IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
paperboy&co.(3633 JASDAQ)IPO |
品薄感はあるが、それ以上の評価はしにくい 08.12期の業績予想ベースEPS約174円に対して、想定されている公募価格のPERは約13倍となる。ネット関連ビジネスであり、もう少し高いPERが容認されてもいいのではないかと思える面もあるが、足元の増益率は10%台まで低下しており、現状では、公募価格以上には評価できる要素は考えにくい。情報開示面で、12月上場で9月末までの第3四半期決算が事前開示されていない点や、GMOインターネットとの親子上場となる点は、ネガティブ材料となる。 ただ、公募と売り出しを合わせても1,500単元しかない、極端に品薄の上場となるので、株式需給の面で短期的な過熱は発生する可能性もある。 個別データ(肩は対前期比(%))
paperboy&co.は親会社であるGMOインターネットを中心とした企業集団に属しており、公募増資前の段階で、GMOインターネットはpaperboy&co.株式の59.6%(760千株)を保有している。 paperboy&co.では、ホスティング、EC支援、コミュニティの3事業を展開している。 ホスティング事業では、ウエブサイトやホームページを開設するためのサーバーや各種機能、ドメイン等を提供し、各サービスの利用料を主な売上げとしている。 EC支援事業では、電子商取引(EC)の運営を支援するオンラインショップ構築サービスとオンラインショッピングモールを提供しており、サービスの利用料金が主な売上げとなる。オンラインショップ運営が初めての方でもブログを作成する感覚で簡単に開店できるシステムを提供しており、08.10月末現在で18千件以上のオンラインショップが開店している。 コミュニティ事業では、ブログやSNSなどのインターネットサービスを提供しており、無料サービスについては広告掲載料、有料サービスについては、利用料金やシステムのライセンスフィーが主な売上げとなる。
paperboy&co.のウエブサイトには、11月19日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場関連の資料はニュースリリースとして掲載されている。 |
07.12期は、ホスティング事業では、機能追加やキャンペーンの実施を行い、日本語ドメインの取得を開始し、同事業の売上高は対前期比+約28%の増収となった。EC支援事業では、運営されているショップ数が07.4月に1万件を超え、売上高は対前期比+約94%の増収。コミュニティ事業では、モバイル向けコンテンツ連動型広告など、新たな収益を確立するための施策を実施し、対前期比+約74%の増収となった。全体の売上高では、対前期比+約36%の増収。 08.6中間期時点では、ホスティング事業では、レンタルサーバーサービスで約51千名の新規会員、ドメインサービスで約88千件のドメインが増加。EC支援事業では、約2千件が新規出店した。 表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%) 07.12期 08.6中 ホスティング 1,476 +28.9% 878 EC支援 175 +94.7% 125 コミュニティ 140 +74.1% 61 そ の 他 1 -- -- 合 計 1,793 +36.3% 1,065 08.12期は、paperboy&co.のサービスを1つのドメインで利用できる「ムームーDNS」を軸としたサービス間シナジーの創出を図っている。売上高の見通しは、コミュニティ事業において、広告単価下落の影響で対前期比マイナス約3%の減収の見通しだが、ドメイン市場の成長を受けて、「ムームーDNS」を軸としたドメインによる囲い込みを進めることで、ホスティング事業では対前期比+約23%、EC支援事業では同+約58%の増収を見込み、全体の売上高では、対前期比+約24%の増収の見通し。 人員増員に伴う労務費の増加や、ドメイン売上増加に伴う手数料の増加、会員数の増加や新規サービスの立ち上げ・機能向上に伴うサーバー外注費の増加等が見込まれるものの、増収効果によって、営業利益では、対前期比+約19%の増益の見通し。
ストックオプションは存在するものの、ボリュームは大きくない。また、行使価格も想定されている公募価格よりもやや高い水準になっているので、実際に行使できるかどうかは微妙。 既存株主に対するロックアップ条項はない。ただ、筆頭株主である親会社GMOインターネットの株式シェアは、公募増資後には、あまり売却すると過半数を割り込む可能性があるぐらいのぎりぎりの水準であり、支配権の維持を考慮するならば、持ち株売却の可能性は、あまり高くないと想定される。 A. 発行済み株式数 1,275,000株(単元100株、08.6に1:50株式分割後) B. 公募 50,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 100,000株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 40,200株 E. うち潜在株式に算入する数 40,200株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,365,200株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報:なし 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 07年5月 40,200株 2,468円 09年5月〜14年5月 目論見書での想定発行価格は2,200円で、この価格に基づくpaperboy&co.の公募による手取り概算額は約93百万円とされている。資金使途は、サービス提供用のサーバー設備等に約78百万円、残額を内部統制システムの強化に伴う設備等に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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