7774ジャパン・ティッシュ・エンジアリングIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ジャパン・ティッシュ・エンジアリング(7774 JASDAQ NEO)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:精密機器

業界や製品動向に詳しくない限り、無理に公募を取得する必要性は低いだろう
 足元の業績は赤字が続いているバイオベンチャー。製品化が間近な商品も手掛けている点では、早期に業績貢献する可能性もあるだろうが、開示されている情報では、今期も来期も赤字決算が続く見通しになっている。

 最近上場した赤字決算のバイオベンチャーの上場後の評価が低いこと等の周辺環境を考慮すれば、製品が採算ベースに乗るまでの期間が不透明な現時点では、無理にプライマリーで取得する必要性は感じられない。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 07/9中 08/3予
売上高(百万円)
69
50.1%
103

67
27.7%
132
営業利益(百万円)
-810

-974

-485

-1,119
経常利益(百万円)
-794

-913

-453

-1,105
当期利益(百万円)
-691

-916

-453

-1,108
総資産(百万円)
純資産(百万円)
2,357
1,331
3,874
1,858
2,612
1,405
--
--
株主資本比率(%) 56.5% 48.0% 53.8% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
--
--
--
--
--
--
発行済株式数 106.457 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
12,502
--
17,454
--
13,196
--
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
自家培養表皮、自家培養軟骨、自家培養角膜上皮を中心とした再生医療製品事業と研究開発支援事業
 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングは、ニデック(眼科医療機器、眼鏡関連機器の製造・販売等)とINAX、富山化学工業等が共同出資をして設立された。

 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングでは、生物から採取した細胞を用いて、体外での細胞培養や、組織・臓器の再形成、新たな機能の付加・修復を行うティッシュ・エンジニアリング(組織工学)技術を活用し、ヒトの細胞を培養して組織や臓器を取り出し、これを医療用途や研究用途に提供することを事業目的としている。

 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングでは薬事法の適用を受ける再生医療製品事業と、薬事法の適用を受けない研究開発支援事業とを行っている。開発している製品ごとの事業化の段階は以下の通り。

1. 再生医療製品事業
自家培養表皮: 製造承認を取得済み、保険適用希望書を提出済み
自家培養軟骨: 治験終了届書を提出済み、研究開発中
自家培養角膜上皮: 確認申請を提出済み、研究開発中で受託開発収入を計上

2. 研究開発支援事業
研究用ヒト培養組織: 製品販売収入を計上

情報開示の状況
開示あり
 ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、決算公告と会社概要、プレスリリースとなっている。
収支の状況
07.3期実績も08.3期予想も赤字継続の見通し
 07.3期は自家培養軟骨では07年3月に治験終了届書を提出し、製造販売承認申請の提出に向けて準備を行った。自家培養角膜上皮では、ニデックから開発の委託を受け、主要な前臨床試験を終了して、治験前の確認申請を提出する準備を進め、受託開発での安全性試験の完了に伴って受託開発収入を計上した。

 研究開発支援事業では、研究用試薬として05年4月から販売を開始した研究用ヒト培養組織の販売数が増加した。

 以上から、売上高は対前期比+約50%の増収となったが、人員の増加による人件費の増加や委託試験等の増加に伴う研究開発費負担が増加したことから、前期に引き続いて営業損失を計上した。

表1 事業別の販売実績(百万円、前期比%)
07.3期  07.9中
再生医療製品  84  +37.8% 53
研究開発支援  18 +155.3% 13
合      計 103  +50.1% 67

 08.3期業績予想では、自家培養表皮が07年10月に厚生労働省から製造承認を取得したものの、その後の製造販売調査等の体制整備が必要な状況。自家培養角膜上皮の受託開発は、治験前の確認申請の提出と、その後審査側からの照会事項への対応を行う予定。研究開発支援事業では、製品の認知度を高めて、新規顧客の開拓に努める計画となっている。以上を通じて、売上高では、対前期比+29百万円増となる見通し。

 コスト面では、営業開始間もないことを考慮した売上高の想定になっていることから、営業費用が売上高を上回る状態が、依然として継続する見通し。特に08.3期には人件費等が前期と比較して更に増加することで、前期以上の営業損失を計上する見通しになっている。

株式の状況
ベンチャーキャピタル保有株式の大半はロックアップ対象外
 ストックオプションの未行使残高はあるが、このうち一部については行使期日の制限で上場直後の時点では行使できないものや、行使価格が想定されている公募価格よりもはるかに高いために、当面の行使が難しいと予想されるものがあり、行使に伴う希薄化効果は、当面は小さいだろう。

 ベンチャーキャピタルの出資分については、一部がロックアップの対象になっているものの、かなりの部分は上場直後から売却可能であり、そのシェアも公募考慮後でなお、20%強と、高い水準になる。

A. 発行済み株式数 76,045株
B. 公募 25,000株、増資によるオーバーアロットメント 3,000株
C. 売出し 5,180株(売出し元は法人2社)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 3,045株
 E. うち潜在株式に算入する数 2,412株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 106,457株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 33,480株、うち下記ロックアップの対象は5,150株
既存株主へのロックアップ情報: 法人7社、会社関係者7名、ベンチャーキャピタル1社に対して180日間。対象株数は、46,571株。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
04年12月 2,160株 10万円 07年12月〜14年12月
04年12月 240株 10万円 05年4月〜14年12月
04年12月  12株 10万円 05年6月〜14年12月
06年4月  235株 25万円 09年4月〜16年4月
06年4月  140株 25万円 06年4月〜16年4月
07年6月  258株 20万円 10年6月〜17年6月

 目論見書での想定発行価格は11万円で、この価格に基づく公募によるジャパン・ティッシュ・エンジニアリングの手取り概算額は約2,500百万円とされている。資金使途は、ジャパン・ティッシュ・エンジニアリングでの研究・製造施設の拡充や検査用機器の新規購入等の設備資金に681百万円、借入金の返済に834百万円を充当し、残額は再生医療製品事業の研究開発活動や営業活動のための運転資金に充当する予定。



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