IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
シーズメン(3083 大証ヘラクレス)IPO |
穏当な売出し価格 08.2期の業績予想では順調に対前期比で増収増益になる見通しだが、現時点では説得力には若干欠ける状況にみえる。 08.2期予想ベースのEPS約4万円に対して、想定されている売出価格のPERは約10倍となる。安定的な業績推移であり、極端に高く評価されることはないだろうし、ベンチャーキャピタルの売却圧力も想定される。この状況下としては、適度なディスカウントになっていると考える。 個別データ(肩は対前期比(%))
シーズメンは、カジュアルウエアを主として扱う小売専門店で、店舗の展開はチェーン方式を採用している。関東・近畿・九州北部を中心に直営店舗を56店舗展開している。 店舗展開は、主力ブランドショップの「METHOD(メソッド)」を中心に、和柄をテーマとした店舗「流儀圧搾」やアウトレットショップ「METHOD COMFORT」、METHODの凝縮版として売れ筋商品を揃えたブランドショップ「METHOD EXPRESS」も展開している。
シーズメンのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページは設置されているものの、7月6日時点ではコンテンツは何も掲載されていない。後は、上場承認のニュースリリースが掲載されている程度になっている。 |
07.2期は、「METHOD」ブランドで3店舗を出店、3店舗を退店し、期末では48店舗となった。「流儀圧搾」ブランドでは、「METHOD EXPRESS」等、他ブランドからの統合によって5店舗を出店し、2店舗を閉鎖したことで、期末時点では5店舗となった。「METHOD COMFORT」ブランドでは、増減ともに無く、期末店舗数は3店舗となり、合計56店舗となった。 売上高では、シャツ、ニット、小物・雑貨が好調に推移したことで、対前期比+約1%の増収となった。利益面では、販売強化のための人件費の増加はあったものの、商品投入コントロールの精度を向上させたこと等で売上総利益率が向上したことで、対前期比で増益となった。 今後は、大型商業施設の専門店モールなどに売り場面積50〜80坪程度の中型店を年間5店舗、都心部商圏では駅前のファッションビル等に売り場面積20〜30坪の小型店を年間10店舗程度出店していく計画。 08.2期の業績予想では売上高で対前期比+約5%の増収が見込まれている。08.2期については、今の段階では第一四半期が経過しただけで、残り3四半期の動向次第であるし、そもそも第一四半期の実績が開示されていない点から考えると、達成確度については、若干のリスクを含んでいると見ざるをえない。 新規出店による店舗数の増加に比例して業績は向上するのだろうが、07.2期にはあまり店舗数の増加が見られない。売出しに伴う資金はあるとはいえ、資金的な問題であれば借入による資金調達によって07.2期にも店舗を増加させても良かったはずであり、突然08.2期に店舗数が増加するとは考えにくいところ。
シーズメンは02年3月にMBOを実施したことで、投資ファンドが大株主になっており、そのシェアは40%強になっている。これを含めた既存株主に対するロックアップは付与されていない模様であり、上場後の売り圧力として懸念材料になる。 ストックオプションの未行使残高はあるが、このうち02年5月決議分については、行使制限が付いている。行使制限の内容は、上場後半年間は行使不可、その後の半年間は付与された数のうち半分だけが行使可能というもの。 A. 発行済み株式数 9,750株(06.9に1:3株式分割後) B. 公募 0株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 3,000株(売出し元は自己保有1,000株、残はVC)、既発株のオーバーアロットメント 200株 D. ストックオプション等の残高総数 825株 E. うち潜在株式に算入する数 430株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 10,180株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 4,824株 既存株主へのロックアップ情報: なし 表1 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 02年5月 783株 119,567円 04年11月〜14年5月(上場後1年間は行使制限あり) 03年5月 42株 150,000円 05年5月〜13年5月 目論見書での想定売出価格は40万円で、この価格に基づくシーズメンの売り出しによる手取り概算額は約351百万円とされている。資金使途は、08.2期下期の新規出店に関する設備投資に約79百万円、09.2期に見込んでいる15店舗の新店設備投資に約271百万円を充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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