IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
日本メディカルネットコミュニケーションズ(3645 東証マザーズ)IPO |
成長性は買えるものの、ストックオプションの存在によって評価が難しくなっている 10.5期実績でも11.5期業績予想でも、利益項目では対前期比+30%以上を達成、かつ目標としており、成長性は高く評価できる。 その中で課題となるのは、やはり大量に残っており、かつ、行使価格が非常に低く設定されているストックオプションの存在だろう。11.5期業績予想ベースEPSに基づく想定公募価格のPERは約24倍であり、当社の成長性を考慮すると、更に評価することも可能だろうが、ストックオプションの残高を見ると、危険な印象もある。なかなか一定の評価をしづらい銘柄。 個別データ(肩は対前期比(%))
日本メディカルネットコミュニケーションズは、ポータルサイト運営事業と、事業者向けホームページ制作・メンテナンス事業、SEM事業、その他事業を展開している。 この中でも、ポータルサイト運営事業を主力事業としており、同社ポータルサイトにおいて紹介しているクライアント(歯科医院、エステサロン等)に対して、ホームページの制作やメンテナンス等を行い、たまそのホームページのSEO対策やリスティング広告の出稿代理等のインターネット広告のコンサルティングを行うことで、インターネット広告のワンストップソリューションサービスを提供している。 ポータルサイト運営事業では、歯科分野として「インプラントネット」、「矯正歯科ネット」、「審美歯科ネット」を中心に全国版・地域版を合わせて72サイト、美容・エステ分野として「エステ・人気ランキング」、「メンズエステ・ネット」を中心に全国版・地域版合わせて25サイト、その他分野として、「抜け毛・薄毛対策サイトふさふさネット」を中心に22サイト、合計119サイトを運営している。 各ポータルサイトは歯科医院やエステサロン等を対象に、有料会員と無料会員からなる会員システムで運営されている。有料会員は、同社ポータルサイトにおいて、ピクチャー・フラッシュ・動画を用いたクライアント紹介ページを掲載しているクライアントで、有料会員からの広告料収入の具体的な内容は、クライアント紹介ページの初期制作料・月額掲載料と、クライアントのホームページへのリンクを張ったバナー広告の月額掲載料。 SEM事業では、検索エンジンを活用してホームページへの集客やホームページからの情報配信を行うクライアントに対して、検索エンジンの表示順位判定基準(アルゴリズム)を解析し、ホームページの状態を最適化することで、ホームページの検索エンジンからの評価を高め、検索順位を上位表示させることを目的としたSEOサービスを提供している。 また、リスティング広告事業として、ヤフー・Googleが運営するポータルサイトにおいて、リスティング広告の出稿代理サービスを行っている。具体的には、クライアントにとって費用対効果の高い広告運用を実現するため、キーワードや広告原稿の提案から、運用面における入札価格の調整や予算管理までの総合的なサービスを提供している。 その他事業では、YAHOO! JAPANのコンテンツの一つであるヤフーヘルスケア・ヤフービューティへの広告や新聞折込み広告を取り扱っており、これらの広告出稿に関する販売代理業務を行っている。 |
■10.5期実績 ポータルサイト運営事業では、デザインリニューアルや検索機能の強化、スタッフ紹介ページ、治療説明ページや特集ページの充実等、コンテンツの拡充やモバイルサイトへの積極的な展開を行い、新規クライアントの獲得に努めた。この結果、同事業の売上高は、対前期+1.7%の増収となった。 事業者向けHP制作・メンテナンス事業では、2009年のインターネット広告制作費が前年からほぼ横ばいの中、ポータルサイトの会員を中心に積極的にプロモーションを行った結果、同事業の売上高は対前期比+13.0%の増収となった。 SEM事業では、歯科業界における同社と同社の歯科ポータルサイトの知名度・ブランド力・信用力を活かして、積極的に歯科医院にSEOのプロモーションを行ったほか、Yahoo!リスティング広告オンライン代理店として契約する等、リスティング広告の出稿代理サービスにも注力した。この結果、同事業の売上高は対前期比+138.5%の増収となった。 売上高全体では、対前期比+31.9%の増収となり、増収効果によって、営業利益・経常利益・当期利益では、それぞれ対前期比+40%前後の増益となった。
ベンチャーキャピタルからの出資はないが、ストックオプションの未行使残高が大量にあることが目につく。ストックオプションは総数で797千株あり、上場直後から行使可能になるもので約781千株となっており、公募株式数よりも多い状態。ストックオプションは行使価格も想定公募価格と比較すると安く設定されており、上場直後からの大量行使も懸念される。 A. 発行済み株式数 4,000千株(単元100株、10.7に1:500株式分割後) B. 公募 600千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 600千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 180千株 D. ストックオプション等の残高総数 797千株 E. うち潜在株式に算入する数 781.5千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 5,381.5千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者4名に対して180日間。対象株数は3,479.5千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 07年5月 275,000株 12円 09年6月〜17年5月 07年5月 500,000株 12円 09年6月〜13年5月 08年9月 6,500株 60円 10年9月〜19年5月 09年8月 6,500株 80円 11年8月〜17年5月 09年12月 6,500株 90円 11年12月〜17年5月 10年5月 2,500株 110円 12年5月〜17年5月 目論見書での想定発行価格は840円で、この価格に基づく公募による日本メディカルネットコミュニケーションズの手取り概算額は495百万円とされている。 資金使途は、50百万円を既存システム増強投資に、50百万円を歯科技師とインプラントメーカー等をつなぐポータルサイトのシステム開発費用に、30百万円を販売管理システム開発費用に、その他、人材の育成・採用費用や米国現地法人設立資金等に充当する予定。
日本メディカルネットコミュニケーションズのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。上場前の段階としては、異例とも思えるほど、内容は充実している。 目論見書と内容はほぼ同一ではあるが、マネジメントメッセージから、財務情報、事業概要などを網羅しており、上場前段階での開示情報としては、非常に充実している。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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