IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ディア・ライフ(3245 東証マザーズ)IPO |
将来業績の下振れリスクはあるが、高く評価できる事業内容 事業を開始して数年程度しか経過していないビジネスもあり、足元の成長性は非常に高い。その一方で、07.9期業績予想ベースのEPS約24千円に対して、想定されている公募価格のPERは約10倍程度にしかならない。 十分にディスカウントしたと見ることも出来るが、毎期の決算はどれだけ物件を売却できるかにかかっているため、次期に減益予想でもありえるのかと、勘ぐりたくなる状況。この低評価の要因は、昨今の不動産関連銘柄の市況を考慮したものであって欲しいところ。 連結データ(肩は対前期比(%))
ディア・ライフは、プリンシパルインベストメント事業、アセットマネジメント事業、セールスプロモーション事業の3つの事業から構成されており、首都圏と主要政令指定都市を主たる営業地域として展開している。 プリンシパルインベストメント事業では、首都圏において、ディア・ライフが開発用不動産を購入し、主に資産運用を目的とした、総戸数で1棟あたり平均40戸前後、住戸タイプで1K〜2LDKの小型のレジデンス等の企画・設計、工事監理等の一連の開発事業を行い、不動産デベロッパーや不動産ファンド等の不動産事業者に対して、売却している。 アセットマネジメント事業では、主に海外投資家に対して不動産の投資提案を行い、ディア・ライフで不動産投資を目的とした特別目的会社を組成して、不動産を取得する。不動産から得られるキャッシュフローの向上や権利関係の調整、建物の建設等を行うことで不動産価値を高めた上で、当該不動産を売却して投資家に対する配当を提供すると同時に、アセットマネジメントに係わる各種フィーと当社出資分に対する配当を得ている。 投資対象には、オフィスビル、商業施設、レジデンス、ホテル等の既存の収益物件の場合と、ディア・ライフが事業用地を取得してオフィスビル等を建設する開発プロジェクトの場合とがある。 セールスプロモーション事業では、不動産デベロッパーや不動産ファンド等の不動産事業者に対して、販売、リーシング、事務一般を支援する人材の派遣、販売提携契約に基づいた販売代理業務、販売復代理業務等の不動産に特化した販売、賃貸支援サービスの提供を行っている。
ディア・ライフのウエブサイトには7月2日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。ただし、会社情報として、上場関連の資料と業績予想、財務ハイライトは掲載されており、上場前の開示水準としては悪くない。 |
06.9期にはプリンシパルインベストメント事業では1プロジェクトが竣工し、売却を期中に完了した。アセットマネジメント事業は、06.9期から受託を開始し、レジデンス・ホテル・学生会館・オフィスビル開発用地等を受託した。そのうちレジデンス1件については、売却を完了し、フィーを計上している。 セールスプロモーション事業では、登録者数が500人を声、都心の高額・大規模タワー型案件の分譲マンションを中心にハウジングアドバイザー等の派遣を行ったほか、ファンドやREITが供給する賃貸マンションへのリーシングに対するニーズが高まったことを受けて、リーシングサポーター等の派遣件数も増加している模様。 07.3中間期では、プリンシパルインベストメント事業では、前期までに開発に着手した4プロジェクトについて竣工し、売却が完了した。セールスプロモーション事業での登録者数は700人以上にまで増加。 表1 事業部門別の販売実績(百万円) 06.9期 07.3中 プリンシパル 1,527 1,934 アセットM 260 282 セールスP 279 99 合計 2,066 2,316 07.9業績予想に対して、07.3中間期の進捗率はかなり高くなっている。これは、物件の売却などが上期に偏重して計上されているということだと推測する。会社側の想定として下期には案件があまり発生しないと考えているのであれば、中間期の進捗率は高くても、通期では会社想定並みに落ち着くということになるだろう。 07.9期の業績予想が達成されることを前提とすれば、売上高・利益共に、対前期比で高い伸び率を達成できることになる。
ベンチャーキャピタルの保有株式と、ロックアップの対象株式と、上場直前の第三者割当に伴う保有確約の対象株式とは微妙に一致しないが、結果的には、ベンチャーキャピタルの保有分は売り出し対象を除いて、ほぼ上場後半年間の売却が不可能と見て良い内容になっている。 A. 発行済み株式数 8,340株(07.2に1:4株式分割後) B. 公募 1,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 1,000株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 300株 D. ストックオプション等の残高総数 1,560株 E. うち潜在株式に算入する数 1.560株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 10,900株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,280株 既存株主へのロックアップ情報: 売出人6人とベンチャーキャピタル2社他に対して180日間。対象株数は8,540株。また、06.3と06.9に実施した第三者割当増資685株は、上場後6ヶ月間の保有確約の対象で、このうちロックアップと保有確約の重複は505株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 06年2月 1,560株 65,250円 08年4月〜16年1月 目論見書での想定発行価格は24万円で、この価格に基づく公募によるディア・ライフの手取り概算額は約230百万円とされている。資金使途は、全額をアセットマネジメント事業での不動産投資目的のSPCへの金銭の貸付に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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