3854アイルIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アイル(3854 大証ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

安定成長を続けている割には、割安感あり
 IT関連ビジネスだが、比較的安定的に、地道に業績を拡大してきている。07.7期の業績予想ベースでのEPS約17千円に対して、想定されている公募価格のPERは約15倍となる。

 このPER水準は、07.7期以降の成長は織り込まれていないレベルであり、安定的に利益成長を続けている点からは、PERで25〜30倍程度に評価してもよいように思える。

 株式の需給関係も比較的すっきりとしており、当面の株価想定は40〜50万円とみる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/7 06/7 07/1 07/7予
売上高(百万円)
2,853
15.1%
3,285

1,637
15.9%
3,807
営業利益(百万円)
96
146.3%
237

45

--
経常利益(百万円)
96
150.1%
239

45
13.9%
272
当期利益(百万円)
29
390.7%
141

26
11.7%
158
総資産(百万円)
純資産(百万円)
867
307
1,062
449
1,014
475
--
--
株主資本比率(%) 35.4% 42.2% 46.9% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
11.0%
9.4%
22.5%
31.5%
4.5%
5.6%
--
--
発行済株式数 9.485 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
3,040
32,401
14,916
47,317
2,785
50,102
16,658
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
基幹業務システムの開発・販売・運用保守と、求人・求職/人材教育支援サービス 、Web活用戦略支援サービス
 アイルは、売上高で50億円程度以下の中堅・中小企業を主たる顧客対象として、顧客の抱える経営課題全般に対して、基幹システムの構築、サポート保守、ネットワーク構築、セキュリティ、コンテンツプロバイダー、人材教育など、ITを通じたトータルソリューションの提供を行っている。

 アイルでは、業務改善手法の提供をシステム・インテグレーション事業として位置付け、経営効率の最適化を図ることを目的とした基幹システムの提案・商品提供を行っている。

 また、人材等の経営資源の提供をソリューション事業として位置付け、派遣情報に特化した求人・求職ウエブサイト「@ぱる」の運営管理をはじめ、一般に中堅・中小企業で困難であるといわれる自社内でのシステムの構築や人材採用・構築、ウエブを用いたマーケティングについてのサービス提供を行っている。

 システム・インテグレーション事業では、販売管理や財務管理を統合したオリジナル基幹業務パッケージをシステム関連商品と合わせて販売し、顧客企業の属する業種・業態に適合したシステムにカスタマイズしている。また、販売後にも、保守・運用のサポート収入を得ている。

 ソリューション事業では、求人・求職サイトの運営管理のほか、顧客企業の人材教育を目的としたIT・OAリテラシー教育、技術者育成、資格取得支援等の教育サービスを提供するアイルキャリアカレッジの運営管理をする@ぱる事業と、企業のホームページ政策・運用や、顧客の事業分析・事業戦略コンサルティング、プロモーション、ホームページ制作後のログ解析結果を基にした更新・改良などを行うWebドクター事業を行っている。
収支の状況
安定的に増収増益の傾向を維持
 06.7期はシステム・インテグレーション部門での受注が好調に推移した模様。また、ソリューション事業では、「@ぱる」事業で積極的な広告戦略、ポイント制の導入、インターネットマガジンの創刊等のオペレーションを実施したことで、売上高が伸長した。更に、06.7期から「Webドクターサービス」の提供を開始したことも貢献して、売上高では対前期比+約15%の増収となった。

 ソリューション事業で求職者の登録数が大幅に増加したことや、大手派遣会社5社との契約・個別契約料金のアップ等があり、営業黒字化したことを受けて、営業利益以下の各項目では、およそ+150%前後と、売上高の対前期比以上の伸び率での増益となった。

表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
                     06.7期   07.1中
システム・インテグレーション 2,445 +9.3% 1,106
ソリューション           839 +36.4%  530
合計                3,285 +15.1% 1,636

 システム・インテグレーション事業では、顧客の決算期に合わせた受注や成果品の引渡しになるケースが多いことと、システム開発上では新入社員を採用する上半期の効率が低下する傾向にあることから、上期と下期での業績変動が大きく出る傾向にある。

 07.7期の業績予想でも、上半期の進捗と比較すると、通期の目標利益額が大きいように見えるが、特に気にすることはない模様。

 07.7期業績予想は、売上高で対前期比+約15%の増収の見込み。利益項目については、売上高の伸び率を若干下回る伸び率での増益が見込まれている。

株式の状況
既存株式の保有関係は、すっきり
 ストックオプションの残高はなく、ベンチャーキャピタルの出資もない。株式関係は、比較的すっきりしている。資本構成を見ると、事業をここまで発展させた裏で、その事業資金は経営者がほぼ全額を出資している模様であり、この資金力には驚く。

A. 発行済み株式数 7,985株(07.2に1:5株式分割後)
B. 公募 1,500株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 300株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 270株
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 9,485株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者11人と法人1社に180日間。対象株数は6,690株。

 目論見書での想定発行価格は255千円で、この価格に基づく公募によるアイルの手取り概算額は、約347百万円とされている。資金使途は、システム・インテグレーション事業で現在開発中のシステム開発費用に50百万円を充当し、残額についてはソリューション事業で、業容拡大のために「@ぱる」の認知度向上を図るために、テレビCMを含めた広告宣伝費用に充当する予定。

情報開示の状況
開示なし
 アイルのウエブサイトには、5月30日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認に関するニュースリリースも掲載されていない。



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