8409八千代銀行IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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八千代銀行(8409 東証)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:銀行業

長期保有の場合には、大株主である住友信託銀行の動向がポイント
 業績面では至って安定的に推移しており、07.3期も08.3期見通しもともに、EPSで約5万円強の水準で見込まれている。同業他社等のPERが平均的に15倍ぐらいになっているので、八千代銀行の場合には、素直に、おおよそ2割程度の公募ディスカウントを目処に想定されていると推定する。

 将来的には住友信託銀行のシェア抑制に伴う売却圧力が予想されることと、住友信託銀行が保有している優先株式の普通株への交換状況が、懸念事項になるが、当面は考慮する必要はなさそう。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 06/9中 07/3予 08/3予
経常収益(百万円)
48,919

23,687
-3.7%
47,100
6.8%
50,300
経常利益(百万円)
12,762

5,543
-13.0%
11,100
6.3%
11,800
当期利益(百万円)
8,169

4,656
2.8%
8,400
-2.4%
8,200
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,983,821
99,796
2,000,795
92,543
--
--
--
--
株主資本比率(%) 5.0% 4.6% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
0.6%
8.2%
0.3%
5.0%
--
--
--
--
発行済株式数 161.23 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
50,667
618,967
28,878
573,981
52,099
--
50,859
--
配当(円/株) 4,000 -- 5,000 5,000
配当は普通株式に対するもの、当期利益は優先株への配当支払い後
事業概要
銀行業
 八千代銀行グループは、八千代銀行と子会社6社の計7社で構成され、銀行業を中心に、クレジットカード業務、信用保証業務などの金融サービスを提供しており、06.3末の資産規模は約2兆円となっている。

 銀行業に関しては、06.3期末の支店数が75店、出張所8店となっている。

情報開示の状況
開示あり
 八千代銀行のウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、ニュースリリース、IRカレンダー、ディスクロージャー誌となっている。金融機関であることもあって、開示水準は上場前の時点から元々、一部の既上場会社よりも高いほどの状況になっている。


収支の状況
業績は至って安定的に推移しそう
 06.3期は預金の期末残高は預かり資産へのシフトなどによって期中に163億円減少し、1兆8,542億円、貸出金も資金需要の低迷等によって期中に85億円減少して、期末残高は1兆3,358億円となった。

 損益面では、景気回復の影響などによって貸倒引当金が減少したことと、株式相場が堅調に推移したことで有価証券利息配当金が増加したこと、投資信託等預かり資産の取り扱い増加に苫名って役務取引等収益が増加したことによって、経常利益では対前期比+約153%、当期利益では+79%の大幅増益となった。

 06.9中間期では、貸出金利息の減少と預金利息の増加が、利益に対してネガティブ要因となった一方、有価証券利息配当金の増加と与信費用の減少による利益増加影響が貢献している模様。

 07.3期、08.3期の業績予想が発表されているが、06.3期実績と比較して、ほぼ横這いの利益見通しになっている。成長性はないが、安定的に利益創出はする銘柄という見方で問題なさそう。

 06.3末の八千代銀行の自己資本比率は9.78%、06.9末で9.37%。

株式の状況
住友信託銀行の保有状況がかなり複雑
 住友信託銀行の保有状況を整理すると、同行は従来普通株式の他に、第一種優先株式10千株と第二種優先株式15千株、新株予約権付き社債(普通株式換算で9,354株)の計4種類を保有していた。このうち、第一種については07年3月に普通株17,614株に交換したため、07.3末時点での保有普通株は22,906株(行使可能になるまで期間のある新株予約権分を除く)になる。

 この約22千株をベースとした住友信託銀行のシェアは公募考慮前、新株予約権除きで約15%となる。住友信託銀行はロックアップの対象となっているが、仮に持ち高を5%以下にまで低下させる場合には、普通株約15千株を放出する必要がある。

A. 発行済み株式数 普通株138,229.91株、第二種優先株15千株(07.3に第一種優先株転換後)
B. 公募 20,000株、増資によるオーバーアロットメント 3,000株
C. 売出し 2,000株(売出し元は自社保有株)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 161,230株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 金融機関等の法人10社に180日間。対象株数は42,489株(新株予約権含む、優先株式除く)。但し、発行価格の2倍以上での売却は可能。

表2 潜在株式の状況
種類  発行額 行使期間
第二種優先株式 150億円 11年7月〜16年9月
第二回転換社債  50億円 11年7月〜16年9月
第二種優先株の普通株式への交換比率は未定。転換社債の新株予約権については、対象株式数9,354株、行使価格約53万円。

 目論見書での想定発行価格は63万円で、この価格に基づく公募による八千代銀行の手取り概算額は約11,752百万円とされている。自己株式の処分と第三者割当増資による手取り概算額約3,500百万円と合わせた資金使途は、全額貸出金として中小企業等の資金ニーズに対応していく予定。

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