IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
太陽工機(6164 JASDAQ)IPO |
公募価格は悪くはないが、配当実施を要望 足元の業績は好調で、売上高で年率10%以上、利益項目では30%前後の伸び率を維持している。08.3期業績予想ベースのEPSは150円で、想定されている公募価格のPERは約9倍程度となる。 初値の大幅な上昇は期待しにくい業種だが、公募価格は妥当なディスカウントと想定する。投資家としての要望を言えば、配当予想を発表してほしいところ。 問題点は、森精機(6141)との親子上場になる点と、親会社がロックアップの対象になっていない点となる。 個別データ(肩は対前期比(%))
太陽工機は、自動車部品や産業機械部品等の製造過程における仕上げ加工(研削加工)を行う研削盤の製造・販売を主たる業務として、その製品群を立形研削盤、横形研削盤、その他専用研削盤の3種類に区分している。また、関連業務として、サービス・パーツの提供を行っている。 研削盤は、旋盤やマシニングセンタなどの工作機械で加工したワークピース(加工対象物)に対して、砥石を使用して表面を滑らかに研磨加工かる工作機械。1ミクロン単位の高い精度が求められる自動車エンジンのトランスミッションに使用されるシャフトや、各種産業機械に使用されるベアリング等の部品の品質保持に用いられている。 太陽工機は、事業面での関連性は薄いようだが、森精機が株式シェアの約60%(公募前)を保有する、森精機の連結子会社。
11月15日時点で、太陽工機のウエブサイトには投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認に関するニュースリリースの掲載はあるものの、特にリンク先は設定されておらず、関連情報は開示されていない状態。 |
07.3期は、上期には自動車メーカー関連からの受注が前期に好調だったことを受けて販売は好調に推移し、下期には、前期に販売を開始した新製品が一般機械製造業界の需要を喚起して顧客層を広げたことが売上に寄与した。 品目別には、立形研削盤で対前期比+約32%の増収、横形研削盤で同マイナス約21%、その他専用研削盤で同+約40%の増収となり、全体では、対前期比+約19%となった。 表1 07.3期 品目別の販売実績(百万円、前期比%) 立形研削盤 3,258 +32.7% 横形研削盤 987 -21.2% その他専用 1,219 +40.0% 合 計 5,465 +19.3% 08.3期は、太陽工機製品のユーザーの業種が分散してきていることや、中堅・中小企業への浸透が見られること、欧米等の海外ユーザーの引き合いが増加していること等の要因によって受注が増加していることを背景として、売上高は対前期比+約17%の増収の見通し。 製品展示会出展費用や株式上場関連費用などの増加費用を織り込みながら、外注加工の一部を内製化して外注費を圧縮するなどの売上原価の低減を図ることで、営業利益以下では対前期比+3割以上の増益となる見通し。 08.3期の通期予想に対しての中間決算の進捗状況は順調であり、達成には問題なさそうに見える。詳細は不明だが、07.3期に続いて2期連続での3割強の増益率が継続することになる。
ストックオプションの未行使残高はなく、ベンチャーキャピタルの株式保有もない。問題は、公募前で60%のシェアを持っている森精機の今後の動向だろう。事業上の取引は、それほど大きくないようであり、実質的な親子上場には該当しないという見方ができる反面、事業上の関連が薄いのであれば、親会社の資金状況等によっては、親会社の保有株式が市中売却される可能性もある。森精機はロックアップの対象には入っておらず、今後の売却意向がどうなっているかが課題になる。 A. 発行済み株式数 2,480千株(単元100株、07.8に1:400株式分割後) B. 公募 416千株、増資によるオーバーアロットメント 83千株 C. 売出し 143,600株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,979千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者9名に対して180日間。対象株数は、491,600株。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。 目論見書での想定発行価格は1,370円で、この価格に基づく公募による太陽工機の手取り概算額は約515百万円とされている。資金使途は、全額を短期借入金の返済に充当する予定。 |
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