 手 数 料 405 -6.0% 428 管 理 料 等 12 +31.2% 15 合 計 856 -5.1% 1,126 ■10.9期 業績予想について FPGは自動車運搬船や海上輸送用コンテナを対象としたリースを助成し、販売を行っているが、10.9期の海運業界は最悪の状況を脱して市況も持ち直しの動きを見せつつあるという前提にしている。 売上高では、組成部門と販売部門の人員強化を背景として、対前期比でほぼ倍増と見込んでいる。販売管理費・一般管理費は業容拡大に伴う人件費・地代家賃の増加等で増加するものの、売上原価では紹介者への支払い手数料と税理士法人等への報酬の低減に努めることで売上原価率の低減を見込んでいる。 この結果、営業利益では対前期比+約161%の増益となる見通し。経常利益でも対前期比+約219%と倍以上の増益が見込まれている。
ベンチャーキャピタルの出資は受けていない。ストックオプションの未行使残高はあるものの、行使期間・行使割合に制限が付いているものが多く、上場時点で行使可能なストックオプションは2万株相当となっている。ロックアップの対象者は2名だけだが、2名合計で10万株を保有しており、ロックアップのカバー率は相当高い。 A. 発行済み株式数 1,056,000株(単元100株、09.12に1:1,000株式分割後) B. 公募 150,000株、増資によるオーバーアロットメント 33,900株 C. 売出し 76,000株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 101,000株 E. うち潜在株式に算入する数 20,000株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,259,900株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報:売出し人である会社関係者2名に対して90日間。但し、発行価格の1.5倍以上での市中売却は可能。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 08年9月 62,000株 600円 10年11月〜18年8月* 08年9月 20,000株 600円 10年1月〜18年8月 09年9月 19,000株 600円 11年11月〜19年8月* *上場から1年経過後2年経過まで30%、3年経過まで60%の行使制限付き 目論見書での想定発行価格は3,950円で、この価格に基づく公募によるFPGの手取り概算額は約536百万円とされている。別途予定されている第三者割当増資による手取り額約123百万円と合わせた資金使途は、商品出資金を一時的に立て替えるために調達した短期借入金の返済資金に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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