IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
エスクリ(2196 東証マザーズ)IPO |
公募価格は普通にディスカウントされている印象 業種的には先行して上場している企業は多数あり、新奇性はない。また、現在運営している施設は3施設という規模であり、この運営規模であるうちは、新施設を建設・稼動するごとに大幅な増収となり、PLで見た成長性は高く見えるものの、この規模をベースとすれば、ある意味当然の伸び率であるともいえる。 10.3期の業績予定でのEPS約54円に対して、想定されている公募価格のPERは約12倍となる。至極穏当な水準であり、先に書いたように成長性をあまり高く評価することにはリスクがあるものの、さすがにPER12倍ということであれば、多少の上振れは期待できるのではないかとみる。 なお、上場にあたっての公募・売出しは計8,000単位あり、企業規模と比較して当たりやすいIPOとなる。 個別データ(肩は対前期比(%))
エスクリは、デザイン性を重視した直営施設において、挙式・披露宴の企画・運営を行うブライダル事業を主な事業としている。また、その他の事業として、宿泊施設の運営を通じた宿泊サービスと披露宴以外のパーティの運営を行う宴会サービスの提供を行っている。 現在は3ヶ所の施設で運営している。今後の出店方針としては、専門式場・ゲストハウス・ホテル・レストランの4つのスタイルの施設を特定のスタイルに偏らないように出店する方針。 また、出店候補地の選定にあたっては、1)東京23区及び政令指定都市、2)新幹線停車駅がある人口30万人以上の都市の順に優先順位を定め、出店候補地の立地やエリアマーケティングデータ、運営施設の採算性、人材確保、資金繰りと投資回収期間を総合的に勘案した上で、出店候補地を決定している。 |
09.3期は、売上高では、神戸事業所において1バンケット増加したことと栄事業所が通年で稼動したことで、対前期比+約31%増の増収となった。販売・一般管理費では、従業員の増加に伴う人件費の増加や、採用活動の推進に伴う募集費の増加、本社移転と新横浜事業所開業準備室の開設に伴う地代家賃の増加等があったものの、増収効果によって、経常利益では、対前期比でほぼ倍増の増収となった。 09.9中間期には、新規施設としてホテルスタイルである「ラグーナスイート ホテル&ウエディング新横浜」を9月にオープンしたほか、09年4月に稼動を開始した接客ノウハウを全社的に共有する営業支援システムの運用に注力した。 09.9期は経常損失を計上している。会社側からその理由に関して明確なコメントは目論見書に記載されていないが、披露宴が春と秋に多いことによる季節要因によるものと考えられる。
ストックオプションの未行使残高が発行済株式数に対して5%程度のボリュームで存在しているが、行使開始が2010年の後半以降に設定されているものが多く、当面行使可能なボリュームに絞ると、さほど多くはない。 ロックアップの対象となっていないVC保有株数も大きいものではなく、株式需給に関しては、目立ったネガティブ項目は見当たらない。 A. 発行済み株式数 3,070千株(単元100株、09.10に1:100株式分割後) B. 公募 660千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 140千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 152,400株 E. うち潜在株式に算入する数 60,600株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 3,790,600株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 810千株(うちロックアップ対象570千株) 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者6名と法人2社、ベンチャーキャピタル3組合とみずほ証券に対して180日間。但し、VC3組合とみずほ証券については、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。対象株数は2,758千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 07年3月 60,600株 750円 09年9月〜17年3月 08年6月 66,500株 750円 10年11月〜18年3月 08年6月 25,300株 750円 11年4月〜17年3月 目論見書での想定発行価格は610円で、この価格に基づく公募によるエスクリの手取り概算額は、約360百万円とされている。資金使途は、全額を新規挙式・披露宴施設オープンに伴う新規設備投資に充当する予定。
エスクリのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージ程度となっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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