IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
チャイナ・ボーチー・エンバイロメンタル・ソリューションズ・テクノロジー(1412 東証)IPO |
07.12期の利益率の低下見通しは気になるものの、一応、成長産業として評価できる 石炭火力発電所向けの脱硫プロジェクト等を取り扱っていることから、中国国内では今後も相当な需要量が存在すると思われる。成長産業として見てよいだろうから、07.12期の業績予想ベースのEPS約7千円に対して、PER約21倍で想定されている公募価格は適度にディスカウントされた価格帯とみる。 優遇税制の適用が07.12期までとなっており、08.12期以降は半減されている法人税負担が倍増することになるが、業績への影響は大きいものではないだろう。 連結データ(肩は対前期比(%))
チャイナ・ボーチー・エンバイロメンタル・ソリューションズ・テクノロジー(ホールディング)カンパニー・リミテッドは持株会社で、中核業務子会社は、元々国華電力の系列会社として設立された北京博奇となっている。北京博奇では、主に石炭火力発電所に用いられる排煙脱硫・脱硝システムの工事請負を行っている。 排煙脱硫・脱硝事業としては、 ・ 石炭火力発電所の排煙から硫黄酸化物を除去するための排煙脱硫システムの設計、建設、設置とアフターサービスを行うプロジェクトの元請負工事である炉外脱硫 ・ ボタ石火力発電所のボイラの内部の脱硫システムの設計、建設、設置とアフターサービスを行うプロジェクトの元請負工事である炉内脱硫 ・ 石炭火力発電所の排煙からの窒素酸化物を除去するための排煙脱硝システムの設計、建設、設置とアフターサービスを行うプロジェクトの元請負工事である排煙脱硝 がある。 また、その他の事業として発電所廃水、工業廃水、生活排水等の処理システムの設計、建設等を行う水処理事業を行っている。
チャイナ・ボーチーのウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、事業概要と財務ハイライトぐらいだが、決算説明会資料や株価情報なども、後日掲載される予定になっている。 |
06.12期は、期間内にプロジェクト工程が進行している排煙炉外脱硫プロジェクトは15件で、このうち5件が年度内に完成した。このうち10件のプロジェクトは600MW級の石炭火力発電所に係わる排煙炉外脱硫プロジェクトで、4件が期内に完成した。 また、年度内に受注契約が締結された排煙炉外脱硫システムは12件となった。以上によって、売上高は対前期比+31%の増収となった。利益項目では、経常利益で対前期比+80%、当期利益で+74%の増益となった。 07.12期は、中核業務子会社である北京博奇電力科技有限公司で、2006年度内に脱硫プロジェクトを13件落札し、工事進行中のプロジェクトが増加し、プロジェクト工程の進捗状況も堅調に推移すると見込んでいる。特に、ボタ石火力発電所の排煙炉内脱硫プロジェクトを獲得したことと、初めて600MW石炭火力発電所の脱硝プロジェクトを獲得したことが、この期の売上に貢献する見込み。これらによって、売上高では、対前期比+約60%の増収を見込んでいる。 一方、競争激化のためにプロジェクトごとの利益率は低下する予想になっており、売上高は大幅に増収になるものの、利益項目では経常利益で対前期比+約18%、当期利益で同+23%の増益に留まる見通しになっている。 中国の税制上では、当社グループの中核業務子会社が中国政府から「先端技術企業」と認定されていることで、中国法人税の優遇措置を受けている。一般企業に適用される法人税率が33%(08年1月から25%に変更予定)に対して、北京博奇に適用される基本税率は15%でかつ、設立から3年間(02〜04年度)は免除、05年度〜07年度の3年間は半減されている。08年度からは、15%の法人税を負担する予定。
ストックオプションについては、付与対象ごとに複雑な行使制限が付いている。上場後の半年間で行使可能なボリュームは、13,808株。 株主名簿からは、どれがベンチャーキャピタルかを判別することが難しいが、大株主の多くはケイマンまたはバージン諸島で設立されており、既存株主のほぼ全数が投資ファンドと見てよいのではないかと思う。ただし、既存株主は全員がロックアップ対象になっている。 A. 発行済み株式数 276,148株(07.3に100:1株式分割後) B. 公募 80千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 40千株(売出し元)、既発株のオーバーアロットメント 18千株 D. ストックオプション等の残高総数 27,615株 E. うち潜在株式に算入する数 13,808株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 369,956株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 不明 既存株主へのロックアップ情報: 全既存株主に対して180日間。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 06年9月 27,615株 約61千円(1元=15.2円で換算) 目論見書での想定発行価格は15万円で、この価格に基づく公募によるチャィナ・ボーチーの手取り概算額は約11,069百万円とされている。資金使途は、借入金返済に400百万円を充当し、残額については、当社グループの中核業務子会社に対する投融資に充当する予定。投融資先の子会社では、事業拡大に伴う運転資金と、プロジェクトへの投融資資金や環境関連の技術導入に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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