2166MICメディカルIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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MICメディカル(2166 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

業績達成のリスクはあるが、妥当な公募価格になりそう
 08.9期業績予想ベースのEPS約21千円に対して、想定されている公募価格のPERは約15となる。派遣事業をメインと考えれば、妥当なPER水準とも見えるが、足元の業績の伸び率は比較的高いことを考慮すると、PER20倍の40万円が当面の株価水準とみる。

 08.9期業績予想は開示されているものの、ちょうど決算期がスタートした直後であり、四半期等の進捗状況が現時点ではない。このため、08.9期予想が本当に達成できるのかどうかについては、リスク要因となる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/9 07/3中 07/9 08/9予
売上高(百万円)
2,477

1,585
29.3%
3,203
33.2%
4,266
営業利益(百万円)
149

249
172.4%
406
27.8%
519
経常利益(百万円)
137

250
194.9%
405
20.7%
489
当期利益(百万円)
143

152
68.7%
241
24.1%
299
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,143
793
1,438
943
--
--
--
--
株主資本比率(%) 69.4% 65.6% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
12.0%
18.0%
17.4%
16.2%
--
--
--
--
発行済株式数 14.284 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
9,998
55,509
10,665
66,030
16,872
--
20,933
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
医薬品・医療機器等の開発支援事業を行うCRO(開発業務受託)機関
 MICメディカルグループは、MICメディカルと子会社1社から構成されており、CRO=開発業務受託機関として、医薬品・医療機器メーカーが行う医薬品等開発の支援を主たる事業としている。

 CROは、医薬品等の研究開発のプロセスの一つである治験の全て、または一部の業務を、医薬品メーカー等から受託、または人員派遣による支援を行う会社等を意味する。MICメディカルグループでは、治験を受託する受託業務と、開発要員を派遣する派遣業務とを展開している。

 受託業務は、派遣業務に比べて、受注金額が大きい、契約期間が比較的長い、必要な人員数が増えるなどの特徴がある。

 派遣業務では、治験の進行状況を監視・確認し、治験が治験実施計画書、標準業務手順書などに従って実施・記録・報告されていることを保証する業務を行う要員を、医薬品・医療機器メーカーに派遣している。

 受託業務では、医薬品・医療機器メーカーが外部機関を活用して治験を効率的に実施しようとする際に、その業務の全てまたは一部を受託する業務。MICメディカルグループでは、モニタリング業務や、データマネジメント業務・統計解析業務・医用画像解析業務などを受託している。

 また、薬事申請業務として、医薬品・医療機器メーカーが製造販売承認を取得するために行う当局への申請業務の支援を行っている。主な業務内容は、承認・許可申請代行業務、薬事コンサルタント業務、製造販売業務。

 その他の事業としては、毎月、社外の医薬品開発業務未経験者を対象に、1ヶ月間の導入研修を行う研修業務と、大学発等のバイオ・ヘルスケア系ベンチャー企業へコンサルティングサービスを提供するBIO業務を行っている。

情報開示の状況
開示はまだ
 MICメディカルのウエブサイトには、10月31日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認のプレスリリースが掲載されている程度の開示になっている。電子広告のタブはあるものの、内容は掲載されていない。
収支の状況
07.9期は大幅な増益、翌08.9期も、引き続いて増益の見通し
 07.9期は、売上高では、派遣業務について医薬品メーカー等からの強い派遣要請が継続していること、受託業務でモニタリング業務を中心に既存プロジェクトを継続して進めていったことや新規プロジェクトを複数受注したこと、薬事申請業務では、採算性アップのための受注活動の結果、一人当たり月間売上高が上昇したこと、によって、対前期比+約29%の増収となった。

 営業利益では、派遣業務と比較して利益率の高い受託業務の業容が拡大したことや、増収効果によって、対前期比+約172%の大幅な増益になる見通し。

 当期利益では、06.9期までは税務上の繰越欠損金を損益通算していたため、法人税等の実質的な負担がなかったが、繰越欠損金が07.9期からは損益通算の期限切れとなったことで、法人税等の負担が発生する見込み。税負担を織り込みながらも、税前利益までの増益効果によって、当期利益でも、対前期比+約69%の増益となる見通し。

表1 業務別の販売実績(百万円)
06.9期  07.3中
派   遣 1,553  874
受   託  601  501
薬事申請  295  175
そ の 他  26    33
合   計 2,476 1,584

 08.9期業績予想では、受託業務でモニタリングにおける派遣と受託の割合を3:2程度になるまで受託を拡大することを前提として、モニタリング業務の拡大や、医療機器等比較的小規模な治験案件の受注、統計解析の拡大等を図る計画となっている。これらを通じて、売上高では、対前期比+約33%の増収の見通し。

 営業利益では、受託をメインとした大手他社の参入による競争の激化を考慮して売上総利益率の低下を予想、更に人件費の増加や、災害用データバックアップシステムの導入に伴うコスト増などのコストアップ要因がある一方、モニタリングの受託や国内薬事業務において、売上増による規模の利益があることなどから、対前期比+約27%の増益の見通し。

株式の状況
ベンチャーキャピタルは全数がロックアップ対象に
 ベンチャーキャピタルの保有シェアも1割以上あるが、オリックスと総合メディカルの2法人のシェアが大きく、ベンチャーキャピタルの保有分については、目立たなくなっている。また、ベンチャーキャピタルは全数がロックアップの対象になっている。ストックオプションの未行使残高もあるが、その希薄化効果は1割弱であり、比較的軽微。

A. 発行済み株式数 11,764株(09.8に1:4株式分割後)
B. 公募 1,400株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 2,540株(売出し元はオリックス等法人2,040株、会社関係者80株、残はベンチャーキャピタル)、既発株のオーバーアロットメント 591株
D. ストックオプション等の残高総数 1,120株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,120株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 14,284株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,600株
既存株主へのロックアップ情報: 事業法人2社、金融機関等2社、VC12法人、会社関係者8名に対して180日間。対象株数は、10,692株。但し、発行価格の2倍以上での取引所を通じた売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
05年5月 1,120株 75千円 07年7月〜10年6月

 目論見書での想定発行価格は32万円で、この価格に基づく公募によるMICメディカルの手取り概算額は約404百万円とされている。資金使途は、全額を社内システム等への設備資金に充当する予定。



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