IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
エス・エム・エス(2175 東証マザーズ)IPO |
成長率が今後鈍化するとしても、ユニークな業態であり、面白みはある 08.3期の進捗は第三四半期までの実績をみると、通期業績予想に達しないように見えるが、季節要因が強く影響している模様であり、あまり気にする必要は無いだろう。 業績の年次での伸び率は高く、成長性は見込めるものの、07.3期の利益項目の対前期伸び率が150%程度あったことに対して、08.3期予想では約30%まで低下する見通しであり、そろそろ安定成長に入る可能性もある。 08.3期業績予想ベースのEPS約12千円に対してPER約20倍弱で設定されている想定公募価格は、今後安定的な成長に落ち着くと見ても若干の割安感はある。 個別データ(肩は対前期比(%))
エス・エム・エスは、介護、医療とアクティブシニアの3分野に対して、主にインターネットをベースとして人材、求人情報、資格情報、その他事業を展開している。 人材事業では、ケアマネージャー、看護師・准看護師、医師、薬剤師にそれぞれ特化した人材紹介サイトを通じて、人材紹介事業を行っている。求人を希望している介護事業者・病院等の企業の情報を、エス・エム・エスの人材紹介サイトに掲載し、一方で、介護・医療分野で就職・転職先を探している求職者を、エス・エム・エスが運営する各人材紹介サイト等で募集を行い、登録してもらう。 その上で、エス・エム・エスのコンサルタントが求職者に対して希望条件を確認、企業の求人依頼内容と照合して企業の紹介を行う。求職者が転職に成功した場合、成功報酬として、その年俸の一定割合(概ね20%)を企業から受け取る。 求人情報事業では、ホームヘルパー・ケアマネジャー等の介護福祉職、介護福祉系新卒学生向け、看護師・准看護師向けと、対象の職種別に求人情報サイトを通して求人広告事業を行っている。また、その他に適職フェアの開催や採用に関するコンサルティング業務を行っている。 求人広告事業では、企業は求人広告をエス・エム・エスのサイトに掲載し、求人を行う。エス・エム・エスは、その掲載期間と企業の事業所数に応じた掲載収入として、1事業所当り概ね10千円を得ている。また、バナー広告等のオプション広告も行っている。 資格情報事業では、介護・医療関連の分野に特化した資格講座情報サイトの運営を行っている。介護・医療関連の資格講座運営会社の資格講座情報を当サイトに掲載し、ユーザーは当サイトにおいて、資格講座に関する資料請求を行う。エス・エム・エスは、資格講座運営会社に対して請求情報を伝えて、資格請求者からの請求件数に応じて従量課金型の手数料として、資料請求1件当り概ね1,500円を受け取っている。 その他の事業では、介護従事者・看護師・准看護師のコミュニティサイトを開設し、広告掲載料で収入を得たり、介護事業者向けのポータルサイトを開設して、介護報酬請求業務のASP、国保連伝送サービスを行い、サイトを利用する介護事業者から月額制の利用料等を受領している。 |
07.3期は、人材事業ではケアマネジャー特化型の人材紹介サイトや看護師・准看護師特化型の人材紹介サイトの認知度工場に務め、医師に特化した人材紹介サイトを新たに開設したことで、売上高は対前期比+約67%の増収となった。 求人情報事業では、介護福祉職の求人・転職情報サイトと介護福祉系新卒学生のための就職サイトの認知度向上に努め、看護師・准看護師の求人・転職情報サイトを新たに開設したことで、売上高は対前期比+約185%の増収。 以上から、売上高は対前期比+約85%の増収となり、営業利益以下の利益項目では増収効果によって、対前期比+1.5倍程度の増益となった。 表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%) 07.3期 07.9中 人材事業 713 +67.0% 634 求人情報 502 +185.3% 390 資格情報 325 +40.3% 127 その他 4 -- 23 合 計1,545 +85.1% 1,175 エス・エム・エスの事業のうち、人材事業については、エス・エム・エスが紹介した求職者が求人企業において入社した日付を基準として売上を計上しているため、年度末に売上高・営業利益が集中する傾向にある。07.3期の実績では、通期に占める第四四半期の割合は、売上高で35%、営業利益で62%となっている。 第三四半期累計実績での利益額は、中間決算時点よりも減っており、第三四半期だけで見れば赤字決算になっているが、上記の季節要因があることを考えれば、特に問題は無いだろう。
ロックアップのカバー対象が会社関係者2名だけで、ベンチャーキャピタルがカバーされていない。VC保有株の1,000株は、早々に市場売却される可能性があるとみる必要がある。 一方で、ストックオプションの未行使残高は、そこそこあるものの、上場後すぐに行使できるものは少なく、こちらは、あまり考慮する必要がない状態。 A. 発行済み株式数 15,150株(07.2に1:10株式分割後) B. 公募 1,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 1,100株(売出し元は法人500株、残は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 300株 D. ストックオプション等の残高総数 1,361株 E. うち潜在株式に算入する数 82株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 16,232株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,000株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者2名に対して180日間。対象株数は8,220株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年2月 82株 7万円 07年2月〜15年2月 05年2月 883株 7万円 10年4月〜15年2月 05年2月 20株 7万円 10年8月〜15年2月 05年2月 366株 7万円 11年2月〜15年2月 目論見書での想定発行価格は22万円で、この価格に基づく公募によるエス・エム・エスの手取り概算額は約192百万円とされている。資金使途は、情報システム機能増強を目的としたシステム外注費、社員採用費、新規開設サイトにかかわる広告宣伝費に充当する予定。
エス・エム・エスのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、上場承認のニュースリリースと目論見書となっている。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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