3439三ツ知IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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三ツ知(3439 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:金属製品

地味な業態のため、高い評価も困難だが、下値も限定的か
 自動車関連事業ということで、最近では安定的に好調に推移している。売上高の約6割をシロキ工業1社に依存している点がリスクともいえるが、特別に留意する必要もないだろう。

 07.6期業績予想ベースのEPSは約180円で、これに基づく想定公募価格のPERは約11倍となる。自動車関連事業としては、PER15倍程度の約2,500〜2,700円程度が妥当な水準と考えられる。一定のディスカウントはされていると評価できる。新規公開案件としては地味な業態なので、高く評価されることはないだろうが、公募価格割れすることも考えにくい。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/6 06/6 06/12中 07/6予
売上高(百万円)
8,712
13.1%
9,852

5,265
7.2%
10,560
営業利益(百万円)
727
5.9%
770

452

--
経常利益(百万円)
738
6.4%
785

478
3.7%
814
当期利益(百万円)
451
-7.7%
416

271
15.4%
480
総資産(百万円)
純資産(百万円)
7,237
4,192
8,010
4,683
8,284
4,973
--
--
株主資本比率(%) 57.9% 58.5% 60.0% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
10.2%
10.8%
9.8%
8.9%
5.8%
5.5%
--
--
発行済株式数 2,652.02 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
170.0
1,581
156.8
1,766
102.3
1,875
181.0
--
配当(円/株) 5 5 -- --

事業概要
自動車部品に係わるカスタムファスナーの製造・販売
 三ツ知グループは、三ツ知と子会社4社から構成されており、自動車部品に係わるカスタムファスナーの製造・販売等を主たる業務としている。

 三ツ知グループでは金属材料を常温で金型とプレスを使用して成形する工法である冷間鍛造をコア技術としており、その製品は、自動車用部品における車体用部品向けが中心になっている。

用途別では、座席の前後位置やリクライニングシートの背もたれ角度、高さ、前後調整を行うシート用部品、窓の開閉装置で、ウインドガラスを支える金具の上下昇降機能部品であるウインドウレギュレーター用部品、リアドアやトランク・シート等のロックとロック解除を行うロック用部品等の各機能部品を製造している。

 自動車用部品以外には、その他として、トンネルシールド壁自動組立て用の締結金具であるクイックジョイントなどを製造している。


収支の状況
自動車業界の好調を背景として、業績は安定的に推移
 06.6期は、売上高では、自動車業界で生産台数が拡大したことから、自動車用部品について、シート用部品、ウインドウレギュレーター用部品、ロック用部品、エアバック用部品等その他がともに堅調に推移した。その他部門では公共工事減少の影響を受けたものの全体に占めるシェアが小さいことから、全体の売上高は対前期比+約13%の増収となった。

 売上高の増加に伴って経常利益も対前期比で+約6%の増益となったが、製品の不具合発生に伴うクレーム費用を特別損失として計上したことで、当期利益では対前期比マイナス7%の減益となった。

 06.12中間期も引き続いて自動車関連は好調なようで、三ツ知の業績も堅調に推移している模様。中間期の進捗率からみた07.6期業績見通しは、達成に問題なさそうにみえる。好調な販売を背景として、対前期比+約7%の増収が見込まれている。売上高の伸びほどではないが、利益水準も若干上昇する見通しであり、堅調な業績になりそう。

表1 用途品目別の販売実績(百万円、前期比%)
            06.6期   06.12中
   シート用   5,452 +17.7% 2,945
   ウインドウ  1,369  +8.3%  678
   ロック用    984  +7.6%  517
   その他    1,333  +24.0%  735
自動車用部品計 9,139 +15.9% 4,877
その他        712  -13.7%  387
合計        9,852  +13.1% 5,265

 三ツ知の主な販売先は、自動車部品一次メーカーであるシロキ工業になっている。全売上高に占めるシロキ工業のウエイトは、06.6期で約62%、06.12中間期で約59%と、非常に高い。

株式の状況
ストックオプションの希薄化効果は、自己株式でほぼ相殺
 04年6月と06年1月に付与された新株予約権133,200株が行使された場合は、株式交換による子会社化のプロセスで取得した自己株式122,520株を交付する予定になっている。両者はほぼ同数と見なして、ストックオプションの行使による希薄化効果は、ここでは考慮しない。

A. 発行済み株式数 2,252,020株(単元100株、07.3に1:20株式分割後)
B. 公募 400,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 200,000株(売出し元はベンチャーキャピタル120千株、会社関係者80千株)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 133,200株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,652,020株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 540千株
既存株主へのロックアップ情報:ベンチャーキャピタル1社と事業法人1社、会社関係者9名に対して6ヶ月間。対象株数は、1,548,160株。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
04年6月  83,000株 1,225円 06年7月〜13年6月
06年1月  50,200株 1,735円 08年2月〜15年6月

 目論見書での想定発行価格は1,950円で、この価格に基づく公募による三ツ知の手取り概算額は、約697百万円とされている。資金使途は、130百万円を製品開発体制の強化のための試作用設備機械・測定器当購入の設備資金に、500百万円を子会社への投融資に、残額を借入金の返済に充当する予定。投融資先の子会社での資金使途は、生産規模拡充、工場建設のための設備機械等の購入に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 三ツ知のウエブサイトには、6月26日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。会社概要はあるものの、ニュースリリースの掲載はない。

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