IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
地域新聞社(2164 大証ヘラクレス)IPO |
地元投資家さんによる応援ファンド期待 07.8期と08.8期の業績予想ベースでのEPSは約10千円であり、想定されている公募価格のPERは約11倍となる。 07.8期の業績は前06.8期と比較すると大幅な増益になる予定だが、08.8期にはそれほど伸びない見通しになっている。また、定性的にも、地域に密着したタイプの事業モデルで、エリア面での拡大がないと今後の成長性は限定的と考えられる。 以上を考慮すると、PER面ではほぼ妥当な公募価格の設定と想定する。ただ、地域新聞社が事業エリアとしている千葉県以外に在住する投資家にとっては、比較的堅実な、地域広告を行う会社にわざわざ投資することの意義も薄い。逆に、地元投資家による応援ファンドを、会社側としても期待しているのではないかと想像する。 個別データ(肩は対前期比(%))
地域新聞社の事業は、新聞発行事業と折り込みチラシ配布事業、販売促進総合支援事業を行う公告関連事業と、カルチャーセンター運営事業と通信販売事業を行う、その他の事業から構成されている。 新聞発行事業では、購読料のかからない地域情報紙(フリーペーパー)に、発行エリアごとの地域のイベント、社会、文化等の情報を載せて、毎週継続的に発行している。紙面に掲載する広告枠を販売し、かつその広告を地域新聞社が政策して、イツレンのサービスの対価を顧客から受け取っている。 広告枠は、千葉県内の5ヶ所の事業所の営業担当者が広告主に直接販売する場合と、広告代理店を経由して販売する場合とがある。 「地域新聞」の1発行エリア当りの標準世帯数を3万世帯前後として、地域新聞社の事業エリアである千葉県内を北西部地域を中心に45版に分割して、1発行当り、07年8月末現在で約1,528千部の「地域新聞」を発行している。 新聞の印刷作業は、印刷会社に全て委託している。配布方法は、原則として個別配布員によって構成される、地域新聞社独自の配布組織を組成・活用して、一般の新聞を購読していない家庭にも個別配布している。 折り込みチラシ配布事業では、当社が発行する「地域新聞」や一般紙等にチラシを折り込んで配布している。チラシは予め顧客が制作して当社に持ち込むケースと、当社が顧客の依頼を受けて制作まで請け負うケースがある。チラシの制作を顧客から請け負う場合には、その制作請負に係わる売上高は、販売促進総合支援事業に計上している。 カルチャーセンター運営事業では、ダンス等を顧客に教授して、入会金・受講料を受け取っている。 通信販売事業では、「地域新聞」の紙面を活用して、「地域新聞」の主読者層である30代から50代の女性をターゲットとして、健康食品の通信販売を行っている。 |
06.8期は主力事業である新聞発行事業の売上高は、対前期比+約5%と微増に留まった。それ以外の、折り込みチラシ配布事業では、発行エリアの再編効果などによって顧客数が増加したことに加えて、全国規模で販売促進活動を展開している通信販売会社や保険会社などの比較的大口の顧客からの受注が増加し、売上高は対前期比で+21%の増収となった。 販売促進総合支援事業では、大手通信会社等の比較的大口の顧客からの受注が増加したことで、対前期比+約309%の大幅な増収となった。以上から、全体での売上高は、対前期比+約21%の増収となった。 増収を受けて、経常利益では高い対前年伸び率での増益となった。当期利益では減益だが、これは前05.8期の当期利益の水準が経常利益と比較して高すぎたことの反動であり、経常利益の水準からみれば、06.8期のほうが正常値に戻った状態。 表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%) 06.8期 07.2中 新 聞 発 行 1,430 +5.2% 696 折込チラシ配布 601 +21.9% 311 販売促進支援 338 +309.9% 174 Cセンター運営 52 -4.9% 26 通 信 販 売 2 -- 5 合 計 2,425 +21.8% 1,214 07.8期については、第三四半期までは実績が開示され、通期は見込みが発表されている。第三四半期までの進捗状況をみると、通期見込みは若干ハードルが高そうに見えるが、8月末決算情報の9月末での開示のため、見込みとはいえ、ほぼ実績と考えてよいだろう。 この点では、07.8期は、前期と比較して大幅な増益が達成されることになる。一方、翌08.8期の予想に関しては、売上高では07.8期に対して10%以上の増収を見込みながら、利益項目では意外に伸び率が低い計画になっている。 大口での新規広告の受注等が織り込まれていると考えるが、一方で新聞用紙等のコストアップ要因も考えられ、今の段階では08.8期の予想達成は慎重に見たほうがよいだろう。
上場後に即行使可能になるストックオプションのボリュームは、さほど大きくないが、ベンチャーキャピタルの保有ウエイトはかなり高い部類に入る。しかも、全既存株主に対しては、ロックアップがかけられていない模様であり、ベンチャーキャピタルの保有株式の動向には注意が必要。 A. 発行済み株式数 7,800株(04.1に1:4株式分割後) B. 公募 1,300株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 1,000株(売出し元は会社関係者750株、ベンチャーキャピタル250株)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 727株 E. うち潜在株式に算入する数 378株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 9,478株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,210株 既存株主へのロックアップ情報: なし 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 03年8月 60株 12,500円 05年8月〜10年8月 05年7月 318株 65,000円 07年7月〜11年7月 06年8月 349株 150,000円 08年8月〜13年87月 目論見書での想定発行価格は115千円で、この価格に基づく公募による地域新聞社の手取り概算額は約119百万円とされている。資金使途は、人材採用のための運転資金に充当する予定。
地域新聞社のウエブサイトには、9月27日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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