IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ユビキタス(3858 JASDAQ NEO)IPO |
様々な面から、注目の銘柄ではある 社名に最先端をイメージする新奇性があること、上場先がジャスダックが新たに開設した新市場であり話題性があること、事業内容では、ニンテンドーDSに組み込まれている製品を取り扱っているが、DS自体が販売好調なことから、当ユビキタスにも業績好調が波及するのではという期待感があること、など、最近の新規上場銘柄の中では、高い評価を受ける可能性がある。 08.3期予想ベースのEPSからみた想定公募価格のPERは約30倍だが、これ以上の評価を得る可能性は高いとみる。ただ、08.3期の業績予想では、意外に対前年伸び率は低いこと、上場後はVC保有株の売却やストックオプションの行使がありえること等のリスク要因もあり、長期保有には向かない印象もある。 個別データ(肩は対前期比(%))
ユビキタスは、ネットワーク分野に特化したソフトウエア製品の開発・販売を主たる事業としている。主な製品の分野と概要は、以下の通り。 通信基本 / インターネット標準の通信プロトコルであるTCP/IPを組み込み機器向けに最適設計したもの。 セキュリティ / マイクロソフト社の著作権管理システムなどのソフトウエアを小さく、軽く、早く開発し、小さなデバイスにも搭載可能にしたもの ワイヤレス / 複雑なWi-Fi設定を容易にするもの ホームネットワーク / デジタル家電機器をネットワークにつなぐミドルウエアで、既存製品よりも1/10程度の大きさ 次世代通信ネットワーク / IP技術をベースとした次世代の通信ネットワーク上で、IPTVを実現させるためのソフトウエア コネクション / USBを独自カーネル上に構築したもの ユビキタスの売上高は、主にゲーム機器などの電子機器メーカー・半導体メーカーに対するもので、ソフトウエア使用許諾、サポート、ソフトウエア受託開発に3分類される。 ソフトウエア使用許諾は、ユビキタスが開発したソフトウエアを顧客に使用許諾して対価を得るもので、ビジネスの初期に売上高が発生する契約時一時金と、継続的に複製本数に応じて売上が発生するランニング・ロイヤルティに区分される。
ユビキタスのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページか既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメントメッセージと財務ハイライト、決算公告となっている。 |
07.3期は、ニンテンドーDSがヒットしたことと、DLNA(Digital Living Network Aliance)ガイドラインの進化と対応機器が登場したこと、IPTV(Internet Protocol Television)の実用化に向けた動きがあったことの3点が背景となり、売上高では対前期比で+約50%の増収となった。営業利益以下の利益項目でも、対前期比+40%前後の増益。 ニンテンドーDSは、本体の累計出荷台数が4千万台を超え(07.3期末値)、当事業年度内に対応ソフトウエアは1億2千万本が発売された。国内だけで272タイトルのソフトウエアが発売されたが、そのうちユビキタス製ソフトウエアを搭載したWi-Fiコネクション対応タイトルは48種類となった。 DLNAガイドラインはバージョンが1.0から1.5へ更新され、ユビキタスでは、国内外半導体メーカー3社のプラットフォームに移植を行ったほか、国内大手テレビ・メーカーやデジタルレコーダーメーカーとの対応機器開発に着手し、量産化に向けて契約締結の交渉を行っている。 IPTVについては、07.3期内に、IPソリューション用の製品をリリースし、国内大手半導体メーカーの汎用マイコンへの実装を完了した。 ユビキタスでは、これまでにルネサンステクノロジと包括契約を締結しているが、07.3期にはこれに加えて新たな半導体メーカーとも包括契約締結について、合意した。 表1 07.3期 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%) 使用許諾 596 +51.9% サポート 27 -49.9% 受託開発 57 +850.7% 合 計 680 +50.3% 08.3期業績予想では、売上高ではニンテンドーDSのWI-Fi対応タイトルの出荷によるランニング・ロイヤルティを主とした任天堂からの売上を約7億円、ルネサンステクノロジから主にAV家電関連のソリューション提供による売上を織り込み、対前期比で+約36%の増収の見通し。 売上高は増加する見通しになっている一方で、費用面では、業容の拡大に伴う人件費と研究開発費等が増加することで、対前期比+約73%のコスト増加の見通しになっている。このため、営業利益以下の利益項目では、対前期比+10%前後の増益に留まる想定になっている。
ストックオプションの未行使残高がそこそこあるが、上場後即での行使時期に入っているものは少ない。また、時期によって行使割合に制限がかけられており、当面の株式受給への影響は軽微とみる。 その一方、会社関係者はロックアップ対象になっているが、ベンチャーキャピタルは非対象になっており、この分の売却リスクはある。 A. 発行済み株式数 78,000株(07.6に1:10株式分割後) B. 公募 5,500株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 2,766株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 1,239株 D. ストックオプション等の残高総数 6,750株 E. うち潜在株式に算入する数 1,000株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 84,500株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 6,900株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者5名に対して180日間。対象株数は55,300株。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 04年12月 2,000株 25千円 07年1月〜12年12月(時期により行使制限有) 06年6月 4,000株 35千円 09年4月〜15年3月(同上) 06年10月 750株 35千円 09年4月〜15年3月(同上) 目論見書での想定発行価格は9万円で、この価格に基づく公募によるユビキタスの手取り概算額は約442百万円とされている。資金使途は、約364百万円を借入金の返済に充当、50百万円を本社増床に伴う設備資金に充当し、残額は運転資金に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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