IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
サニーサイドアップ(2180 大証ヘラクレス)IPO |
想定されている公募価格以上には評価しにくい面がある 中田英寿や北島康介等と契約する会社であることで、元々知名度が高い会社であり、今回の上場に際しても、注目度は高い銘柄になるだろう。 ただ、株式の銘柄として見た場合、08.6期業績予想ベースでのPER約130円に対して、想定されている公募価格のPERは約21倍となり、足元での業績の伸びは考慮するとしても、最近のマーケット状況では、若干強気な印象を受ける。 そのほか、8月の上場承認の段階で6月末での通期決算が開示されていない点や、翌09.6期の見通しが開示されていない点、海外向けの売上げは微小(セグメント情報の記載が省略される規模)であるにもかかわらず、多額の通貨オプション取引を行っている点など、釈然としないポイントも見受けられる。 契約相手先である北島康介等の北京オリンピックでの成績なども、株価に影響を与える可能性があるが、特別に取引量が大きくて業績への影響が大きいという状態ではない。成績が良かった場合のご祝儀プレミアム程度か。 連結データ(肩は対前期比(%))、06.6期のみ個別
サニーサイドアップグループは、当社サニーサイドアップと連結子会社2社から構成されており、PR事業、マネジメント事業、コンテンツ開発事業、SP事業を展開している。 PR事業は、クライアントである企業・団体やその商品・サービスのPR戦略の企画・立案等のコンサルティング業務と、各メディアに対する適切な情報発信・情報管理・対応等のメディアリレーション業務を提供している。 マネジメント事業では、クライアントであるアスリートやスペシャリスト(以下、「契約アスリート等」)に対して、各種契約交渉の代行等のエージェント業務、広報業務、肖像権の管理業務を提供している。また、契約アスリート等の肖像利用等を企業や団体に対して提案し、メディアへの出演、広告・宣伝への出演等のコーディネート業務を提供している。 コンテンツ開発事業では、インターネット・携帯電話サイト、TV番組・DVD等の映像作品、書籍・出版物、イベント、マーチャンダイジング商品等の企画・制作業務を提供している。 SP事業では、クライアントである企業・団体やその商品・サービスのSP(Sales Promotion)戦略の企画・立案等のコンサルティング業務と、店頭や街頭における消費者及び流通チャネルとの接点におけるSP施策の実施管理業務、SP施策に必要なツール(景品、パンフレット等)の制作業務を提供している。 |
08.6期の業績見通しでは、売上高では、PR事業でレギュラー案件での既存クライアントの継続や新規クライアントの獲得などで順調な受注があり、スポット案件でも受注が順調に推移したことで、増収の見通し。 マネジメント事業では、既存契約アスリート等での売上げが順調に推移したほか、上田桃子等の新規アスリートとの契約締結も寄与して、増収となる見通し。 コンテンツ開発事業では、各種イベントの企画が順調に受注・実施され、SP事業では、各種SP企画に対する受注が順調に推移したことに加えて、新規クライアントの獲得やOEM案件の受注獲得に成功したことで、増収となる見通し。 以上から、売上高全体では、対前期比+約33%の増収となる見通し。 表1 セグメント別の販売実績(百万円) 07.6期 07.12中 PR事業 872 649 マネジメント事業 943 436 コンテンツ開発事業 816 341 SP事業 2,453 1,436 合計 5,085 2,864 費用面では、売上高の伸長に伴って売上原価が増加するほか、人員増加による労務費の増加が見込まれているものの、販売費・一般管理費を対前期比+約5%程度の伸びに抑制することで、営業利益では、対前期比+70%以上の増益となる見通し。 営業外費用で期中に解約したデリバティブ損失64百万円を計上すること等の影響によって、経常利益では、ほぼ前期並みの水準となる。 マネジメント事業で契約しているアスリート等は、中田英寿、大黒将志、北島康介、為末大、上田桃子、大黒摩季など30名となっている。このうち、中田英寿と北島康介の2名が全売上高に占める割合は、07.6期実績で16.7%となっている。
ストックオプションの未行使残高が大量に残っている上に、上場直後から即行使可能な状態になっている。ベンチャーキャピタルの保有株式を含めて既存株主へのロックアップもない。上場直後には、公募株式だけでなく、少なくともストックオプションとVC保有分合計の約140千株は市場流通される可能性があると考えたほうがよいだろう。 A. 発行済み株式数 846,000株(単元100株、08.3に1:20株式分割後) B. 公募 190,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 0株、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 96,800株 E. うち潜在株式に算入する数 96,800株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,132,800株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 40,000株 既存株主へのロックアップ情報: なし 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年6月 8,000株 1,000円 05年10月〜15年6月 05年6月 28,000株 1,000円 07年6月〜15年6月 06年5月 4,800株 1,250円 06年7月〜16年5月 06年5月 56,000株 1,250円 08年7月〜16年5月 目論見書での想定発行価格は2,800円で、この価格に基づく公募によるサニーサイドアップの手取り概算額は約469百万円とされている。資金使途は、長期借入金の返済に250百万円、残金をコンテンツ開発事業における自主企画イベント開催等のための運転資金に充当する予定。
サニーサイドアップのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、決算公告だけとなっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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