2757オストジャパングループIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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オストジャパングループ(2757 札証アンビシャス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:小売業

多角化分野の業績貢献が見通し通りになれば、安心感はある
 事業立ち上げ当初だったために赤字続きだった研究開発関連の事業で、工場の本格稼動など黒字化の兆しが出つつある。主力事業である調剤薬局事業は安定的に推移しており、08.6期業績予想では、微増収ながらも営業増益は確保される見通しになっている。

 08.6期業績予想ベースのEPS約14千円に対して想定されている公募価格のPERは約7倍にとどまる。多角化分野の業績貢献が見通し通りになるならば、地方市場からの上場になる点や、最近の市況を踏まえても、想定公募価格には抑え目な印象を受ける。

 最近までグリーンシートでは25万円前後で取引されており、グリーンシートで取得した投資家にとっては納得のいかない公募価格の設定になりそうだが、公募で取得する投資家にとっては、比較的安心感があると考える。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/6 06/6 07/6 08/6予
売上高(百万円)
4,207
11.9%
4,707
2.6%
4,829
3.3%
4,989
営業利益(百万円)
175
-30.2%
122
15.6%
141
10.7%
156
経常利益(百万円)
164
-29.4%
116
21.0%
140
-2.4%
137
当期利益(百万円)
26
-45.6%
14
221.3%
45
81.4%
82
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,614
181
1,941
388
2,138
457
--
--
株主資本比率(%) 11.2% 20.0% 21.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
10.2%
14.2%
6.0%
3.6%
6.6%
9.8%
--
--
発行済株式数 5.505 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
4,680
32,968
2,545
70,494
8,177
83,050
14,836
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
調剤薬局・福祉施設の運営、化粧品の開発製造・健康食品等の原料製造を含む受託研究、不動産賃貸管理等を含む子会社の経営管理等
 オストジャパングループは、当社オストジャパングループと連結子会社3社で構成されている。オストジャパングループは持株会社で、子会社では調剤薬局・福祉施設の経営と、化粧品の開発製造・健康食品等原料製造を含む受託研究事業、不動産賃貸管理を主な業務としている。

 調剤薬局事業では、北海道内に直営店舗25店を展開している。出店形態は、病院・診療所の至近の場所で、いわゆる門前薬局を中心にしている。また、このほかに当社グループ外の調剤薬局への医薬品卸売りも行っている。

 福祉事業では、福祉施設の経営を行っており、札幌市内でグループホーム2ヶ所、デイサービス(通所介護)センター1ヶ所、ケアプランセンター1ヶ所を経営している。全施設が直営で、グループホームとデイサービスセンターでは、いずれも認知症の方を対象にしている。訪問介護は行っていない。

 また、福祉事業では、兼業している調剤薬局と連携して、ほとんどのグループホームの入居者が服用する医薬品についての調剤方法の指導に配慮するなどしている。

 研究開発事業では、他の創薬会社等から委託を受けて、その保有する医薬品候補物質について、化合物の化学構造を変化させるなどして目指す活性をより強力にする研究や、化合物の構造活性相関研究などの受託研究のほか、サーモンオバリーペプチド製造供給、化粧品の開発製造を行っている。

 サーモンオバリーペプチド製造供給では、水産加工業者から、イクラを採取したあとの北海道産天然サケの魚卵外皮(サーモンオバリー)を仕入れ、ペプチドを抽出して健康食品原料として、健康食品メーカーに供給している。

 化粧品開発製造では、調剤薬局事業とのリレーションによって、皮膚科医のアドバイスを受けて開発した自社スキンケアブランドを開発し、製造している。販売方法は、主に通信販売。このほか、皮膚科クリニック向けやエステティックサロン・ドラッグストアチェーン向け等にOEM供給を行っている。

 不動産関連事業では、主に病院・薬局の賃貸店舗用不動産を所有し、賃貸・管理業務を行っている。
収支の状況
調剤薬局事業は安定的、赤字事業だった研究開発は黒字化の兆し
 06.6期は、調剤薬局事業では、新規出店がなかったものの、売上高は対前期比+約10%の増収、営業利益でも対前期比+約15%の増益となった。福祉事業では、年度内にグループホーム1ヶ所とデイサービスセンター1ヶ所を開設したことで、売上高は対前期比+約40%の増収となった一方、前期の営業黒字から、赤字決算となった。

 研究開発事業は、本格的に事業を開始して2期目にあたり、化粧品関連では2社に対するOEM供給を開始した。受託研究では、他社が保有する魚卵外皮からアミノ酸・ペプチドを抽出する製法に関する特許に専用実施権を設定し、事業化に向けて活動を開始した。以上を通じて、売上高では対前期比+4倍強の増収となった一方、前期に引き続いて営業赤字を計上した。

 以上の結果、06.6期は売上高では対前期比+約11%の増収となったものの、赤字部門の影響を受けて、経常利益では対前期比マイナス約29%の減益となった。当期純利益では、減損損失約12百万円等の特別損失を計上したことで、対前期比でほぼ半減。(05.6期にも減損損失約36百万円等の特別損失を計上。)

表1 06.6期事業の種類別セグメントの利益率(百万円、%)
     調剤薬局 福祉 研究開発 不動産 連結
売上高   4,472  164    59    30  4,707
営業利益  420  -24    -83    26   121
利益率    9.4%  --     --   85.1%  2.6%

 06.12中間期では、調剤薬局事業では期中に新規出店を1店舗、営業譲渡1店舗と閉店1店舗での合計2店舗減があった結果、期末の店舗数は1店舗減少して25店舗となった。福祉事業では、前年度に開設した施設2ヶ所が業績に貢献したことで、前期の営業赤字から、黒字化。

研究開発事業では、化粧品の2社OEM供給は前期から継続しているものの、サーモンオバリーペプチド事業については、試験的販売にとどまっていることから費用負担がまだ回収できない状態であり、前期に引き続いて、営業損失を計上した。

 サーモンオバリーペプチド事業では、06.12中間決算には反映されていないが、その後の07年4月に自社工場が本格稼動を開始し、契約先に健康食品原料として供給を開始している。

株式の状況
ストックオプションの希薄化効果は比較的大きい
 ベンチャーキャピタルの保有株式があり、ロックアップ対象にはなっていないが、ボリュームはそれほど大きくはない。むしろ、2割近い希薄化効果を持っているストックオプションのほうが影響は大きいと予想される。

 ただ、一部のストックオプション(約200株)の行使価格は、想定されている公募価格よりも高く設定されている。

 オストジャパングループ株式は、グリーンシートでこれまで取引されており、直近である07年7月の取引価格は249千円。

A. 発行済み株式数 4,180株
B. 公募 600株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 70株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 926株
 E. うち潜在株式に算入する数 725株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 5,505株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 245株
既存株主へのロックアップ情報: なし

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
02年6月  685株  50千円 04年7月〜12年5月
04年9月   40株  98千円 06年10月〜14年9月
06年4月  201株 192千円 08年5月〜16年3月

 目論見書での想定発行価格は117千円で、この価格に基づく公募によるオストジャパングループの手取り概算額は約54百万円とされている。資金使途は、子会社の設備投資のための貸付金に全額を充当する予定。子会社では、調剤薬局の店舗・土地と研究開発用の土地の取得を予定している。

情報開示の状況
開示あり
 オストジャパングループのウエブサイトには、既に投資家向け情報開示のページが設置されている。従来からグリーンシートで取引されており、実質的に公開会社であったことから、開示情報は充実している。現在掲載されているコンテンツは、ニュースリリース、業績ハイライト、株主メモ等。



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