2191テラIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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テラ(2191 JASDAQ NEO)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

高い成長性は公募価格に十分に織り込まれているとみる
 提携医療機関の拡大と共に、売上高・利益の面では、大きく伸びてきており、足元の成長性の点では、高く評価できる。

 但し、09.12期業績予想ベースのEPS約7円に対して、想定されている公募価格の上限470円のPERは約70倍となる水準であり、足元の成長性は既に公募価格に十分に織り込まれているとみられる。成長性はわかるが、想定されている公募価格以上に、今の時点で評価することは難しい。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 07/12 08/6 08/12 09/12予
売上高(百万円)
269

225
102.8%
546
65.6%
904
営業利益(百万円)
42

32
158.8%
110
71.2%
188
経常利益(百万円)
64

33
68.9%
107
40.5%
151
当期利益(百万円)
70

18
-14.7%
60
42.6%
85
総資産(百万円)
純資産(百万円)
526
368
535
385
723
427
--
--
株主資本比率(%) 69.9% 71.9% 59.1% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
12.1%
19.0%
6.2%
4.5%
14.9%
14.0%
--
--
発行済株式数 12,689 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
5.5
29.0
1.4
30.4
4.7
33.7
6.7
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
樹状細胞ワクチン療法を中心に、化学療法、放射線療法等を組み合わせた独自技術「アイマックスがん治療」の技術・ノウハウの医療機関への提供
 テラの事業内容は、がん免疫療法の1つである「樹状細胞ワクチン療法」を中心に、化学療法(がん休眠療法)、放射線療法(低侵襲放射線療法)等を組み合わせることで、効率よくがんを攻撃することを目指す、独自のがん治療技術・ノウハウである「アイマックスがん治療(免疫最大化がん治療)」を、契約医療機関に提供している。

 テラでは、大学等研究機関との研究成果を活かして、医療機関がアイマックスがん治療を患者に提供するために、細胞培養体制整備支援サービス、運営体制支援サービスと、がん組織の保管に関する技術・ノウハウの提供、協力医療機関の紹介、集患支援サービスを包括的に提供し、対価を受け取っている。

 細胞培養体制整備支援サービスでは、樹状細胞の培養を行うために必要な、医薬品の製造施設と同等レベルの空気静浄度を維持する専用の細胞培養施設の設置支援のほか、樹状細胞の培養方法の教育指導、培養ノウハウの標準作業手順書の貸与、培養管理システム導入の支援を行っている。

 運営体制整備支援サービスでは、医療機関が治療実施体制の整備をスムーズに行えるようにノウハウの提供を行うほか、アイマックスがん治療に関する説明文書等の貸与、全ての契約医療機関で統一した評価体制をされるような支援等を行っている。

がん組織の保管に関する技術・ノウハウの提供では、樹状細胞ワクチン療法に必要な抗原の一つである自己がん組織の利用可能性を高め、同療法を実施できる患者を増やすために、契約医療機関に対して、患者の自己がん組織を超低音下において保存するサービスの技術・ノウハウを提供している。

 集患支援サービスでは、インターネットマーケティングの運用コンサルティングや患者向けセミナーの開催等、情報発信ノウハウを契約医療機関に提供することで、当該医療機関の集患を支援している。

情報開示の状況
開示なし
 2月25日時点で、テラのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページは設置されていない。
収支の状況
提携医療機関の増加に伴って、大幅な増収増益トレンド
 07年8月に、がん抗原であるWT1ペプチドを樹状細胞ワクチン療法に応用できる独占ライセンスを他者から取得した。この権利を得ることで、契約医療機関での樹状細胞ワクチン療法の適応となる患者が増加している。このほか、07.12期には、北海道、東京都板橋区、京都市の医療機関との提携を開始したこと等によって、売上高は対前期比+約186%の増収、営業損益では前年度の損失計上から、黒字となった。

 08.12期中間期までには、広島県福山市の医療機関と提携を行い、患者向けセミナーを3回実施、学術活動も行った。結果、08.12期は、売上高では対前期比で倍増となる増収、利益項目でも、対前期比で大幅に増益となった。なお、08.12期の当期利益だけが対前期比で減益となっているが、これは今期から法人税の実質負担が開始された影響であり、特に気にする必要なない。

 マイルストーン開示では、テラの営業収入は、契約医療機関で実施される症例件数の増加に応じて伸張するため、営業収入の増加のためには、契約医療機関の拡大が必要になるとされている。

 このための基盤契約医療機関・提携医療機関の拡大については、2009年に東北・九州・関東で4ヶ所、2010年は関西で1ヶ所の新規提携を計画している。これによって、契約医療機関数は、08.12期末実績の10機関から、09.12期末には14機関に増加する計画。

 以上を背景として、09.12期は、対前期比で+60%以上の増収、利益項目でも同+40-70%の増益を見込んでいる。

株式の状況
ストックオプションには注意要、ロックアップ非対象のVC保有残高は大きくない
 ストックオプションの未行使残高があり、想定されている公募価格との対比では、行使可能期日になれば全量が即行使される可能性もある。希薄化効果は10%を越えるので、注意が必要となる。

 ベンチャーキャピタルの保有株式は全量で4,713千株あり、このうち売出にかかるものが500千株、ロックアップの対象になっているものが、3,563千株(ロックアップ対象となっているVCの保有株数4,063千株から売出500千株を除いたもの)となる。ロックアップの対象になっていないVCの保有残高の点では、650千株となり、こちらの影響はそれほど大きいものではない。

A. 発行済み株式数 10,082千株(単元100株、08.8に1:100株式分割後)
B. 公募 1,000千株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 800千株(売出し元はベンチャーキャピタル500千株、会社関係者300千株)、既発株のオーバーアロットメント 200千株
D. ストックオプション等の残高総数 1,607千株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,607千株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 12,689千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 4,713千株
既存株主へのロックアップ情報: 売出人であるVC1組合・3名に対して180日間。対象株数は10,322千株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
05年4月 770千株 25円 08年1月〜14年12月
07年9月 407千株 146円 09年10月〜17年8月
07年9月 400千株 146円 07年10月〜17年8月
07年9月 30千株  146円 09年10月〜17年8月

 目論見書での想定発行価格は390円(310〜470円の平均)とされており、この価格に基づく公募によるテラの手取り概算額は約332百万円とされている。資金使途は、新規基盤提携医療機関の設立支援のための設備投資に300百万円、残額の32百万円については、医療機関向けシステム開発に充当する予定。



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