3258常和ホールディングスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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常和ホールディングス(3258 東証二部)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:不動産業

想定されている公募価格が精一杯か
 08.3期業績予想ベースのEPS約1,500円に対して想定されている公募価格のPERは約14倍となる。オフィスビルの賃貸事業がメインの会社としては妥当なところだろうが、最近の市況をみると、ここまでは評価されない可能性もあるとみる。市況の悪化に伴ってディスカウントすべき分については、10.3期には、大阪で新しいビジネスホテルが稼動を開始する予定であり、この分の業績貢献も多少織り込んだ公募想定価格とも考えられる。

 いずれにせよ、想定されている公募価格から更に買い上がる理由を見つけることは難しいとみる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 07/9中 08/3予
売上高(百万円)
12,603
2.3%
12,892

6,184
0.3%
12,929
営業利益(百万円)
4,093
8.2%
4,431

2,198
0.3%
4,443
経常利益(百万円)
2,186
19.0%
2,601

1,442
7.1%
2,786
当期利益(百万円)
1,242
13.0%
1,403

877
17.7%
1,652
総資産(百万円)
純資産(百万円)
121,039
9,169
120,765
9,948
117,802
10,074
--
--
株主資本比率(%) 7.6% 8.2% 8.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
1.8%
13.5%
2.2%
14.1%
1.2%
8.7%
--
--
発行済株式数 1,078.5 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
1,152
8,501
1,301
9,224
813
9,341
1,532
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
オフィスビル事業、ビジネスホテル事業等を展開するグループ持株会社
 常和ホールディングスグループは、常和ホールディングスと連結子会社12社から構成されており、常和ホールディングスグループが所有するオフィスビル等の賃貸・管理などのオフィスビル事業、ビジネスホテルの保有・運営を行うホテル事業、ゴルフ場の保有・運営を行うゴルフ事業、戸建住宅・宅地等の分譲や社宅等の保有・賃貸・管理を行う住宅事業、及びその他事業を行っている。

 オフィスビル事業では、東京都内や地方中核都市において、オフィスビル等の賃貸、管理、運営を行っている。そのほか、連結子会社では、リゾートホテル等の不動産信託受益権等を保有・運営している。

情報開示の状況
開示はまだ
 常和ホールディングスのウエブサイトには2月18日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認のニュースリリースが掲載されているだけとなっている。


収支の状況
08.3期は営業外の改善で経常増益見通しだが、営業利益までは前期並みの見通し
 07.3期は、オフィスビル事業では、新横浜ビルの賃料引下げがあったものの、都内物件を中心に既存テナントとの賃料引き上げ交渉や空室率の改善に注力した。07.3期末の空室率は、対前期比0.1ポイント低下の2.5%となった。

 新たにプロパティマネジメント業務を受託し、関連手数料収入の積み上げなどによって、売上高は前期並みとなった。

 ホテル事業では、リピーターの獲得と旅行代理店への営業強化等の営業施策を講じた結果、ホテル5店舗の平均客室稼働率は、前年同期比1.5ポイント上昇し、87.2%となった。また客室単価も前期比100円増となったことで、売上高は対前期比+約3%の増収となった。

 一方、営業利益では、ホテルの新ブランド移行関連の費用や新規ホテルに向けた要員増強等によって費用が増加したことで、対前期比マイナス約6%減となった。

 ゴルフ事業では、客単価は下落傾向にあるものの、高麗グリーンのベントグリーン化、コンペルームの改修工事などを行い、インターネットを活用した集客・コンペ等の誘致などの集客営業に注力した結果、売上高は、対前期比+約3%の増収となった。45周年事業の関連費用や人員体制の整備などによって、営業利益では、対前期比マイナス約14%の減益。

 07.9中間期では、オフィスビル事業で、期末の空室率は前期末並みの2.5%を維持したものの、新横浜ビルの賃料引下げの影響によって売上高は対前年同期比マイナス約1%の減収となった。

 ホテル事業では、5店舗の平均客室稼働率は前年同期比87.7%の86.5%と低下したが、都内ホテルを中心に宿泊料金改定を行ったことで、客室単価は前年同期比で214円上昇した。以上によって、売上高は前年同期比で約1%の増収となったものの、ホテルの名称変更や新規ホテル推進に向けた要員増強等の費用増によって、営業利益では前年同期比マイナス約11%の減益となった。

 09年4月には、大阪で客室数333室の新ホテルが稼動を開始する予定。

表1 セグメント別の販売実績(百万円、前期比%)
          07.3期   07.9中
オフィスビル 8,974  0.0% 4,421
ホ テ ル   2,437 +3.1% 1,233
ゴ ル フ    799 +3.3%  426
住    宅   661 +55.1%  84
そ の 他    18  -71.5%  18
合    計 12,891 +2.3%  6,183

株式の状況
ストックオプションとベンチャーキャピタルによる出資は共に無し
 ストックオプションとベンチャーキャピタルによる出資はない。ロックアップのカバー率は公募考慮後で約60%と高くないものの、ロックアップの対象外になっている株主は取引先金融機関が大半であり、ロックアップの有無に関係なく、売却可能性は低いとみられる。全体として、株式需給は悪くないと想定される。

A. 発行済み株式数 848,500株(単元10株、06.7、07.3に第三者割当増資計4,500株)
B. 公募 200,000株、増資によるオーバーアロットメント 30,000株
C. 売出し なし、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 1,078,500株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 法人8社と会社関係者9人に対して180日間。対象株数は599,250株。また、06.7、07.3に実施した第三者割当増資計4,500株は上場後6ヶ月間の保有確約の対象。割当先は社員持ち株会。

 目論見書での想定発行価格は21千円で、この価格に基づく公募による常和ホールディングスの手取り額は約3,884百万円とされている。第三者割当増資の手取り額約627百万円と合わせた資金使途は、賃貸事業資産の取得のための事業資金に3,211百万円、ホテルを対象とするプライベートファンドへの出資に1,300百万円を充当する予定。

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