2160ジーエヌアイ:GNI IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ジーエヌアイ:GNI (2160 東証マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

ベンチャーキャピタルになったつもりで投資する必要があるだろう
 ジーエヌアイグループは創薬関連の事業を行なっているが、現在開発している候補薬品の中で、最も進捗しているもので第2相臨床試験の段階になっている。今の時点では、明確に市場投入できる製品が無い状態のため、赤字決算が連続している状態にある。

 赤字決算のため、収益性から株価の判定ができない銘柄であり、ジーエヌアイの株式を、想定されている公募価格130円で取得するかどうかは、現在開発中の創薬が成功するとみるかどうかに、かかってくる。

 その点では、現時点でのジーエヌアイへの投資はベンチャーキャピタルと同種の行動をすることになる。取得したならば、少なくとも、開発中の案件が第3相臨床試験に進む時期、或いは、第3相臨床試験を完了する時期まで保有しないと意義はないだろう。当然、開発中の全ての案件が市場投入に失敗するリスクもありえる。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 07/3 07/9中予 08/3予
売上高(百万円)
169
46.8%
248

102
11.4%
276
営業利益(百万円)
-623

-915

-689

-1,490
経常利益(百万円)
-633

-923

-701

-1,502
当期利益(百万円)
-604

-934

-702

-1,504
総資産(百万円)
純資産(百万円)
2,398
1,991
3,362
2,985
--
--
--
--
株主資本比率(%) 83.0% 88.8% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
--
--
--
--
--
--
--
--
発行済株式数 77,352.831 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
25.7
--
38.6
--
--
--
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
医薬品の研究・開発
 ジーエヌアイグループは、アジアに患者が多い疾患を適応症とした複数の創薬候補化合物をパイプラインに持ち、全遺伝子(ゲノム)レベルの遺伝子情報を有効活用する遺伝子ネットワーク技術や、先端ゲノム技術を活用して創薬活動を行っている。

 連結子会社では中国での臨床試験と医薬品の開発を、100%子会社では米国でのジーエヌアイ事業のマーケティング等を行っている。

 ジーエヌアイグループの特色は、以下の3点。
・ 複数の創薬候補化合物を有し、日本や中国などのアジアに患者の多い疾患を標的にした治療薬を開発していること。
・ 遺伝子ネットワークというゲノム解析技術を活用して、将来の創薬パイプラインを自社で生み出す技術を持っていること。
・ 英国のヒト細胞ベースのゲノム研究や中国での臨床試験・バイオ実証試験などの創薬プロセスを持っていること。

 ジーエヌアイグループでの開発品目の状況は、以下の通り。
開発品         適応症等     ステージ
医療機器Gu Bang 人工骨材料    06年3月承認
医薬品F647    放射線性肺炎   05年12月から第2相臨床試験
医薬品F647    突発性肺線維症  06年2月から第2相臨床試験
医薬品F351    肺線維症      前臨床試験終了、06年12月に新薬治験申請

 前臨床試験と臨床試験は、候補薬剤の有効性、安全性を確認するための試験。前臨床試験は、マウス、イヌ、ネコ等の動物による試験で、臨床試験はヒトによる試験。

 臨床試験は、健康な人への投与を行う第1相臨床試験、少数の患者への投与を行う第2相臨床試験、多数の患者への投与を行い、有効性・安全性を試験する第3相臨床試験の3段階からなる。第3相臨床試験終了後、製造販売申請を行い、厚生労働省から承認されれば上市される。
収支の状況
研究開発負担により、前期までに引き続いて今期も赤字決算の見通し
 07.3期は、臨床試験等は順調に推移し、新しく大手製薬会社との共同研究プロジェクトの契約も成立した。一方で、創薬事業を行うための研究開発の費用負担が大きいことから、前期までに引き続いて07.3期も営業損失を計上した。

 08.3期も、開発中の新薬の販売には至らない模様で、引き続いて赤字決算になる見通しとなっている。

株式の状況
VCの保有ウエイトは高いが、ストックオプションの一部は即行使に難あり
 既存株主に対するロックアップ規制がある。正確には不明だが、ロックアップのカバー率は約6割程度と考えられ、いわゆる「ガチガチ」の状態ではない。ベンチャーキャピタルからの売却圧力には注意が必要。

 ストックオプションの未行使残高もあるが、発行済み株式数に占めるシェアは1割以下。また近年に付与されたものの行使価格は、140円から220円と、想定されている公募価格を上回る価格に設定されている。このため、以下では行使価格110円以下のものだけを行使可能として、潜在株式に算入した。

A. 発行済み株式数 60,881,831株(単元1,000株)
B. 公募 10,000千株、増資によるオーバーアロットメント 2,049千株
C. 売出し 3,662千株(売出し元はベンチャーキャピタル1,495千株、会社関係者2,167千株)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 5,756千株
 E. うち潜在株式に算入する数 4,422千株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 77,352,831株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 39,699,231株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者15人、ベンチャーキャピタル9社、事業法人・大学等5社に180日間。対象株数は37,670千株以上。(一部が「その他」扱いのため総計が出来ない。)ただし、発行価格の2倍以上での市場売却は可能。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
03年6月 500千株 4,732円 05年6月〜12年3月
04年6月 1,186千株 55円 05年7月〜14年6月
04年6月   15千株 65円 07年4月〜14年6月
04年6月  493千株 110円 06年6月〜14年6月
05年6月 2,000千株 110円 07年7月〜15年6月
05年6月  120千株 110円 06年10月〜15年6月
05年6月  108千株 110円 07年11月〜15年6月
05年6月  664千株 140円 07年1月〜15年6月
05年6月  286千株 140円 07年4月〜15年6月
06年6月   30千株 140円 07年6月〜16年6月
06年6月  207千株 140円 08年8月〜16年6月
06年6月   44千株 220円 09年3月〜16年6月
06年6月   58千株 220円 09年4月〜16年6月
06年6月   18千株 220円 09年5月〜16年6月
06年6月   27千株 220円 08年5月〜16年6月

 目論見書での想定発行価格は130円で、この価格に基づく公募によるジーエヌアイの手取り概算額は約1,172百万円とされている。資金使途は、今期・来期の研究開発費用に1,028百万円、長期借入金の返済に100百万円、研究用ソフトウエアの改良に44百万円を充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 ジーエヌアイのウエブサイトには8月2日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場関連のニュースリリースの掲載もなく、会社概要から決算公告が見ることが出来るぐらいの状態。



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