IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ネットイヤーグループ(3622 東証マザーズ)IPO |
悪くは無いが、マーケット評価としては旬を過ぎた業態の印象も 08.3期業績予想ベースのEPSは約4,600円だが、法人税の実質負担がまだ無いため、この分を考慮すると、約2,800円となる。想定されている公募価格に対するPERは約10倍強となる。 ネット関連ビジネスで、成長性もそこそこあるという点では、公募価格には割安感もあるが、同業他社の既上場案件が、2年前・前年と幾つかあった中では、この業態に対する食傷感もあるだろうし、わざわざネットイヤーグループを選んで投資するという判断は、し辛い面もある。割安だからといって、積極的には公募に応じにくいか。 連結データ(06.3期のみ個別、肩は対前期比(%))
ネットイヤーグループは当社ネットイヤーグループと、連結子会社2社、持分法適用関連会社2社から構成されており、SIPS(Strategic Internet Professional Service)事業を展開している。 SIPS事業は、企業が抱えるマーケティング等に関する課題に対して、インターネットやウエブサイトを活用した解決策の提案とその実現を行う事業モデルで、コンサルティングサービスと、クリエイティブサービス、ウエブソリューション、ウエブ運用サービスに4区分される。 コンサルティングサービスでは、インターネットを用いた新しいマーケティング戦略、ブランド戦略、チャネル戦略に関する「マーケティング戦略サービス」と、ウエブサイトを事業戦略の観点から効果的に活用して、高い操作性を実現するための概念設計・基本設計に関する「ウエブサイト設計コンサルティング」、wwwサーバーに蓄積されたログデータの解析からサイトの利用状況や問題点を分析し、サイトの改善策を提言する「アクセス解析コンサルティング」を行っている。 クリエイティブサービスでは、企業サイト、Eコマースサイト、携帯サイト、プロモーションサイトなど、各種ウエブサイトに関するコンテンツ、映像、ロゴ、販売促進ツールなどの企画とデザイン制作等のサービスを提供している。 ウエブソリューションサービスでは、Eコマース、顧客データベース、システム運用、ブログなどのウエブシステムの設計・開発と、一部ではハードウエア・ソフトウエアライセンスの販売等を行っている。 ウエブ運用サービスでは、ウエブサイトやメールマガジンなどの定期的・定型的なコンテンツ制作・更新業務を行う「コンテンツ運用」と、Eコマース、顧客データベース、メール配信、アクセス解析ASPなどのASP・システム保守・運用とサーバーホスティング、レンタルを行う「システム運用」、ネット広告・リスティング広告・アフィリエイトなどオンラインプロモーションの企画・運営を行う「プロモーション運用」を行っている。
ネットイヤーグループのウエブサイトには2月4日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
07.3期は、ブランディングとログ解析の専門チームを組成し、ウエブサイト制作・運用に特化した子会社や、電通イーマーケティングワン・アビームコンサルティングと共同してマーケティング戦略コンサルティング会社を設立した。 07.9中間期は、顧客の多様化するニーズに対応するためにサービスラインを拡充し、携帯ソリューションの提供を専門とする会社を設立した。 表1 サービス品目別の販売実績(百万円) 07.3期 07.9中 コンサルティング 411 216 クリエイティブ 1,350 794 ウエブソリューション 190 78 ウエブ運用 581 439 合計 2,534 1,529 08.3期業績予想に対する中間期の進捗率はほぼ半分になっている。足元では一般的な企業業績にはやや陰りが見られる面もあること等、景況感から若干のリスクも感じられるが、ほぼインラインと見てよいと思われる。 08.3期業績予想では、前期に比較して、約30%の増収、30%前後の増益見通しとなっているが、業績予想の前提等については、非開示。 ネットイヤーグループの事業では、毎期継続的にインターネット関連投資を行う企業等を主たる顧客対象としており、継続取引することで特定顧客との取引額が拡大した結果、特定顧客への依存度が高くなるケースがある。07.3期では、販売先1位のKDDIに対する売上依存度は約21%、同社を含めた上位10社に対する依存度は約55%となっている。 ネットイヤーグループでは、03.3期まで赤字決算であったことから、税務上の繰越欠損金が発生している。07.3期末時点での繰越欠損金は約10億円が残っている。同グループの利益額が3億円前後であるため、現在の状況で推移すれば、欠損金の一掃・法人税等の負担の発生には、まだ2・3年は、かかりそうな状況。
ベンチャーキャピタルの出資ウエイトが高いが、多くはロックアップの対象になっている。 ストックオプションの大半には、上場後1年間には割当量の半分しか行使出来ないという行使制限条項が付いているため、下記の株式数の計算には、ストックオプションの半分だけを算入した。 A. 発行済み株式数 58,660株 B. 公募 6,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 4,728株(売出し元はベンチャーキャピタル1,128株、残は親会社)、既発株のオーバーアロットメント 1,600株 D. ストックオプション等の残高総数 6,411株 E. うち潜在株式に算入する数 2,965株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 71,071株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 20,694株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者4名と親会社、ベンチャーキャピタル12社・組合に対して180日間。対象株式数は39,723株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 04年6月 4,174株 15千円 06年6月〜14年6月(行使制限有り*) 06年9月 480株 38千円 08年9月〜16年9月 07年3月 1,755株 38千円 09年3月〜17年3月(行使制限有り*) *上場後1年間は割当のうち50%、2年目は累積で75%までしか行使出来ない 目論見書での想定発行価格は3万円で、この価格に基づく公募によるネットイヤーグループの手取り概算額は約168百万円とされている。資金使途は、全額を本社事業所移転に伴う設備投資資金(事業所内装設備、ネットワーク構築、敷金等)に充当する予定。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||