1606日本海洋掘削IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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日本海洋掘削(1606 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:鉱業

そこそこの規模感もあり、価格面では安定的な案件となりそう
09.3期は修繕費や減価償却費が一時的に増加したことで大幅な減益となったが、10.3期には特殊事情も消滅して、利益は回復する見通しとなっている。それでも、08.3期の実績には届かない点や、08.3期と10.3期業績予想とで売上高営業利益率を比較した場合の、率の低下など、やや心配な点もある。

以上のように収益性でも良い面・悪い面の両面が見受けられるが、ともあれ、そこそこの安定性はあるものと見ても差し支えは無いと思われる。10.3期の業績予想ベースEPSに基づく、想定公募価格のPERは約11倍であり、若干或いは、ほどほどのディスカウントは織り込まれていると見られる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 08/3 09/3 09/9中 10/3予
売上高(百万円)
19,251
10.0%
21,168

19,360
54.0%
32,601
営業利益(百万円)
9,541
-60.3%
3,787

6,513
73.5%
6,570
経常利益(百万円)
12,322
-56.9%
5,316

8,157
66.9%
8,875
当期利益(百万円)
7,921
-55.8%
3,503

5,821
74.4%
6,109
総資産(百万円)
純資産(百万円)
42,227
21,130
51,774
21,402
52,710
27,286
--
--
株主資本比率(%) 50.0% 41.3% 51.8% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
29.2%
37.5%
10.3%
16.4%
15.5%
21.3%
--
--
発行済株式数 18,000 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
440
1,174
195
1,189
323
1,516
339
--
配当(円/株) 125 25 -- 25

事業概要
石油・天然ガスの探鉱・開発に関する海洋坑井掘削及び海洋掘削技術を応用したエンジニアリングサービス
日本海洋掘削グループは、日本海洋掘削と子会社13社、関連会社2社から構成されており、石油・天然ガスの探鉱・開発に関する海洋坑井掘削とエンジニアリングを主たる業務としている。

海洋掘削事業では、国内・海外において、海洋掘削装置(リグ)を運用し、石油・天然ガスの探鉱・開発に関わる坑井掘削工事、そのた関連工事を請け負っている。海外では、現地国の自国産業育成施策によって、これらの工事を実施する事業体としては現地法人であることが求められるか、或いは、現地法人への発注を優先される場合が多くあり、日本海洋掘削も操業先の国に子会社を設立している。

また、主要な産油・ガス国であるカタール、マレーシアについては、操業基盤の安定・強化を図る観点から、それぞれの現地有力企業をパートナーとする合弁会社を通じて、海洋掘削事業を行っている。

その他の事業としては、日本海洋掘削は、水平孔掘削工法によるガスパイプライン、通信線、上下水道等の管路敷設のための掘削工事請負とメタンハイドレート開発、レーザー掘削システム開発に関する受託研究と、エンジニアリング業務等を行っている。また、子会社では、石油・天然ガスその他地下資源の探鉱・開発に関する設備、機械、器具、資材の販売と輸出入等を行っている。
収支の状況
10.3期は増益見通しだが前期の大幅減益の反動
09.3期は原油価格が乱高下する中、石油開発各社による海洋での石油・天然ガスの探鉱開発活動は概ね順調に推移し、当年度における世界全体での海洋掘削リグの年間平均稼働率は88.4%、競争市場リグに限ると92.8%となった。

こうした市況の中、日本海洋掘削のリグについては、複数のリグが当初から予定していた造船所工事を実施したものの、概ね順調に操業を続け、子会社が保有する海洋掘削リグ5基の年間平均稼働率は84.4%となった。

子会社では、カタールの合弁会社が5基の海洋掘削リグと4基の陸上掘削リグを運用して、同国での操業を行うと共に、マレーシアの合弁会社が1基の海洋掘削リグを運用して、ミャンマーとベトナムでの操業を行った。

以上の結果、09.3期の売上高は対前期比+約10%の増収となった。

売上原価では、「HAKURY-10」の建造に伴う償却資産の増加や操業関連費用の増加、「HAKURYU-5」の大規模延命対策工事等の実施に伴う修繕費等の増加、有形固定資産の減価償却方法を定額法から定率法に変更したことに伴う減価償却費の増加によって、対前期比+約98%と大幅増となった。

 販売費・一般管理費では、主に研究開発費用の増加によって対前期比+約20%の増加となった。以上の結果、営業利益以下の利益項目では、対前期比6割程度の大幅な減益となった。

10.3期の下半期は、海洋掘削装置(リグ)の待機期間の発生や、整備工事に伴う稼働率の低下が見込まれることから、通期では営業利益以下の利益項目では、上半期の累計実績並みに留まる(下半期だけでの利益はほぼ0)見通しとなっている。

株式の状況
特に気になる点はなく、すっきりした印象
ストックオプションの未行使残高や、ベンチャーキャピタルによる出資はない。主要株主はロックアップの対象になっており、ロックアップのカバー率は他社と比較すると若干低い印象ではあるが、ロックアップの対象になっていない株主も、取引先である大企業ばかりであり、利益確定のために上場早々に保有株式の売却に走る可能性は低いと考えられる。

A. 発行済み株式数 16,000千株(単元100株、09年10月に1:2株式分割後)
B. 公募 1,800千株、増資によるオーバーアロットメント 200千株
C. 売出し 株(売出し元は)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 18,000千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 法人3社と会社関係者20名に対して180日間。対象株数は11,510.6千株。

目論見書での日本海洋掘削の想定発行価格は3,650円で、この価格に基づく公募による日本海洋掘削の手取り概算額は、約6,120百万円とされている。オーバーアロットメントとして予定されている第三者割当増資による手取り額約686百万円と合わせた資金使途は、既存リグ設備維持・整備投資と設備能力増強投資等に充当する予定。

情報開示の状況
開示あり
日本海洋掘削のウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージと財務情報。


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