IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
スタートトゥデイ(3092 東証マザーズ)IPO |
高い成長性は公募価格にも一部織り込み済みだが、更に上が目指せるか インターネットサイトを通じた通信販売事業というビジネスモデルであり、今となっては目新しさはないのだが、足元の業績の伸びは著しいものがある。08.3期業績予想ベースでのEPS約64千円に対して、想定されている公募価格のPERはちょうど25倍となる。 イメージとしては次期09.3期にも、08.3期比で50%程度の増益が見込まれている公募価格と考えられる。どこまで業績が伸びるか、どこが天井かはわからないものの、ここまでの水準に到達する可能性は十分に想定でき、更に高い評価も可能だろう。 個別データ(肩は対前期比(%))
スタートトゥデイは、アパレル商材を中心としたインターネットショッピングや各種情報の入手、SNSを利用したコミュニケーション等を体験できるサイト「ZOZORESORT」を運営しており、サイト運営によるEC(電子商取引)とそれに関連するその他のサービスを提供している。 EC事業では、00年に輸入インディーズCD等のカタログ通販をインターネット化したサイトを開設したことから始まり、その後ファッションに対して強い関心を持つ顧客層を主要ターゲットとしたアパレル商材の取扱を開始した。 現在、インターネット上のショッピングサイト「ZOZOTOWN」を運営しており、ユナイテッドアローズ、ビームス等の主要アパレルブランドからの商品供給体制を確立した。07年9月末時点では92ショップを運営し、取扱ブランド数は680となっている。 会員数、購入者数、取扱ブランド数、出荷件数の推移は以下の通り。 表1(人、ブランド、件) 05.3末 06.3末 07.3末 07.9末 総 会 員 数 119,452 246,601 479,397 601,294 購 入 者 数 42,287 107,472 220,661 198,392 取扱ブランド数 376 488 634 680 出 荷 件 数 171,328 381,344 792,381 523,025 EC事業では、自社販売であるストア企画開発事業と、受託販売であるストア運営管理次行の2種類がある。 ストア企画開発事業は、スタートトゥデイが複数のブランドからアパレル商材を仕入れ、自社在庫を持ちながら、自社オリジナルセレクトショップの運営を行い、スタートトゥデイのバイヤーが独自の商品選別によって買い付けた商品を販売している。07.9末時点で33ショップを運営しており、商品取扱高に占めるシェアは約36%。 ストア運営管理事業では、テナント形式での出店誘致と出店後の運営管理を行っている。各ブランドのイメージに合致した店舗を設計し、サイト上でテナントに提供するとともに、当該店舗に掲載する商品をスタートトゥデイが受託在庫として預かって販売している。07.9末時点で、59ショップを運営しており、商品取扱高に占めるシェアは約64%。 その他事業では、ポケットカードと提携したカード発行によるカード事業、インターネットサイトを広告媒体として広告枠を販売する広告事業、全国の実在するファッションショップをサイト上で紹介するZOZONZVI事業を行っている。また、ストア運営管理事業で新たなテナントが出店する際に、テナント側から初期費用として出店料を受領している。 |
07.3期は、前期にショップ群を有するモール型のアパレルECサイトを開設し、当年度内には、商品単価が若干低めに構成された新しいECカテゴリーを開設した。会員数も増加し、07.3末には、前年同期比+約94%の47万9千人となった。 これらによって、売上高は対前期比+約79%の増収。更に、商品取扱規模が拡大する一方で、販売費・一般管理費はそれほど増加していないことから、営業利益以下の利益項目では、対前期比で5〜6倍の大幅な増益となった。 08.3期も売上高で対前期比+30%超、利益項目で+60%超の高い伸び率での業績予想が出されている。中間期の進捗状況をみると、この業績予想に十分到達できると見えるだけの、半期実績になっており、今期も前期に引き続いて、高い成長率が達成できそうにみえる。
ベンチャーキャピタルの保有シェアがあり、ストックオプションの未行使残高もあるが、それぞれボリュームとしては大きなものではない。ストックオプションについては、厳密に見れば、早くても08年3月までは行使できない点も一応安心感につながる。 公募・売り出しの株式数は、オーバーアロットメント分を含めると約2万株に近いボリュームであり、プライマリーでは比較的手に入れ易い銘柄になる。 A. 発行済み株式数 107,400株(06.3に1:10、07.9に1:3株式分割後) B. 公募 10,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 7,000株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 2,500株 D. ストックオプション等の残高総数 5,007株 E. うち潜在株式に算入する数 3,300株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 120,700株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,785株 既存株主へのロックアップ情報: 売出人である会社関係者1名に対して180日間。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。対象株数は、90,300株。 また、07年3月に実施された第三者割当増資9,000株(分割考慮後)は、上場後6ヶ月間の保有確約の対象。割当先は、大手商社、銀行、証券会社とベンチャーキャピタル。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 06年3月 3,300株 2,000円 08年3月〜16年3月 06年9月 1,563株 8,667円 08年9月〜16年9月 06年9月 144株 8,667円 09年1月〜16年9月 目論見書での想定発行価格は16万円で、この価格に基づく公募によるスタートトゥデイの手取り概算額は約1,458百万円とされている。資金使途は、オフィス・倉庫一体型施設の開設に伴う設備資金に300百万円、スタートトゥデイが運営するインターネットサイトのサービス拡張に伴うシステム開発投資に700百万円、残額をオフィス・倉庫一体型施設の運営費用等の運転資金に充当する予定。
スタートトゥデイのウエブサイトには11月9日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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