IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
ユニバース(3078 東証二部)IPO |
成長力は期待しにくく、想定されている公募価格近辺が妥当な水準か 経済成長の点では大きく期待しにくいエリアをフランチャイズとしている中では、増収傾向を頑張って維持している印象だが、やはり多くは期待しにくい。 07.4期予想の当期利益は特殊事情によって増額されており、実力でのEPSは約1,500円とみられる。これに基づく想定されている公募価格のPERは約11倍となるが、この想定公募価格の水準が、ちょうど妥当なところではないかと考える。 連結データ(肩は対前期比(%))
ユニバースグループは、ユニバースと子会社6社・関連会社1社で構成され、スーパーマーケット事業を主な事業としている。 スーパーマーケット事業では、青森県八戸市に本部を置き、食料品(生鮮食品、加工食品)を中心に販売している。出店エリアは、青森県、岩手県北部、秋田県男鹿市、岩手県盛岡市周辺としており、07年2月時点の店舗数は40店舗。 売り場面積では2,000m2(605坪)以上の大型スーパーマーケットの出店を主体としており、07年2月時点の1店舗当り平均面積は2,476m2(749坪)。 連結子会社では、ビジネスホテルの経営を行っており、07年2月時点では、青森市・仙台市・塩釜市・東京都に各1店舗ずつ、計5店舗を展開している。また、子会社ではホテル内でのレストランの運営やホテル利用者向けのポイントカードシステムの運営を行っている。 その他の事業としては、子会社で損害保険と生命保険の代理店営業を行っている。
ユニバースのウエブサイトには3月23日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
07.3期は期中に新規出店を2店舗、閉店を1店行い、期末時点での店舗数は37店舗となった。総売り場面積では、前期末から6,685m2増加して、90,310m2となった。 スーパーマーケット事業では、ユニバースの主な商圏になっている北東北3県では経済情勢は厳しく、個人諸費も衣料品等で一部好転の兆しはあるものの、ユニバースが主力とする食料品では厳しい状態が続いている。こうした中で、店舗数増加と在庫削減等コストダウン努力等によって、スーパーマーケット事業の売上高は対前期比+約3%、営業利益は+約2%の増収増益となった。 07.3期経常利益が対前期で減益となったのは、新規連結子会社の連結調整勘定償却額353百万円を営業外費用に計上したため。特別利益には株式売却益329百万円を計上したことで、当期利益段階では、対前期で増益に戻っている。 07.10中間期は期中に1店を新規出店し、期末店舗数は38店舗、総売り場面積は前期末と比較して2,782m2増加して、93,092m2となった。 表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%) 06.4期 06.10中 スーパーマーケット事業 83,079 +3.9% 42,580 ホテル事業 1,856 -3.2% 940 その他の事業 41 -2.1% 19 合計 84,977 +3.7% 43,540 表2 スーパーマーケット事業の単位当り売上高 (千円/m2、千円/人、前期比%) 06.4期 06.10中 売上面積1m2当り 955 -8.2% 464 従業員1人当り 27,491 -4.6% 13,265 主力事業であるスーパーマーケット事業では、店舗数の増加や販売促進・コストダウン等を進めることで、なんとか増収増益を維持しているが、上記のように売り場面積当りや従業員一人当りで販売実績を見た場合には、やはり相当苦戦している様子がうかがえる。 ホテル事業等への多角化を進めているが、ビジネスホテル業界も競争が激しく、簡単に利益補完できる事業ではない。主な事業エリアが北東北という背景も考慮すると、今後の業績の伸びは期待しにくい面があると考える。 07.4期業績予想での当期利益が06.4期実績と比較して大幅な増加になっているのは、06.4に合併した連結子会社の繰越欠損金を引き継いだことで、法人税等の負担軽減が見込まれていることによる。07.4期には繰越欠損金は解消される見込みなので、08.4期以降には税負担の軽減は無くなる見通し。
ストックオプションは無く、ベンチャーキャピタルの保有も無い。発行済み株式数のうち約8割はロックアップ対象になっており、株主構造はシンプルで、株式需給面でも、余り問題はない。 A. 発行済み株式数 8,807,920株(単元100株、06.7に1:40株式分割後) B. 公募 1,800千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 600千株(売出し元は会社関係者等)、既発株のオーバーアロットメント 300千株 D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 10,607,920株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者11人とその関係法人1社に180日間。対象株数は、約8,002千株。更に、06.3に取引先等を割当先として実施した第三者割当増資249千株は上場後6ヶ月間の保有確約の対象(ロックアップとの重複無し)。 目論見書での想定発行価格は1,700円で、この価格に基づく公募によるユニバースの手取り概算額は約2,821百万円とされている。資金使途は、新設店舗3店とスクラップアンドビルド1店の設備資金と、経理システム再構築、生鮮一括物流システム構築などのシステム更新等に充当する予定。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||