2162日本マニュファクチャリングサービスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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日本マニュファクチャリングサービス(2162 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

偽装請負問題を追い風にして、業績は拡大中
 製造請負をメインにした事業形態だが、偽装請負の問題が逆風になるかと思うと、意外にこれを追い風として業績を拡大している。更に中国をメインとした海外事業も、まだ規模としては小さいものの、順調に成長過程にあると評価できる。

 08.3期業績予想ベースのEPS約13千円に対して、想定されている公募価格のPERは約15倍となる。上記の通り、現時点では評価できる項目も幾つかあり、PER17〜20倍程度まで評価されても良いのではないかと考えるが、ジャスダックでの製造請負業態では人気化しづらいことも考えられ、最近の市況ではPER17倍の22万円辺りが目処か。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 07/3 08/3予
売上高(百万円)
6,721
103.9%
13,702
11.8%
15,323
17.5%
18,000
営業利益(百万円)
--

186
128.4%
424
25.1%
530
経常利益(百万円)
120
42.5%
171
149.8%
427
17.0%
500
当期利益(百万円)
42
92.1%
80
191.4%
234
23.8%
290
総資産(百万円)
純資産(百万円)
3,161
420
3,573
577
3,938
811
--
--
株主資本比率(%) 13.3% 16.2% 20.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
3.8%
10.0%
4.8%
13.9%
10.9%
28.9%
--
--
発行済株式数 21.958 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
1,907
19,146
3,662
26,278
10,671
36,950
13,207
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
製造請負、製造派遣、製造受託、修理受託と技術者派遣等の各種サービスを提供する製造アウトソーシング事業
 日本マニュファクチャリングサービスは製造アウトソーシング事業を展開しており、事業内容は、取引先の生産プロセスに着目して、製造・修理の分野で取引先の構内で人材の提供と製造ラインの管理を請け負う「インラインソリューション事業」と、製造・修理の分野で、自社工場で受託する「マニュファクチャリングソリューション事業」、設計・開発の分野で日本人技術者を派遣する「エンジニアリングソリューション事業」、メーカーの日本・中国でのものづくりに中国人技術者を派遣する「グローバルソリューション事業」の4事業に区分される。

 インラインソリューション事業では、製造請負サービスで、半導体検査や電子部品製造などのエレクトロニクス分野、自動車、食品、化粧品などの業種に対して、生産管理・品質管理などの製造ノウハウをベースとしたサービスを行い、製造派遣サービスで、単純工程から高技能を要する工程までのサービスを行っている。

 マニュファクチャリングソリューション事業では、通常の製造アウトソーシングだけでなく、デジタル機器分野を中心に、解析・判定・修理などの修理技術ノウハウに、コールセンター機能を含めたカスタマーサービス分野も受託している。

 エンジニアリングソリューション事業では、製造分野と技術分野の中間に位置する試作・評価や生産技術の分野に特化し、主に電子・電気系やエレクトロニクス分野への技術者派遣サービスを提供している。

 グローバルソリューション事業では、中国の理工系大学や政府系紹介機関から技術者を日本マニュファクチャリングサービスが採用し、当社の社員として日本に入国した後に、数年間は取引先に派遣、その後は取引先の現地法人社員として転籍や、そのまま取引先社員として日本企業に転籍、派遣社員として中国現地法人に派遣先を変更するなど、様々な取引先のニーズにあったサービスを提供している。

情報開示の状況
開示なし
 日本マニュファクチャリングサービスのウエブサイトには9月21日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。参考になる情報としては、決算公告程度しかなく、上場承認のニュースリリースも掲載されていない。

収支の状況
「偽装派遣」問題で、むしろ業績は拡大中
 07.3期は、インラインソリューション事業で、請求単価の改善や競合市場の取り込みが成功したことに加えて、「偽装請負」の報道があった中で逆に、遵法な請負化に向けた提案活動が売上拡大に寄与したこともあって、同事業の売上高は対前期比+約7%の増収となった。

 マニュファクチャリングソリューション事業では、期初に受託案件のコストダウン要請による単価ダウンや、市況の変化によってリペア関連の修理台数が減少したことがあったものの、前期までに立ち上げた自社3工場の収益が回復したことや、半導体分野での新規事業の取り込みを行ったこと、新しい修理業務の受注が確定したことなどによって、売上高は対前期比+約12%の増収。

 エンジニアリングソリューション事業は派遣開始時期が遅れ、稼働率が落ち込んだものの、事業場順調に拡大したことで、対前期比+256%の増収、グローバルソリューション事業も、前年度下期に派遣開始が集中した中国人新卒者が寄与して事業が拡大したこと等で、同+約50%の増収となった。

表1 07.3期事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
イ ン ラ イ ン    12,452 +7.5%
マニュファクチャリング 1,718 +12.2%
エンジニアリング     468 +256.0%
グ ロ ー バ ル     683 +50.7%
合        計   15,322 +11.8%

 08.3期は、インラインソリューション事業では、偽装請負問題を背景として、前期に顧客が同業他社から当社へシフトしたことで大量の受注拡大になったことが継続していること、ウエブ採用システムによる採用力の強化が見込まれることで、対前期比で増収の見通し。

 マニュファクチャリングソリューション事業では、受託修理の分野で主力製品の大幅な機種の切替による修理需要の低下が減収要因となるものの、前年度から新たな修理製品の取扱いを始めたことで保管し、新規に半導体関連の組立て業務が受注できる見通しとなったことで、増収の見通し。

 他の2事業分野でも新卒技術者の採用を進めて、派遣技術者の増加による増収を見込んでいる。

 以上から、08.3期業績予想では、売上高では対前期比+約17%の増収、営業利益以下の利益項目では、同20%前後の増益の見通しになっている。

株式の状況
ストックオプションの大半は当面行使不可、バイアウトファンドはロックアップ対象
 日本マニュファクチャリングサービスはバイアウトファンドを活用したMBOを過去に実施した経緯があることから、バイアウトファンドの株式保有ウエイトが高くなっている。ただ、このバイアウトファンドはロックアップの対象になっているため、当面の株式受給には影響はない。

 ストックオプションの未行使残高もあるものの、大半は行使可能になるまで猶予があり、上場直後の段階から行使できるものは少ない。また、最近付与されているストックオプションは、行使価格が公募価格に設定されており、ストックオプション本来の使い方といえる。

A. 発行済み株式数 20,606株
B. 公募 1,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 5,000株(売出し元はバイアウトファンド)、既発株のオーバーアロットメント 900株
D. ストックオプション等の残高総数 1,840株
 E. うち潜在株式に算入する数 352株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 21,958株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
バイアウトファンドの推定保有株数 13,060株
既存株主へのロックアップ情報: バイアウトファンド2法人と会社関係者3名に180日間。対象株数は、17,545株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
05年3月  352株 5万円 07年3月〜15年3月
06年3月 1,265株 6万円 09年3月〜16年3月
07年6月  223株 公募価格 09年7月〜17年6月

 目論見書での想定発行価格は19万円で、この価格に基づく公募による日本マニュファクチャリングサービスの手取り概算額は約168百万円とされている。資金使途は、60百万円を岩手テック内の基板表面実装ラインの増設資金に、残額を借入金の返済に充当する予定。



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