3641パピレスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research
| IPO初値分析・株式投資  | What's New  | LINKs  | SITE MAP  | IPO株日記  |

3641パピレス(JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

一時的に人気化する楽しみはあるが、競合激しく、足元の成長性はそれほど高くない
 電子書籍を取り扱う業態のため、ちょうど国内でiPad発売開始などで電子書籍の話題が増加しつつある現状では、新奇性が高く評価され、上場後に人気化する可能性がある銘柄ではある。

 ただ、足元の業績動向を見ると、10.3期の増益は09.3期の減益の反動、11.3期の利益の伸び率も10%強であり、成長性が著しく高いわけではない。今期業績予想ベースのEPS約200円に対して、想定されている公募価格のPERは約12倍となっている。もう少し高い評価は可能と思われるが、例えばPERで20倍以上に評価できるかというと、難しい面はある。

個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 08/3 09/3 10/3 11/3予
売上高(百万円)
3,459
-2.0%
3,388
10.8%
3,753
3.9%
3,901
営業利益(百万円)
348
-32.7%
234
55.2%
363
14.0%
414
経常利益(百万円)
409
-29.0%
291
36.3%
396
12.9%
447
当期利益(百万円)
243
-29.4%
171
36.5%
234
12.4%
263
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,645
866
1,841
1,038
2,234
1,384
--
--
株主資本比率(%) 52.6% 56.4% 61.9% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
24.9%
28.0%
15.8%
16.5%
17.7%
16.9%
--
--
発行済株式数 1,339(修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
181
647
128
775
175
1,033
196
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
電子書籍の販売事業と、電子書籍販売支援システムの開発運用,電子書籍の受注制作等
 パピレスは、国内出版社約500社から電子書籍を収集し、主に携帯電話、PC等の情報端末利用者に対し、配信することにより電子書籍の販売を行っている。電子書籍販売は「本店による電子書籍販売」と、「提携店を通じた電子書籍販売」に区分している。

 本店とは、キャリアの公式サイトやPCのインターネットサイト上で展開する自社直営サイトをいい、提携店とは、パピレスと提携してパピレスの仕入れた電子書籍を販売している書店や出版社等、他社のECサイトを指す。「本店による電子書籍販売」では、各携帯電話事業者(以下、「キャリア」)の公式サイト上での販売が09.3期売上高の79.6%を占めている。また、「その他」として、電子書籍販売支援システムの開発運用、電子書籍の受注制作等を行っている。

 本店による電子書籍販売の販売方式は、ダウンロード方式とレンタル方式を採用している。ダウンロード方式は、買い切り制で、ユーザーは一度購入した電子書籍を携帯電話やPCにダウンロードし、携帯電話やPCで何度でも閲覧することが可能。レンタル方式は、閲覧できる期間を限定しており、ユーザーは閲覧可能な期間、ネットワークに接続して読むことができる。

 パピレスでは直営サイトとして、ダウンロード方式では「電子書店パピレス」等を、レンタル方式では「電子貸本Renta!」を運営しており、各サイトにおいて著者、出版社等の版元からネットワーク配信の利用許諾を得た電子書籍の販売を行っている。課金方式は、ユーザーが電子書籍を購入するごとに課金する従量課金方式を主に採用している。

 パピレスは10年4月末現在で、約500社の国内出版社から電子書籍収集を行っており、掲載冊数は、180,362冊(洋書95,948冊を含む)。取り扱いジャンルとしては、コミック、小説・ノンフィクション、写真集、趣味・生活・雑誌、ビジネス・教育等と幅広く、様々なジャンルを取り扱っている。

 また、パピレスは、紙書籍をデジタル化したものだけではなく、音声、動画、検索機能等、紙書籍にはない新しい機能を搭載した電子書籍や洋書も取り扱っている。現状では、携帯電話を通した販売が主体であること等により、携帯電話で閲覧が容易な少女コミック、恋愛コミック、恋愛小説、ライトノベル等が主な販売コンテンツとなっている。

 提携店を通じた電子書籍販売は、電子書籍配信の一環として行っている電子書籍の委託販売事業であり、パピレスで開発した「eBookBank」という電子書籍の販売支援システムを、ポータルサイト、書店や出版社等のECサイト(以下、「提携店」)に提供し、委託販売を行っている。

 この事業では、パピレスが「電子書店パピレス」のブランドで販売している電子書籍をPCや携帯電話にて、他の提携店のブランドで販売できるシステムを提供しており、パピレスはASPとしての役割を担っている。
収支の状況
11.3期は増益見通しだが、目を見張る成長性は無い
 10.3期は、青少年保護を目的とした携帯電話サイトに対する閲覧規制(フィルタリングサービス)が施行され、その影響によって広告会社がネット広告の内容を規制する動きがあり、広告効果の低下が見られた。加えて競合他社の増加による競争激化もあったことから、売上高は前年同期比マイナス2.0%の減収、営業利益、経常利益、当期利益ではマイナス約30%前後の減益となった。

表1 電子書籍事業の形態別販売実績(百万円、前期比%)
     09.3期  09.12 3Q
本 店 3,219 +1.2% 2,739
提携店  159 -40.4%  96
その他   8 +13.9%  4
合 計 3,388 -2.0% 2,840

 11.3期の業績見通しにおいて、同期には電子書籍業界の発展は見込めるものの、前期以上に競争は激化するとパピレスでは想定している。ここ数年の電子書籍業界は、携帯電話でのコミック販売の急伸を主要因として発展し、パピレスも売上高を増加させた。しかし、業界の発達に伴って、新規参入企業も増加している。

 これに対してパピレスでは、電子書籍の総合書店として、より堅実で安定した売上基盤の獲得を目指し、コミック以外のジャンルの販売強化や、携帯電話以外のPCサイトでの電子貸本の拡大に注力していく方針としている。

 売上高では、広告プロモーションの効果的な運用やサイト改良等のサービスの強化、コンテンツの充実を進め、売上高の約8割を占める携帯電話での売上拡大を図る。また、電子貸本は既事業年度での売上推移から、大きく売上を伸ばすと予測している。売上高全体では、対前期比+約4%の増収の見込み。

 売上原価では、売上高の増加に伴う著作権料の支払いが増加することを織り込んでいるが、増収効果によって、営業利益、経常利益では、対前期比+10%以上の増益となる見通し。
株式の状況
株式需給の構造は、当面は問題なし
 ストックオプションの未行使残高はあるものの、全体に占めるウエイトは小さい。行使価格は想定されている公募価格以下ではあるが、桁違いに安い価格ではない。このため、通常は行使可能とは思われるが、ちょっとしたバッドニュースで株価が低迷した場合に、即行使不可の水準になるリスクがある。その点では、公募で取得する株主にとっては、悪い構造にはなっていない。

 ロックアップに関しては、カバー率がかなり高く、こちらも公募で取得する株主にとっては、良い話となる。但し、ロックアップの期間が通常180日間の半分90日に設定されている点には注意が必要。従来のロックアップは180日経過、価格は2倍以上が、ロックがはずれる基準だったが、最近では、90日間であったり、1.5であったり、従来よりロックが「はずれ易い」設定になりつつある。

A. 発行済み株式数 1,206,360株(単元100株、09年12月に1:100株式分割後)
B. 公募 80,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 55,400株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 20,000株
D. ストックオプション等の残高総数 53,000株
 E. うち潜在株式に算入する数 53,000株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,339,360株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 283千株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者2名、法人5社、ベンチャーキャピタル13に対して90日間。対象株数は約1,216千株。但し、発行価格の1.5倍以上の市中売却は可能。更に、上場後6ヶ月間の保有確約の締結株主があり、対象株数は約212千株(うち約204千株はロックアップと重複対象)。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
01年3月  4,500株 1,500円 03年3月〜11年3月
04年2月  43,500株 1,600円 06年2月〜14年2月
04年6月   500株 2,200円 06年6月〜14年6月
09年6月  4,500株 2,200円 11年7月〜19年6月

 目論見書での想定発行価格は2,500円で、この価格に基づく公募によるパピレスの手取り概算額は、約179百万円とされている。資金使途は、新規ユーザー獲得のための運転資金に充当する予定で、具体的には、インターネット広告に係わる宣伝費として140百万円、残額をユーザーへのサービスポイント付与に係わる販売促進費用に充当する予定
情報開示の状況
開示なし
 パピレスのウエブサイトには、5月24日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。参考になる情報としては、決算公告が掲載されている程度。


IPOを申し込む時に便利な銀行・証券会社はどこか?管理人が解説します > 「IPOのための証券会社・銀行選び」

 | 2010年IPO一覧(既上場)  | IPO初値分析・株式投資 |
本資料における個別銘柄に関する注意事項
 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。
その他の重要な注意事項
本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。
本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。
SEO [PR]  カード比較 冷え対策 株価 動画無料 ライブチャット 小説 SEO