IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
CDS(2169 大証ヘラクレス)IPO |
子会社の連結化影響をどうみるかで評価はわかれる 06.12期から新規連結子会社が発生した影響で、連結調整勘定償却額が向こう5年間にわたって約3億円発生し、営業利益以下を圧迫している。また、この分が税務不算入のために、当期利益を更に圧迫する要因になっている。 新規連結子会社の業績への貢献・圧迫要因を除いて、CDS単体でみれば、堅調な業績推移になっている。あとは、足元で新規連結の影響をどう判断するかがポイントになる。 償却額自体を無いものと考えれば、07.12期予想ベース税前利益で6億円と想定される。法人税等負担を4割とすれば、EPSは約1万円。償却負担は将来には税務算入できる費用に置き換わると想定して、税額だけを修正すれば、EPSは約5千円となる。 償却負担が無くなる10.12期以降までの長期保有を前提にすれば、想定されている公募価格の水準はPER約9倍となり、割安感はある。一方、短期な業績だけをみれば、十分妥当すぎる公募価格に見えることになる。 連結データ(肩は対前期比(%))
CDSグループは、当社CDSと連結子会社1社から構成され、自動車産業、情報家電産業、工作機器産業などを主要取引先としている。 CDSでは、顧客企業の製品開発工程において、設計業務等を支援するエンジニアリング事業と、顧客企業の開発部門で作成された技術資料などをもとにして、マニュアルや製品の取扱説明書等の各種ドキュメントの制作を受託するドキュメンテーション事業を行っている。 連結子会社では、自動車メーカー等の開発部門の中核システムであるCAD、CAE、BOMなどの技術系システムの開発と運用業務の受託を主たる事業とする技術システム開発事業を行っている。 顧客企業の製品開発の支援を行うにあたっては、取引先とは派遣契約や業務請負契約を締結し、従業員・派遣対象者を顧客企業に派遣・常駐させるなどして、顧客企業での製品開発業務へのサポート体制をとっている。
CDSのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。ただ、コンテンツの掲載は一切なく、11月15日時点で準備中となっている。 |
06.12期は既存のエンジニアリング事業とドキュメンテーション事業では、それぞれ売上高の対前期比+約6%、+約12%と好調に推移した。期中に連結子会社化した技術システム開発事業が連結化によって、売上高には貢献したものの、この子会社株式の取得によって323百万円の連結調整勘定償却額(5年均等償却の単年度償却額)が発生(営業費用)した。 また、この連結調整勘定償却額が税務上、損金不算入であること等によって、多額の法人税等が発生したこともあって、当期純損失を計上した。 表1 セグメント別販売実績(百万円、前期比%) 06.12期 07.6中 技術システム開発 2,741 -- 1,414 エンジニアリング 780 +2.1% 390 ドキュメンテーション1,701 +12.1% 901 合 計 5,233 -- 2,706 07.12期については、第三四半期までの実績が開示されている。通期予想に対する進捗率は若干低い。検収時期が3月に偏重するなどの要因もあるようなので、通期予想は達成されるかもしれないが、進捗状況をみると、微妙な印象。 売上高に占める主な顧客向けの販売ウエイトをみると、三菱自動車、三菱ふそうトラック・バス、三菱電機エンジニアリングの3社向けで毎期約50%程度を占めている。これにシャープ向けを加えた4社合計でみれば、販売ウエイトは6割強となる。この状態が今後も継続すれば、CDSの業績は三菱系自動車メーカーの業況に左右されるとみられる。
ストックオプションの未行使残高があるが、行使価格が予想されている公募価格よりも高く、当面の行使可能性は低いだろう。ベンチャーキャピタルの保有株が約5千株あり、ロックアップの対象にはなっていないが、このうち3.7千株は保有確約の対象になっている。 A. 発行済み株式数 24,375株 B. 公募 9,000株、増資によるオーバーアロットメント 1,300株 C. 売出し 株(売出し元は)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 1,362株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 34,675株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 5,260株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者4名に対して180日間。対象株数は、11,640株。但し、発行価格の2倍以上での市中売却は可能。更に、06.4に実施した第三者割当増資5千株(割当価格18万円)は上場後6ヶ月間の保有確約の対象。第三者割当増資の割当先は、ベンチャーキャピタルに3,760株、残は金融機関や従業員持ち株会等。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 06年3月 1,362株 18万円 08年4月〜13年3月 目論見書での想定発行価格は9万円で、この価格に基づく公募によるCDSの手取り概算額は、約724百万円とされている。資金使途は、全額を借入金の返済に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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