IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ヒューリック(3265 東証)IPO |
現在の市況では、大型案件に対しては特に厳しいのでは 不動産関連の銘柄は評価されにくい市況ではあるが、その中では、ヒューリックの場合には不動産関連ビジネスがメインとはいえ、賃貸事業が中心となっており、比較的安定した事業内容になっている。 比較的安定した事業であり、08.12期の業績予想も増収増益を見込んでいるとはいえ、現在の市況と、大規模上場案件で市場からの資金吸収額が大きいことを考えると、08.12期業績予想ベースのEPS約42円に対して、PER約15倍強となる想定公募価格には、高い印象がある。 なお、株主優待を実施することがプレスリリースされている。優待の内容は、単元株以上の期末時点でのホルダーに対して、3千円相当の優待品カタログの送付となっている。 連結データ(肩は対前期比(%))
ヒューリック・グループは当社ヒューリックと連結子会社7社と持分法適用関連会社7社から構成されており、不動産事業と保険事業、その他事業を行っている。 不動産事業は、更に、不動産賃貸業務、不動産開発・分譲業務、不動産投資業務、アセットマネジメント業務、その他に5分類される。 不動産賃貸業務では、東京23区を中心に100件以上の賃貸物件・賃貸可能面積40万m2強を活用している。特にオフィス・店舗用賃貸物件のうち、最寄り駅から徒歩5分(400m)以内の物件が8割を占めている点が特徴。 不動産開発・分譲業務では、物件立地特性に応じた不動産開発業務や分譲業務を行っている。特に従来から保有しているオフィスビルの建替えを2007年度から積極的に推進している。また、企業へ社宅・独身寮として賃貸している物件の建替えや、開発・分譲事業への切り替えも行っている。 不動産投資業務では、不動産ポートフォリオを適正に維持する観点から、良質な賃貸物件や、当社保有物件の隣接物件、売却益を見込める販売用不動産に対する投資を行っている。また、特別目的会社(SPC)への投資にも取り組んでいる。 アセットマネジメント業務では、不動産に関わる投資助言・代理業務を、その他として、賃貸用不動産に関連する業務として、ビル管理業務、警備業務、ビル清掃業務を行っている。 |
07.12期は、不動産事業では、収益物件としてヒューリック本体で3棟を取得して新たな賃貸物件として稼動を開始、子会社で3棟を取得、1件の区分所有権・借地権を取得して、当社の単独保有ビルとした。更に、ヒューリックで従来社宅として賃貸していた物件を建替え、179戸の賃貸マンションとして稼動させた。以上を通じて賃貸収益が増加したことと、国立で分譲を行ったことで不動産売上高を計上したこと等によって、当セグメントでは、対前期比+約12%の増収となった。 保険事業では対前期比マイナス約5%の減収、その他事業では、前期に多かったヒューリック保有ビルの耐震工事が終了したこと等によって、対前期比マイナス約20%の減収となった。 以上によって、全体の売上高では対前期比+約10%の増収となり、営業利益でも同約10%の増益となった。経常利益では、株式の売却等によって、持分法適用外となった会社が発生したことで、同マイナス約3%の減益となった。 表1 セグメント別の営業実績(百万円、前期比%) 07.12期 08.6中 不動産 26,591 +12.4% 14,948 保 険 2,170 -5.1% 1,082 その他 1,973 -20.0% 732 合 計 29,727 +10.9% 16,493 (合計は、セグメント間の消去後)
ストックオプションの未行使残高があるが、2010年まで行使が出来ない条件になっているので、潜在株式には算入しなかった。ベンチャーキャピタルの出資はあるものの、ウエイトは低い。また、ロックアップのカバー率も高い。 A. 発行済み株式数 136,428,700株(単元100株、08.1に1:100株式分割後) B. 公募 10,000千株、増資によるオーバーアロットメント 4,500千株 C. 売出し 20,000千株(売出し元は法人)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 1,381千株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 150,928,700株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 8,480千株 既存株主へのロックアップ情報: 法人21社(うちVC1)、個人22名に対して180日間。対象株数は116,741千株。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 08年3月 1,381千株 946円 10年3月〜17年4月 目論見書での想定発行価格は564円で、この価格に基づく公募によるヒューリックの手取り概算額は、約5,228百万円とされている。オーバーアロットメントとして予定されている第三者割当増資の手取り額約2,385百万円と合わせた資金使途は、不動産賃貸業務の拡充・強化のために、東京都心部等の駅周辺・交通至便な優良立地のオフィス賃貸用の新規物件の取得に充当する予定。
ヒューリックのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージと財務ハイライト、上場関連の資料となっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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