2167ウエブマネーIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ウエブマネー(2167 JASDAQ NEO)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

中間決算の未開示は気になるが、成長性には一定の評価が可能か
 08.3期業績予想では、当期利益が大幅に対前期比で減益になっているように見えるが、法人税の負担が織り込まれているものと推測される。この点を考慮すれば、足元の業績の伸びは、ウエブマネーが事業対象にしているデジタルコンテンツ市場の拡大に応じて、順調に成長していると評価できる。

 08.3期業績予想ベースのEPS約6.5千円に対して、想定されている公募価格のPERは約13倍強にとどまる。11月初旬時点で、まだ中間決算が開示されていない点で、決算業務の遅さ・開示の遅さが心配され、また、通期の業績予想に対する進捗状況が確認できない点もリスクとしてあるが、成長性は上記のように評価できる。中間決算に問題がなければ、PER25〜30倍程度の株価15〜20万円で評価される可能性があるとみる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 08/3予
売上高(百万円)
15,109
49.9%
22,653
37.0%
31,030
営業利益(百万円)
202
175.2%
555
18.9%
660
経常利益(百万円)
206
171.1%
558
7.6%
600
当期利益(百万円)
94
772.6%
822
-49.4%
416
総資産(百万円)
純資産(百万円)
4,807
181
6,946
1,001
--
--
株主資本比率(%) 3.8% 14.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
4.3%
51.9%
8.0%
82.2%
--
--
発行済株式数 64.23 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
1,467
2,826
12,802
15,581
6,477
--
配当(円/株) -- -- --

事業概要
電子商取引に関する決済機能を有したサーバ管理型電子マネーの販売
 ウエブマネーは、インターネット上で提供されるオンラインゲームサービスや音楽配信サービス、映像配信サービス等のデジタルコンテンツサービスと、食品・衣料品等の物品販売などのEC(ユーザー向け電子商取引)における決済機能を有したサーバ管理型電子マネー「WebMoney」の発行・販売・電子決済サービスの提供を主たる事業としている。

 ウエブマネーは、「WebMoney」を主としてコンビニエンスストア等の販売店を経由して、ユーザーに販売しており、代理店を含む販売店から「WebMoney」の販売額を回収し、販売店へは販売手数料を支払っている。

 また、ECサイト事業者とは加盟店契約を行い、ユーザーへの「WebMoney」による決済を可能としている。

 収益構造面では、ウエブマネーは、販売店から「WebMoney」の販売額から販売手数料を控除した金額を受け取り、「WebMoney」の販売額を売上高に計上するとともに、販売手数料を販売費用に計上している。加盟店へは、決済額から決済手数料を控除した金額を支払、この支払額を売上原価に計上している。

 「WebMoney」の販売額のうち未使用残高に対応した資金については、ウエブマネー加盟店で使用されるまでの期間、ウエブマネーに一時的に滞留することになる。

情報開示の状況
上場予定日にサイトオープンの予定
 ウエブマネーのウエブサイトには、11月5日時点で投資家向け情報開示のページは開設されているものの、掲載されているコンテンツは無い。上場予定日の12月6日にサイトオープンの予定になっている。
収支の状況
マーケットの拡大に応じて、増収増益基調を維持
 07.3期は、コンビニエンスストア「セブン・イレブン」での代金収納の取扱いを06年4月に開始、「WebMoney」の販売・取扱店舗数は4万店を超え、同販売額も前期に比較して約1.5倍に増加した。また、「WebMoney」の決済面でも、オンラインゲームの決済を中心に、決済額は前期と比較して約1.5倍に増加した。

 また、楽天やレーベルゲート、HMVジャパンなど、インターネットで様々なサービスを提供している企業への電子マネー発行支援などを行った。

 以上の結果、07.3期の売上高は対前期比+約49%の増収、営業利益・経常利益では、対前期比+70%以上の増益となった。

 08.3期業績予想では、売上高は、オンラインゲーム市場の堅調な伸びを背景として、既存加盟店との積極的なキャンペーンの実施や新規加盟店の獲得、「WebMoney」の販売チャネルの拡大等によって、対前期比+約37%の増収の見通し。

 費用面では、前期と同水準の売上原価率を前提として、販売店への販売手数料や販売促進費の増加、決済システムの運用体制の強化のためのシステム運用費の増加などを織り込んで、営業利益では、対前期比+約18%の増益となる見通し。

 上場関連費用を営業外費用に織り込んでいることで、経常利益段階では、ほぼ前期並みとなる+約7%の増益に留まる見通し。

 ウエブマネーは07年3月末時点で、税務上の繰越欠損金が886百万円残っている。このため、07.3期までは、法人税等の実質負担はなく、住民税均等割だけを負担している状態であった。08.3期には、累積損失を全額解消済みになっており、業績予想でも法人税の負担が織り込まれている模様。

株式の状況
ストックオプションの残高は非常に大きい
 ベンチャーキャピタルの株式保有はあるものの、そのウエイトは高いものではない。その一方で、ストックオプションの未行使残高が相当数あり、その希薄化効果が最終的には約2割になる。

また、既存の大株主2者がロックアップの対象にはなっているが、そのうちの1者は親会社という状態。コンテンツ配信事業を行う親会社が、電子決済を行う子会社のメジャーシェアを手放すことは、常識的には考えにくく、その点では、あまり意味のないロックアップといえる。

A. 発行済み株式数 49,600株
B. 公募 4,000株、増資によるオーバーアロットメント 1,200株
C. 売出し 4,000株(売出し元は会社関係者等2,850株、親会社等950株、ベンチャーキャピタル200株)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 9,430株
 E. うち潜在株式に算入する数 9,430株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 64,230株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 3,530株
既存株主へのロックアップ情報: 親会社フェイスと会社関係者1名に対して180日間。対象株数は、39,589株(ストックオプションを含む)。

表1 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
99年12月  248株 40,117円 99年12月〜09年12月
00年1月   350株 40,117円 02年1月〜10年1月
00年2月発行 810株 40,117円 00年3月〜10年1月(ワラント)
04年3月 5,100株 31,000円 04年3月〜14年3月
05年2月   96株 31,000円 05年3月〜15年2月
06年3月 2,826株 31,000円 06年3月〜16年3月(上場後6ヶ月の保有確約の対象)

 目論見書での想定発行価格は87千円で、この価格に基づく公募によるウエブマネーの手取り概算額は約332百万円とされている。オーバーアロットメントに伴う第三者増資による手取り概算額約103百万円と合わせた資金使途は、電子決済システムの増強による設備投資資金として270百万円、残額は運転資金に充当する予定。



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