IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ゲオエステート(3260 名証セントレックス)IPO |
名証セントレックスから親子上場を敢行 09.2期業績予想では、大幅な増収が見込まれているが、具体的な根拠は特に開示されておらず、今の段階では十分に信用できる状況にはない。 想定されている公募価格に対するPERは08.2期見通しベースで約6倍、09.2期予想ベースで約4.5倍となる。最近パフォーマンスが芳しくない名証セントレックスからの上場になる点や、ゲオとの親子上場になる点などのネガティブ項目があるので、5倍前後のPERでも特に割安感は感じられない。公募で取得することのポイントは、配当利回りが公募価格ベースで7%強と高い点ぐらいか。 最近の取引所では推奨されていない親子上場を敢行する点は、注目点となる。ゲオエステートは不動産ビジネスであって、ゲオとの事業面での関連性が薄いから重複上場するという趣旨であれば、ゲオに対してロックアップをかけて筆頭株主を維持させる必要はなく、上場時に売り出し等を行えばよいと考えられる。 個別データ(肩は対前期比(%))
ゲオエステートは、不動産のコーディネートとマネジメントに特化した企画開発・販売を行っている。 具体的には、提携先・取引先・親会社から入手した不動産情報を精査して、不動産価値の最大化を図るための企画立案・事業収支計画・リスク分析を行った上で、事業収益の見込める開発用地や物件を購入し、事業化を進めている。 事業の遂行に必要な設計・施工・販売などの業務は外部企業に委託しており、ゲオエステートでは、事業遂行に有効なパートナーの選定などの事業のコーディネートと、円滑な事業遂行を図るためのマネジメント業務を行っている。 事業区分は、デペロップメント事業と、リセール事業、インベストメント事業に3区分される。 デベロップメント事業では、開発用地を取得して、物件ごとに地域特性や立地環境に最適な企画を付加し、分譲マンションや商業施設の開発、宅地開発を行っている。 リセール事業では、分譲マンションの場合には、他のデベロッパーが開発した物件を1棟または区分所有で購入し、物件に付加価値を付けた上で、効率的・効果的な販売手法を検討して販売している。商業施設の場合には、リノベーション(改修)またはコンバージョン(用途変更)することによって建物の機能を刷新し、魅力的な物件に仕上げた後に、不動産ファンドやREITに対して売却している。 インベストメント事業では、他社が組成した不動産ファンドへの出資やSPCへの事業出資を行って、利益配当を受け取っている。また、不動産ビジネスのネットワークによって収集した情報と、不動産事業者等からの依頼を選別・調整し、事業用不動産の仲介や債権処理を行うソリューション業務なども行っている。 |
07.2期は、デベロップメント事業では、自社開発マンション2棟41戸、宅地開発2物件38区画、マンション販売代理1棟13戸、リセール事業では、買取再販マンション3棟76戸を販売、引き渡した。 これまではリセール事業を中心に事業展開をしていたが、当年度からはデベロップメント事業に経営資源を集中して再販物件の購入を控えたことで、売上高は、対前期比マイナス約8%の減収となった。これに伴って、営業利益以下の利益項目では、対前期比マイナス約30%の減益。 07.8中間期では、デベロップメント事業では自社開発マンション1棟62戸、宅地開発3物件14区画、リセール事業では、買取再販マンション2棟38戸の販売・引渡しを行った。 表1 事業区分別の販売実績(百万円、前期比%) 07.2期 07.8中 デベロップメント 1,332 +996.7% 2,851 リ セ ー ル 2,376 -39.4% 1,121 インベストメント 3 -55.4% 2 合 計 3,711 -8.3% 3,974 08.2期と09.2期の2期分の業績予想が開示されている。08.2期については、既に第三四半期実績までが出ており、その進捗率をみると、通期予想も達成できそうなペースになっている。一方、09.2期は売上高で対前期比+約90%の大幅な増収が見込まれているが、これについての根拠等詳細は開示されておらず、達成の見通しについては、現時点では何とも評価できない。
ベンチャーキャピタルの出資分はあるが、ボリュームは小さい。ストックオプションによる希薄化リスクは1割強となるので、むしろこちらのほうが注意要か。 公開後の想定株式数約174万株に対して、親会社ゲオの保有シェアは、ロックアップがあるため公開後も100万株程度が維持されることになり、引き続き圧倒的な筆頭株主となる模様。 A. 発行済み株式数 1,218千株(単元100株) B. 公募 300千株、増資によるオーバーアロットメント 45千株 C. 売出し 0株、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 176千株 E. うち潜在株式に算入する数 176千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,739千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 7千株 既存株主へのロックアップ情報: 親会社ゲオに対して6ヶ月間。また、06年6月以降に実施した3回の第三者割当増資(228千株、割当価格は600円と800円)は上場後半年間の保有確約の対象。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 06年2月 70千株 500円 08年2月〜16年2月 06年5月 106千株 600円 08年5月〜16年5月 目論見書での想定発行価格は670円で、この価格に基づく公募によるゲオエステートの手取り概算額は約164百万円とされている。資金使途は、全額を借入金の返済に充当する予定。
ゲオエステートのウエブサイトには既に、投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、決算情報と上場承認のプレスリリース。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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