IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
電算システム(3630 東証二部)IPO |
株価が上がらなければ、配当利回り狙いでの保有も 事業内容に目新しさはないものの、堅実かつ安定的な業績を残している。06.12期と07.12期には、連続して特別損失を計上したが、08.12期には一巡された模様となっている。 08.12期の業績予想ベースEPS約120円に対する想定公募価格はPERは約9倍となる。割高感はない価格設定と思えるが、現在の低調な市況を考慮すると、当面の株価は想定公募価格程度で推移する可能性が高いとみる。 逆に、当面は想定公募価格程度の株価で推移するようであれば、配当利回りは約2%となり、長期保有を目的とする手もあるのではないか。 連結データ(肩は対前期比(%))
電算システムグループは、当社電算システムと、子会社1社・関連会社1社の3社から構成されており、総合型情報処理サービス企業として、情報サービス事業と収納代行サービス事業の2文やで事業を展開している。 情報サービス事業は、更に以下の4つのサービスに区分される。 1. メインフレームからクライアントサーバ、ウエブ技術に至る各種プラットフォームにおける運用・管理等のノウハウを活かした情報処理サービス 2. システム開発受託と技術者派遣、大学等との共同IT研究と、その成果物としてのソフトプロダクト商品の開発を行うシステムソリューション 3. システム機器・OA機器をベースとしたシステム開発を行うシステムインテグレーション 4. システム機器・OA機器・サプライ用品等の商品販売 情報処理サービスでは、ガソリンスタンドなどのサービスステーション業者向けに売り掛け管理、買掛管理、会計システムとのインターフェース(自動仕訳)等の各種システムを提供、ガス業界向けには、売り掛け管理、買掛管理、保安管理、配当管理等の各種システムを提供している。 また、郵便事業会社やクレジット会社、百貨店、通信販売会社、全農関連グループなどの食品通信販売取り扱い企業に対しては、食品類頒布会システム運用業務や、カタログ通販事業者を対象とした大量受発注データの入力管理等、商品納品確認など運用業務、全国農業協同組合連合会の食材宅配システム販売と受発注業務、郵便事業会社のゆうパックのデータ入力業務等をちゅう真に提供している。 システムソリューションでは、主に名古屋・岐阜地区の地元企業と、東京を中心とする首都圏のエンドユーザ・大手元請け企業を顧客としている。前者については、岐阜・名古屋・大阪の各開発拠点を中心に、顧客の要望に応じたカスタムメイドのシステム開発を行っている。東京地区については、三井化学やリクルートなどの大手顧客を含むエンドユーザと直接契約し、これらの顧客業務を通じて蓄積した技術を他の企業に対して展開しながら、システム開発・専門の技術者の派遣を行っている。 システムインテグレーションでは、中古車のオークションシステムの提供のほか、農薬業界でのBtoBや、BtoC取引向けのインターネットサイトなどの企画提案から、インターネット技術を利用した開発・運用までのトータルサポート、ホテル業・飲食業・ゴルフ場業向けのネットワークシステムの構築サポートなどを行っている。 収納代行サービス事業については、1997年に大手コンビニエンスストア4社と提携して、中小の通信販売会社の商品代金の回収を、払い込み票を使ったコンビニの店頭で代金・料金の収納代行をするサービスを開始した。払い込み票など紙を使って代金回収を行うサービスのほか、紙を使わずに代金回収を行うペーパーレス決済サービス、請求書の発行代行サービスを行っている。 |
07.12期の売上高は、情報処理サービスで、ガソリンスタンド・ガス販売業者向けの情報処理は伸び悩んだものの、食品通信販売取り扱い企業向けビジネスプロセスアウトソーシングが好調に推移したことで、対前期比増収。 システムソリューションでも、首都圏での大手顧客向けのシステム開発業務や名古屋地区での金融系システム開発受託が好調に推移したことで、対前期比増収。 システムインテグレーションでは岐阜地域でのソフトウエアプロダクト製品組み込みやカスタマイズ業務が、地域経済の低迷のために低調であったものの、首都圏を中心にホテル業向けアプリケーション開発が誇張に推移したことで、対前期比増収となった。以上から、情報サービス事業セグメント全体の売上高は対前期比+約11%の増収となった。 収納代行サービス事業では、基幹サービスであるコンビニ収納代行サービスが堅調に推移し、取引社数は、前期から213社増加し、2,011社となった。これに加えて、郵便振替代行サービスの取り扱い件数が増加、ネット決済サービスも好調に推移した。以上によって、同事業では、対前期比+約25%の増収となった。 以上から、売上高全体では、対前期比+約15%の増収となった。費用面で人事制度の見直しによる人件費の増加があったものの、大型不採算プロジェクトが発生しなかったこと等によって、営業利益・経常利益は、ともに対前期比+約40%程度の増益となった。なお、特別損失には、大垣テクノセンターの土地について、減損損失を約110百万円計上している。前07.12期には、固定資産除却損を約305百万円計上。 表1 セグメント別の販売実績(百万円、前期比%) 07.12期 08.6中 情報処理サービス 2,670 +15.3% 1,136 システムソリューション 4,455 +13.9% 2,173 システムインテグレーション 2,967 +4.0% 1,367 商品販売 827 +19.5% 323 情報サービス事業計 10,920 +11.7% 5,001 収納代行サービス事業 5,178 +25.7% 2,887 合計 16,099 +15.9% 7,888
ストックオプションについては、行使可能になるまで半年強あるため、潜在株式としては算入しなかった。 ロックアップのカバー率は上場時点の想定発行済み株式数に対して約6割となり、決して高くはない。また、ロックアップの対象には、そうそう持ち株を売り出すとは考えにくい、持合であろう銀行等が名を連ねている。こうした、ロックアップがなかったとしても、継続保有の可能性が高い株主を除いて、実質的なカバー率を考えると、もっと低いことになる。 A. 発行済み株式数 3,720千株(単元100株、08.3に1:5株式分割後) B. 公募 900千株、増資によるオーバーアロットメント 195千株 C. 売出し 400千株(売出し元は会社関係者160千株、法人3社240千株)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 400千株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 4,815千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者11名と取引先銀行等の法人8社に対して180日間。但し、発行価格の2倍以上の価格での市場売却は可能。対象株数は2,765千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 07年12月 400千株 1,156円 09年3月〜17年3月 目論見書での想定発行価格は1,020円で、この価格に基づく公募による電算システムの手取り概算額は約841百万円とされている。資金使途は、岐阜本社におけるソフトウエア開発・サーバ等の購入と社屋補修等の設備資金に71百万円、ソフトウエア会社への出資・事業の買収に約573百万円、借入金の返済に197百万円を充当する予定。
電算システムのウエブサイトには、9月30日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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