6256ニューフレアテクノロジーIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ニューフレアテクノロジー(6256 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械

成長性は高く見えるが、未達リスクもありえる
 業績面では好調を継続している上に、新規参入分野の業績貢献も、将来見通しには織り込まれているのではないかと考える。このため、会社発表の業績予想では成長性が高い反面、成功するかどうかのリスクが相当存在するとみる。

 業績面では強い一方で、東芝グループとしてのディスカウント要素がある。この点では上場時点で高い評価を得られる可能性は低く、更に業績については下振れリスクを考慮する必要があるとみる。

 08.3期業績予想ベースのEPSからの想定公募価格のPERは約12倍となるが、この価格レンジで当面は十分な評価ではないかと考える。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3予 08/3予
売上高(百万円)
14,316
19.3%
17,083

8,084
35.1%
23,078
19.9%
27,673
営業利益(百万円)
1,490
2.3%
1,524

509

--

--
経常利益(百万円)
1,250
22.5%
1,532

459
16.0%
1,778
65.2%
2,937
当期利益(百万円)
744
21.6%
904

236
17.6%
1,063
58.2%
1,682
総資産(百万円)
純資産(百万円)
22,509
4,791
24,309
6,195
27,087
6,237
--
--
--
--
株主資本比率(%) 21.3% 25.5% 23.0% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
5.6%
15.5%
6.3%
14.6%
1.7%
3.8%
--
--
--
--
発行済株式数 100 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
7,436
47,912
9,042
61,954
2,361
62,374
10,630
--
16,820
--
配当(円/株) -- 2,100 -- 2,500 --

事業概要
半導体装置の開発、製造、販売
 ニューフレアテクノロジーは、東芝機械の半導体装置事業を分社化する形で、02年に設立された。ニューフレアテクノロジーでは、電子ビームマスク描画装置、エピタキシャル成長装置、マスク検査装置の3製品を中心とした半導体製造装置の開発、製造、販売を主たる事業としている。当社は東芝機械の子会社、東芝の関連会社に該当する。

 電子ビームマスク描画装置は、LSI製造工程において、電子ビームを用いてナノ・オーダーの微細な電子回路パターンを回路原版(フォトマスク)となる感光剤を塗布した石英ガラス基板上に描画する装置。

 エピタキシャル成長装置は、半導体製造の基盤材料であるシリコンウエハ上に、下地の基板の結晶面にそろえてシリコン単結晶を成長させる装置。パソコンやワークステーションに搭載される高性能MPUには表面に結晶欠陥のほとんどないエピタキシャルウエハが用いられている。

 マスク検査装置は、フォトマスクに形成された電子回路パターンを検査する装置で、紫外線の中でもより短波長な深紫外レーザーを光源とした光学技術をコアとして構成されている。ニューフレアテクノロジーでは、国内協力会社と顧客であるフォトマスクメーカー等で共同開発した技術成果を製品化し、06年6月に事業参入することを決定した。当社の今後の成長分野と位置付けられている。

情報開示の状況
一応開示あるが
 ニューフレアテクノロジーのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページは既に設置されている。ただ、現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージだけとなっている。コンテンツに関しては、今後を期待。
収支の状況
足元の実績と比較しても、業績予想は強気
 06.3期はパソコンや携帯電話向け半導体デバイスの需要が好調であり、また携帯型オーディオプレーヤーやデジタルカメラ向けフラッシュメモリ需要が好調に推移した。これを背景として、ニューフレアテクノロジーでは、主力の電子ビームマスク描画装置を中心に受注が順調に推移し、売上高は、対前期比+約19%の増収となった。

 販売費・一般管理費は増加したものの、売上原価率の低下によって、経常利益・当期利益でも売上高とほぼ同水準の対前期比+約20%強の増益となった。

 06.9中間期でも、デジタル民生品向けの半導体デバイスが引き続き好調で、電子ビームマスク描画装置などの受注は好調に推移している模様。07.3通期の業績予想でも、上期の好調が下期も継続する見通しになっている。ただし、上期の実績を下期の業績が大幅に上回る見通しになっている点には、リスクがあるとみる。

表1 事業部門別の販売実績
              06.3期   06.9中
電子ビームマスク 15,055 +14.9% 7,541
エピタキシャル    972 +10.4%  519
マスク検査      1,054 +220.4%  22
合計         17,083 +19.3% 8,084

 08.3期の業績予想では、更に対前期伸び率の高い売上・利益になる見通しになっている。新規参入を予定しているマスク検査装置分野の業績貢献が加味されているのではないかと思われるが、実績の無い新規参入分野での業績貢献を大きく考慮することには、違和感がある。08.3期について、現在の段階ではここまでの増収増益に本当になるのかの確証はない。

株式の状況
大株主の東芝・東芝機械はロックアップ対象
 東芝グループの会社ということで、ベンチャーキャピタルの保有等はない。既存株主としては、東芝と東芝機械のウエイトが圧倒的に大きい。当社をグループ内に留まらせたいと考えるなら、売り出し以上に保有株式を売却することはないだろうが、グループ内取引はそれほど大きくない模様なので、保有株を更に売却して、グループ外へのスピンアウトを図る可能性もありえる。

A. 発行済み株式数 90,000株
B. 公募 10,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 8,500株(売出し元は東芝機械)、既発株のオーバーアロットメント 2,500株
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 100千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者6名と東芝機械、東芝に180日間。対象株数は8,600株。但し、発行価格の2倍以上での市場売却は可能。

 目論見書での想定発行価格は215千円で、この価格に基づく公募によるニューフレアテクノロジーの手取り概算額は約1,979百万円とされている。ニューフレアテクノロジーでは、06年6月にマスク検査装置事業への参入を決定しており、資金使途は、電子ビームマスク描画装置と、エピタキシャル成長装置、マスク検査装置の生産能力の増強のために開設した横浜事業所の建設資金の一部に充当する予定。



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