4574大幸薬品IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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大幸薬品(4574 東証二部)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:医薬品

09.3期業績予想次第だが、第3四半期の進捗から特に割安感は感じられない
 09.3期の業績予想について、当方では公表が確認できなかったため、以下では未記載としている。08.12の第3四半期までの実績をみると、中国等の海外市場でのマーケット拡大によって09.3通期では08.3期実績を上回る可能性は高いとみる。仮に09.3期の通期EPS100円とすると、想定されている売り出し価格のPERは約20倍、EPS120円とすると約17倍となる。

 EPSをこのレンジで想定すると、現在の市況や景気減速影響による海外市場での業績がシュリンクするリスクを考慮すれば、想定されている売出し価格には特に割安感は感じられない。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 07/3 08/3 08/12 --
売上高(百万円)
4,935
12.3%
5,541

4,667

営業利益(百万円)
520
29.4%
672

816

経常利益(百万円)
697
-2.0%
683

759

当期利益(百万円)
379
-5.0%
360

400

総資産(百万円)
純資産(百万円)
11,189
8,394
10,639
8,595
11,072
8,967
--
--
株主資本比率(%) 75.0% 80.8% 81.0% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
6.2%
4.5%
6.4%
4.2%
6.9%
4.5%
--
--
発行済株式数 4,252 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
89.2
1,974
84.8
2,021
94.1
2,109

--
配当(円/株) 2.5 2.5 -- --

事業概要
一般用医薬品と感染管理製品の製造販売
 大幸薬品グループは、大幸薬品と子会社5社から構成されており、医薬品事業、感染管理事業、その他事業の3つの事業を展開している。

 医薬品事業では、大幸薬品の主力製品である「正露丸」・「セイロガン糖衣A」を中心として、胃腸薬の製造・販売を国内外に対して行っている。

 国内販売については、卸売り業者に対して販売し、ドラッグストア等を通じて一般消費者に供給している。海外販売については、中国・香港・台湾市場を中心に、大幸薬品の子会社を通じて、代理店から小売店に販売している。また、米国・カナダ・タイ・ベトナム・インドネシア・マレーシアの地域向けに生産・輸出を行っている。また、「正露丸」等の主成分である日局木クレオソートは、子会社が原材料として生産し、大幸薬品に供給している。

 感染管理事業では、二酸化塩素等を基本特許として、物体に付着・居住空間に浮遊するウイルス、細菌、真菌、臭気等を除去する感染管理製品の製造・販売を行っている。

 近年の新型インフルエンザ等の感染症に対する予防意識の高まりを背景として、公共機関、ホテル、外食産業、ビルメンテナンス事業者、医療・介護施設等をターゲットとしている。

主要アイテムは、スプレー等液剤の二酸化塩素ガス溶存液と、据え置き型であるゲル剤の二酸化塩素ガス発生製品があり、一般用としては、「クレベリン」等の製品を卸売り事業者に対して販売し、ドラッグストアを通じて一般消費者に供給している。業務用では、「クレベリン」や感染管理製品をセットにした製品等を、主に卸売り業者や代理店を通じてユーザーに供給している。

 その他事業では、主に「正露丸」等の主成分である日局木クレオソート精製の際に、副産物として生産される木酢液を配合した入浴液や石鹸、園芸用木酢液の製造・販売を行っている。
収支の状況
09.3期も増収増益が期待されるが、通期業績予想は会社からは発表ない模様
 08.3期は、医薬品事業では、各種企画やキャンペーン等によって、積極的な販売施策を実施したことや、協賛金等を用いて小売店向けの販売促進を強化したこと等で、主力製品である「正露丸」等の国内販売は、対前期比+約2.8%の増加となった。特に、「セイロガン糖衣A」の携帯用が成長している。

 海外での売上げについては、海外子会社の決算期変更があり、前期が9ヶ月間の業績だけの連結であったことの影響のほか、中国市場の成長と円安効果によって、海外売上高は、対前期比+約68.3%の増加となった。

 以上の結果、医薬品事業セグメントでは、売上高は対前期比+約11%の増収、営業利益では同+約22%の増益となった。

 感染管理事業では、常備用衛生対策製品の「クレベリン衛生対策キット」が大きく成長したことで、売上高は対前期比+約68%の増収となったが、コスト面では、基礎研究や商品開発、市場開拓に係わる費用負担も増加したことから、同セグメントの営業損益は、62百万円の損失となった。

 その他事業では、主に木酢製品の取り扱いが中心となっているが、大幸薬品グループの主力分野である感染管理事業にリソースを集中させたことや、一部の商品に返品があったことによって、売上高は対前期比マイナス約26%の減収となった。営業損益でも、19百万円の営業損失。

表1 事業の種類別セグメントの販売実績(百万円、前期比%)
          08.3期  08.12
医薬品   5,304 +11.0% 3,874
感染管理   194 +95.5%  760
その他     41 -26.9%   31
合  計  5,540 +12.3% 4,666

 過年度の通期実績と比較して08.12の第3四半期決算は、売上高・利益面ともに通期での増収増益が期待できる内容になっている。ただし、2月24日時点で、会社からの09.3期業績予想は発表されていない模様。

株式の状況
上場時には、公募増資は予定無く、売り出しのみ
 上場に伴っての公募増資がない、比較的珍しいケース。ストックオプションの未行使残高はあるが、行使可能になるまで約10ヶ月必要なことから、潜在株式には算入しなかった。ベンチャーキャピタルの出資はなく、ロックアップのカバー率もまずまずの状態。想定売り出し価格は、2,060円。

A. 発行済み株式数 4,252千株(単元100株、08.7に1:4株式分割後)
B. 公募 0株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 1,275,600株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 127,600株
D. ストックオプション等の残高総数 292千株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 4,252千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者等17名に対して180日間。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。対象株数は3,356千株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
07年12月 292,000株 1,556円 10年1月〜16年12月

情報開示の状況
開示なし
 大幸薬品のウエブサイトには、2月24日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。


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