3082きちりIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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きちり(3082 大証ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:小売業

将来の利益拡大はあるかもしれないが、足元の利益伸び率は低め
 売上高については、店舗数が順調に増加していることに伴って、これまで高い伸び率で増収になっている。この一方、経常利益段階での伸び率は、07.6期予想では売上高ほどには至っておらず、店舗展開を急拡大ですすめている反面、まだ利益には貢献していない状況にみえる。

 07.6期業績予想ベースのEPSは約8,500円で、想定されている公募価格に対するPERは約18倍となる。足元の利益の伸び率を考慮すると、現時点ではPER20から、せいぜい25倍程度までしか評価できない。株価では、20万円辺りが目処と想定する。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/6 06/6 06/12中 07/6予
売上高(百万円)
1,059
124.1%
2,374

1,659
51.2%
3,590
営業利益(百万円)
-4

87

78

--
経常利益(百万円)
16
560.0%
105

83
24.0%
130
当期利益(百万円)
-0

49

44
58.1%
78
総資産(百万円)
純資産(百万円)
918
357
1,255
599
1,666
643
--
--
株主資本比率(%) 38.9% 47.7% 38.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
1.7%
--
8.4%
8.2%
5.0%
6.9%
--
--
発行済株式数 9.222 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
38,727
5,350
64,962
4,812
69,774
8,458
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
飲食店「KICHIRI」等の運営
 きちりは、団塊の世代ジュニア以降を対象に、現代人の食ニーズに合った「モダン和食」を商品コンセプトとし、「Modern Japanese Dining KICHIRI」と「Casual Dining KICHIRI」を主力業態として、07年5月末時点で大阪府に24店舗、兵庫県に5店舗、京都府に3店舗、奈良県に1店舗、東京都に1店舗の直営による飲食事業を展開している。

情報開示の状況
開示なし
 きちりのウエブサイトには、6月7日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認のニュースコメントが掲載されているだけになっている。


収支の状況
売上高は店舗数増加に伴って増加見通しだが、利益の伸び率は若干低め
 06.6期は、「Modern Japanese Dining KICHIRI」を京都に1店舗、「Casual Dining KICHIRI」を大阪・京都・神戸・奈良に10店舗、新業態として、「本格酒場 フクリキ」を出店した。この結果、売上高では、対前期比+約24%の増収、営業利益では前期の赤字から黒字化し、経常利益では対前期比+約560%の増益となった。

 06.12中間期では、「Casual Dining KICHIRI」を大阪・東京に6店舗、「本格酒場 フクリキ」を大阪に2店舗出店し、関東圏への進出と利益の拡大を図った。

表1 業態別の販売実績(百万円、前期比%)
                     06.6期     06.12中
Modern Japanese Dining KICHIRI 355  +8.3%   185
Casual Dining KICHIRI       1,741 +286.8% 1,289
Traditional Dining KICHIRI      196 -19.7%   93
その他                   80 +119.9%  90
合計                  2,373 +124.1% 1,658

 07.6期業績予想では、売上高で対前期比+約51%の増収、経常利益で+約24%、当期利益で+約58%の増益の見通しになっている。中間期までの進捗率をみると、通期予想の達成確度には、特に問題はないと思われる。

 一方、売上高の伸び率の割には、利益の伸びが低い見通しになっている。特に、特別損益の状況や税効果会計が反映されている当期利益段階よりも、経常利益段階での伸びの小ささが気になる。

株式の状況
株価30万円以下での株式需給は悪くないと予想
 ストックオプションの行使による希薄化効果とベンチャーキャピタルの保有ウエイトは、下記のように相当高い水準にある。しかし、ストックオプションでは、行使価格が15万円のものと30万円のものとがある。上場後の株価動向によるものの、行使価格30万円のものについては、行使は難しいと思われる。

 ベンチャーキャピタルの保有分についても、一部に30万円から60万円で割り当てられたものがある。これについては、ストックオプションと同様に当面売却することは難しいだろう。

 以上を考慮すると、株価が30万円を超えない限り、株式需給は悪くないと想定する。

A. 発行済み株式数 7,052株(06.6に1:2株式分割後)
B. 公募 1,100株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 100株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 1,070株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,070株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 9,222株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 2,052株
既存株主へのロックアップ情報: なし。ただし、05.10と06.6に実施した第三者割当増資321株(事業法人3社合計70株を除いて、ベンチャーキャピタルに割当)については上場後6ヶ月間の保有確約の対象。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
04年9月 300株 150千円 07年2月〜13年6月
05年9月 770株 300千円 07年10月〜13年6月

 目論見書での想定発行価格は152千円で、この価格に基づく公募によるきちりの手取り概算額は約142百万円とされている。資金使途は、全額を設備投資資金に充当する予定。

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