3083シーズメンIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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シーズメン(3083 大証ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:小売業

穏当な売出し価格
 08.2期の業績予想では順調に対前期比で増収増益になる見通しだが、現時点では説得力には若干欠ける状況にみえる。

08.2期予想ベースのEPS約4万円に対して、想定されている売出価格のPERは約10倍となる。安定的な業績推移であり、極端に高く評価されることはないだろうし、ベンチャーキャピタルの売却圧力も想定される。この状況下としては、適度なディスカウントになっていると考える。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/2 07/2 08/2予
売上高(百万円)
8,668
1.5%
8,794
5.3%
9,258
営業利益(百万円)
690
8.5%
748
3.2%
772
経常利益(百万円)
562
24.8%
702
7.2%
753
当期利益(百万円)
270
33.0%
360
16.0%
417
総資産(百万円)
純資産(百万円)
4,368
1,632
4,326
1,960
--
--
株主資本比率(%) 37.4% 45.3% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
12.9%
16.6%
16.2%
18.3%
--
--
発行済株式数 10.18 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
26,550
160,352
35,322
192,552
40,963
--
配当(円/株) 2,500 3,000 4,000

事業概要
カジュアルウエアと雑貨等の小売事業
 シーズメンは、カジュアルウエアを主として扱う小売専門店で、店舗の展開はチェーン方式を採用している。関東・近畿・九州北部を中心に直営店舗を56店舗展開している。

 店舗展開は、主力ブランドショップの「METHOD(メソッド)」を中心に、和柄をテーマとした店舗「流儀圧搾」やアウトレットショップ「METHOD COMFORT」、METHODの凝縮版として売れ筋商品を揃えたブランドショップ「METHOD EXPRESS」も展開している。

情報開示の状況
開示なし
 シーズメンのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページは設置されているものの、7月6日時点ではコンテンツは何も掲載されていない。後は、上場承認のニュースリリースが掲載されている程度になっている。


収支の状況
現状では業績の伸びは期待しにくいか
 07.2期は、「METHOD」ブランドで3店舗を出店、3店舗を退店し、期末では48店舗となった。「流儀圧搾」ブランドでは、「METHOD EXPRESS」等、他ブランドからの統合によって5店舗を出店し、2店舗を閉鎖したことで、期末時点では5店舗となった。「METHOD COMFORT」ブランドでは、増減ともに無く、期末店舗数は3店舗となり、合計56店舗となった。

 売上高では、シャツ、ニット、小物・雑貨が好調に推移したことで、対前期比+約1%の増収となった。利益面では、販売強化のための人件費の増加はあったものの、商品投入コントロールの精度を向上させたこと等で売上総利益率が向上したことで、対前期比で増益となった。

 今後は、大型商業施設の専門店モールなどに売り場面積50〜80坪程度の中型店を年間5店舗、都心部商圏では駅前のファッションビル等に売り場面積20〜30坪の小型店を年間10店舗程度出店していく計画。

 08.2期の業績予想では売上高で対前期比+約5%の増収が見込まれている。08.2期については、今の段階では第一四半期が経過しただけで、残り3四半期の動向次第であるし、そもそも第一四半期の実績が開示されていない点から考えると、達成確度については、若干のリスクを含んでいると見ざるをえない。

 新規出店による店舗数の増加に比例して業績は向上するのだろうが、07.2期にはあまり店舗数の増加が見られない。売出しに伴う資金はあるとはいえ、資金的な問題であれば借入による資金調達によって07.2期にも店舗を増加させても良かったはずであり、突然08.2期に店舗数が増加するとは考えにくいところ。

株式の状況
ベンチャーキャピタルの保有ウエイトは高く、ロックアップは無い模様
 シーズメンは02年3月にMBOを実施したことで、投資ファンドが大株主になっており、そのシェアは40%強になっている。これを含めた既存株主に対するロックアップは付与されていない模様であり、上場後の売り圧力として懸念材料になる。

 ストックオプションの未行使残高はあるが、このうち02年5月決議分については、行使制限が付いている。行使制限の内容は、上場後半年間は行使不可、その後の半年間は付与された数のうち半分だけが行使可能というもの。

A. 発行済み株式数 9,750株(06.9に1:3株式分割後)
B. 公募 0株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 3,000株(売出し元は自己保有1,000株、残はVC)、既発株のオーバーアロットメント 200株
D. ストックオプション等の残高総数 825株
 E. うち潜在株式に算入する数 430株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 10,180株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 4,824株
既存株主へのロックアップ情報: なし

表1 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
02年5月 783株 119,567円 04年11月〜14年5月(上場後1年間は行使制限あり)
03年5月  42株 150,000円 05年5月〜13年5月

 目論見書での想定売出価格は40万円で、この価格に基づくシーズメンの売り出しによる手取り概算額は約351百万円とされている。資金使途は、08.2期下期の新規出店に関する設備投資に約79百万円、09.2期に見込んでいる15店舗の新店設備投資に約271百万円を充当する予定。

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