3622ネットイヤーグループIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ネットイヤーグループ(3622 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

悪くは無いが、マーケット評価としては旬を過ぎた業態の印象も
 08.3期業績予想ベースのEPSは約4,600円だが、法人税の実質負担がまだ無いため、この分を考慮すると、約2,800円となる。想定されている公募価格に対するPERは約10倍強となる。

ネット関連ビジネスで、成長性もそこそこあるという点では、公募価格には割安感もあるが、同業他社の既上場案件が、2年前・前年と幾つかあった中では、この業態に対する食傷感もあるだろうし、わざわざネットイヤーグループを選んで投資するという判断は、し辛い面もある。割安だからといって、積極的には公募に応じにくいか。


連結データ(06.3期のみ個別、肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 07/9中 08/3予
売上高(百万円)
1,607

2,534

1,529
30.1%
3,296
営業利益(百万円)
104

245

161
36.9%
336
経常利益(百万円)
105

237

157
27.2%
302
当期利益(百万円)
206

275

200
19.5%
329
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,405
1,063
1,853
1,441
1,974
1,632
--
--
株主資本比率(%) 75.6% 77.8% 82.7% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
7.5%
19.4%
12.8%
19.1%
8.0%
12.3%
--
--
発行済株式数 71.071 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
2,904
14,950
3,875
20,271
2,815
22,962
4,629
--
配当(円/株) -- 150 -- 250

事業概要
インターネット技術を活用したマーケティング業務の支援事業等
 ネットイヤーグループは当社ネットイヤーグループと、連結子会社2社、持分法適用関連会社2社から構成されており、SIPS(Strategic Internet Professional Service)事業を展開している。

 SIPS事業は、企業が抱えるマーケティング等に関する課題に対して、インターネットやウエブサイトを活用した解決策の提案とその実現を行う事業モデルで、コンサルティングサービスと、クリエイティブサービス、ウエブソリューション、ウエブ運用サービスに4区分される。

 コンサルティングサービスでは、インターネットを用いた新しいマーケティング戦略、ブランド戦略、チャネル戦略に関する「マーケティング戦略サービス」と、ウエブサイトを事業戦略の観点から効果的に活用して、高い操作性を実現するための概念設計・基本設計に関する「ウエブサイト設計コンサルティング」、wwwサーバーに蓄積されたログデータの解析からサイトの利用状況や問題点を分析し、サイトの改善策を提言する「アクセス解析コンサルティング」を行っている。

 クリエイティブサービスでは、企業サイト、Eコマースサイト、携帯サイト、プロモーションサイトなど、各種ウエブサイトに関するコンテンツ、映像、ロゴ、販売促進ツールなどの企画とデザイン制作等のサービスを提供している。

 ウエブソリューションサービスでは、Eコマース、顧客データベース、システム運用、ブログなどのウエブシステムの設計・開発と、一部ではハードウエア・ソフトウエアライセンスの販売等を行っている。

 ウエブ運用サービスでは、ウエブサイトやメールマガジンなどの定期的・定型的なコンテンツ制作・更新業務を行う「コンテンツ運用」と、Eコマース、顧客データベース、メール配信、アクセス解析ASPなどのASP・システム保守・運用とサーバーホスティング、レンタルを行う「システム運用」、ネット広告・リスティング広告・アフィリエイトなどオンラインプロモーションの企画・運営を行う「プロモーション運用」を行っている。

情報開示の状況
開示なし
 ネットイヤーグループのウエブサイトには2月4日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。
収支の状況
08.3期も安定して増収増益の見通し、中間期の進捗もまずまず
 07.3期は、ブランディングとログ解析の専門チームを組成し、ウエブサイト制作・運用に特化した子会社や、電通イーマーケティングワン・アビームコンサルティングと共同してマーケティング戦略コンサルティング会社を設立した。

 07.9中間期は、顧客の多様化するニーズに対応するためにサービスラインを拡充し、携帯ソリューションの提供を専門とする会社を設立した。

表1 サービス品目別の販売実績(百万円)
           07.3期  07.9中
コンサルティング   411 216
クリエイティブ    1,350 794
ウエブソリューション 190  78
ウエブ運用       581 439
合計         2,534 1,529

 08.3期業績予想に対する中間期の進捗率はほぼ半分になっている。足元では一般的な企業業績にはやや陰りが見られる面もあること等、景況感から若干のリスクも感じられるが、ほぼインラインと見てよいと思われる。

 08.3期業績予想では、前期に比較して、約30%の増収、30%前後の増益見通しとなっているが、業績予想の前提等については、非開示。

 ネットイヤーグループの事業では、毎期継続的にインターネット関連投資を行う企業等を主たる顧客対象としており、継続取引することで特定顧客との取引額が拡大した結果、特定顧客への依存度が高くなるケースがある。07.3期では、販売先1位のKDDIに対する売上依存度は約21%、同社を含めた上位10社に対する依存度は約55%となっている。

 ネットイヤーグループでは、03.3期まで赤字決算であったことから、税務上の繰越欠損金が発生している。07.3期末時点での繰越欠損金は約10億円が残っている。同グループの利益額が3億円前後であるため、現在の状況で推移すれば、欠損金の一掃・法人税等の負担の発生には、まだ2・3年は、かかりそうな状況。

株式の状況
ストックオプションは行使制限条項付き
 ベンチャーキャピタルの出資ウエイトが高いが、多くはロックアップの対象になっている。

 ストックオプションの大半には、上場後1年間には割当量の半分しか行使出来ないという行使制限条項が付いているため、下記の株式数の計算には、ストックオプションの半分だけを算入した。

A. 発行済み株式数 58,660株
B. 公募 6,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 4,728株(売出し元はベンチャーキャピタル1,128株、残は親会社)、既発株のオーバーアロットメント 1,600株
D. ストックオプション等の残高総数 6,411株
 E. うち潜在株式に算入する数 2,965株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 71,071株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 20,694株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者4名と親会社、ベンチャーキャピタル12社・組合に対して180日間。対象株式数は39,723株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
04年6月 4,174株 15千円 06年6月〜14年6月(行使制限有り*)
06年9月  480株 38千円 08年9月〜16年9月
07年3月 1,755株 38千円 09年3月〜17年3月(行使制限有り*)
*上場後1年間は割当のうち50%、2年目は累積で75%までしか行使出来ない

 目論見書での想定発行価格は3万円で、この価格に基づく公募によるネットイヤーグループの手取り概算額は約168百万円とされている。資金使途は、全額を本社事業所移転に伴う設備投資資金(事業所内装設備、ネットワーク構築、敷金等)に充当する予定。



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