3627プライムワークスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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プライムワークス(3627 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

久し振りのIPO案件で、高い評価も狙えるだろう
 事業内容は携帯電話関連コンテンツであり、マーケットの注目度は高いと考えられる。これまでの高い成長から一転して、09.2期業績予想での利益の伸びは小さくなっているが、低めの業績予想に合わせて、想定されている公募価格も業績予想ベースのEPSに対してPER約23倍と、控えめな印象を受ける。

 IPO案件自体、4月は1件しかなく、それ以来1ヶ月以上のブランクを経てのプライムワークスの上場となる。この点でも市場の注目度や需給に関しては悪くないと考える。

 想定されている公募価格よりも高い初値が予想されるが、当面の課題は上場後にも残るベンチャーキャピタル保有株式となる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/2 07/2 07/8中 08/2 09/2予
売上高(百万円)
902
65.1%
1,489

1,103
51.4%
2,254
34.6%
3,033
営業利益(百万円)
48
190.5%
140

210
125.9%
316
20.1%
380
経常利益(百万円)
47
198.2%
140

209
121.3%
310
12.6%
349
当期利益(百万円)
37
116.9%
80

121
127.6%
181
15.4%
209
総資産(百万円)
純資産(百万円)
497
283
702
389
1,024
528
1,223
697
--
--
株主資本比率(%) 57.0% 55.5% 51.6% 57.0% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
9.5%
12.9%
19.9%
20.4%
20.4%
23.0%
25.3%
26.0%
--
--
発行済株式数 22 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
1,667
12,880
3,617
17,701
5,518
24,004
8,230
31,684
9,500
--
配当(円/株) -- -- -- -- --

事業概要
携帯電話、インターネット向けのコンテンツ、ソフトウェア、サービスの開発
 プライムワークスは、携帯電話サービスを構成している携帯電話会社、携帯電話端末メーカー、コンテンツプロバイダ等の事業者と携帯電話ユーザーを対象としたプラットフォームソリューション事業と、インターネットや携帯電話サービスのニーズを持った一般法人顧客を対象としたサービスソリューション事業の2つの事業を展開している。

 プラットフォームソリューション事業では、携帯コミックや携帯小説等を閲覧するためのアプリケーションソフトの開発や、配信事業者向けのASPサービス、コンテンツ制作・配信などを行う「電子ブック」と、携帯電話端末ユーザーインターフェース(UI)に関するコンテンツ制作・配信を行う「カスタムモバイル」等の分野を中心に展開している。

 電子ブックソリューションとカスタムソリューションの具体的な事業内容は以下の通り。
■電子ブックビューワライセンス・実装サポート
内容: ソフトバンクモバイル向けの電子ブックビューワの開発、使用権の許諾、各種ビューワの携帯電話端末への実装に伴う開発・技術サポート。
事業収入: 使用許諾に対するライセンス料、開発・技術サポートに対する収入。

■電子ブック配信事業者向けASPサービス
内容: i-modeでの電子ブック配信事業者向けのビューワダウンロードとコミックデータの穂スティングサービスのための開発、サーバー構築・運営
事業収入: サーバーや回線の利用等に対する収入

■電子ブックコンテンツ制作・配信
内容: 携帯電話端末メーカー等に向けた電子ブックコンテンツの制作・供給やコミックサイト等を通じたエンドユーザーへのコンテンツ配信
事業収入: コンテンツ制作・供給に対する収入、エンドユーザーのダウンロード数に応じて得る収入

■UIコンテンツポータルサイト
内容: 有名キャラクターからエンターテイメント、ファッションまで総合的にUIコンテンツを配信する携帯電話ポータルサイト
事業収入: エンドユーザーのダウンロードに応じて得る収入

■UIコンテンツの制作
内容: 携帯電話会社や携帯電話端末メーカー等に向けたUIコンテンツの制作、供給
事業収入: コンテンツの制作・供給に対する収入

 サービスソリューション事業では、インターネットや携帯電話サービスのニーズを持った一般法人顧客に対するウエブサイトの企画・開発・運営に関するサービス提供業務を主に展開している。特に、医薬品、美容、健康等のヘルスケア分野に注力している。

 主な事業内容は、以下の通り。
・ パソコン、携帯電話等、マルチプラットフォームに向けたサイトソリューションの提供
・ サーバー運用、コンテンツ運用、ユーザーサポートを含む包括的なサイト運営サービスの提供
・ 企画フェーズにおける戦略立案、運営フェーズにおけるSEO/SEM対策やネット広告のエージェント業務等、コンサルティングやマーケティングの付加サービスの提供
収支の状況
これまでの高成長も、09.2期には一段落か
 07.2期は、電子ブックソリューションではソフトバンクモバイルに対して、電子ブックビューワのライセンス供与を開始した。また、このビューワは携帯電話端末のネイティブ層にあらかじめ実装する方式をとっていることから、各社携帯電話端末の実装に関わる開発と技術サポートサービスも平行して開始した。i-mode電子ブックコンテンツプロバイダ向けのASPサービスも、携帯電話におけるコミック市場の拡大が本格化したことにより、順調に拡大した。

 カスタムモバイルソリューションでは、従来ソフトバンクモバイル携帯電話向けのみに行っていたカスタムモバイルコンテンツの配信をau向け、i-mode向けにも拡大して、携帯電話会社3社に対応した。また、ゲーム・音楽・映像等のマルチメディアモバイル分野でも積極的にソリューションの展開を図った。以上により、プラットフォームソリューション事業の売上高は、対前期比+約98%となった。

 サービスソリューション事業では、従来の医薬品業界、美容業界でのWEBインテグレーションサービスの展開に加えて、健康食品業界へもソリューション提供を拡大、また新たな展開として、外国為替証拠金取引情報サイトの運営に着手する等を行った。以上によって、サービスソリューション事業の売上高は、対前期比+約17%となった。

 売上高の増加に伴って、営業利益・経常利益では、対前期比で約3倍近い増益となった。

表1 事業別販売実績(百万円、前期比%)
07.2期  07.8中
プラットフォーム 1,059 +98.0%  704
サ ー ビ ス    428 +17.1%  398
合       計 1,488 +65.1% 1,103

 08.2期も、上記07.2期に続いて大幅な増収増益となっている。09.2期の業績予想も発表されているが、ここでは売上高は引き続いて約30%の増収が見込まれているものの、利益項目に関しては、それまでの対前期比で100%を超える大幅な増益から一転して、10-20%程度の伸びに留まる想定になっている。

株式の状況
VC保有シェアが高い点には注意が必要
 ストックオプションの残高シェアはそれほど大きいものではない。一方、ベンチャーキャピタルの出資シェアは比較的高い。VC保有株のうち1,000株は売り出し対象になっているので、上場時点での保有数は約4千株となり、公募+売り出しの合計数とほぼ等しい残高を依然として保有していることになる。

A. 発行済み株式数 15,540株(08.2に1:2株式分割後)
B. 公募 2,200株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 1,800株(売出し元はベンチャーキャピタル1,000株、会社関係者800株)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 4,602株
 E. うち潜在株式に算入する数 4,260株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 22,000株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 5,080株
既存株主へのロックアップ情報: なし

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
05年5月 3,160株 25千円 07年7月〜15年5月
05年5月   60株 25千円 07年9月〜15年5月
05年5月  560株 25千円 07年10月〜15年5月
07年2月  480株 100千円 09年3月〜17年1月
07年2月   60株 100千円 10年6月〜10年11月
07年2月   90株 100千円 09年9月〜17年1月
07年10月 192株 100千円 09年11月〜17年1月

 目論見書での想定発行価格は22万円で、この価格に基く公募によるプライムワークスの手取り概算額は約415百万円とされている。資金使途は、業容拡大に伴うサーバー設備等の増強と、システム開発に伴う設備資金として230百万円、残額をコンテンツ権利獲得・エンジン技術開発等にかかわる運転資金に充当する予定。

情報開示の状況
開示あり
 プライムワークスのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージと上場関連の資料となっている。



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