IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
コシダカ(2157 JASDAQ)IPO |
成熟産業の中では、意外な業績の伸び 07.8期業績予想では、減損損失を特別損失に計上しているため、若干利益レベルが抑制されている。この分を考慮した07.8期の実力でのEPSは約16千円とみる。 これに対して、想定されている公募価格のPERは約19倍となる。同業他社の水準と比較すると、これで十分な印象もあるが、コシダカの場合、「居抜き方式」での店舗展開が功を奏しているのか、足元の業績の伸びは、かなり高い状態を継続している。 他のカラオケ業態等のアミューズメント系事業と同列視されれば、公募価格付近の株価で妥当だろう。当社独自の成長性プレミアムが評価されれば、PER25〜30倍の40〜50万円まで株価が騰がることもありえると見るが、現在のジャスダック市況では、ここまでは苦しいか。 個別データ(肩は対前期比(%))
コシダカは、カラオケボックスの直営店である「カラオケ本舗まねきねこ」の運営を行うカラオケボックス事業を主たる事業としている。また、カーブス事業では、カーブスジャパンのフランチャイズ加盟店として、フィットネスクラブ「カーブス店」の運営を行っている。 07年4月末時点で、カラオケボックス事業では42都道府県に222店舗(うち、7店舗は07年5月に閉店)、カーブス事業では、北海道と埼玉県で8店舗を展開している。 カラオケボックス事業では、これまで他の経営者によってカラオケ店として営業されていた店舗を、当社が継承する形で出店する「居抜き出店方式」を採用している。カラオケ店として、部屋割りや間仕切りなど基本的な内装をそのまま利用できるため、開店までにかかる時間と運営経費の節約が可能で、出店決定から開店までの準備期間を短く、初期投資を低く出来る特徴がある。 また、地方、郊外、ロードサイドへの出店を優先し、人件費・賃借料などの運営経費の抑制を図っている。
コシダカのウエブサイトには5月30日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場関連のニュースリリースも掲載されていない状態。 |
06.8期は、期中にカラオケ店の新規出店を49店舗、閉店を2店舗行い、カラオケボックス事業収入は前期比+約39%の増収となった。売上高に占めるウエイトでは同事業部門のシェアが格段に大きく、売上高全体でも、対前期比で同程度の増収となった。 コスト面では、管理機能強化のための人件費等が増加したものの、売上高の増加によって、営業利益以下の利益項目では、売上高とほぼ同水準の対前期での増益となった。 07.2中間期には、カラオケ店舗の期中の新規出店は20店舗となった。更に、都市型店舗として、高級カラオケ店とレストラン・バーを融合させた新業態店舗の出店を行った。 カーブス事業については、この中間期での新規出店は行わず、既存店の会員数の増強とインストラクターの教育を行った。 表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%) 06.8期 07.2中 カラオケ 8,797 +39.1% 5,453 カーブス 40 - 74 その他 39 +6.3% 1 合計 8,878 +39.6% 5,529 07.8期見通しは、売上高では、カラオケボックス事業では好調な集客と客単価の上昇を織り込み。既存店・新規店ともに順調に推移すると想定している。カーブス事業では、新規出店を行わず、既存店の会員数の増強に注力する予定。以上を通じて、対前期比+約33%の増収を見込んでいる。 コスト面では、新規出店による人員増などによる費用増加を織り込み、経常利益では対前期比+約44%の増益見通し。当期利益段階では、07年5月に閉店した7店についての減損損失32百万円 を織り込んだことで、増益幅は圧縮され、対前期比+14%の見通しになっている。 表2 「カラオケ本舗まねきねこ」の期末店舗数の推移(件) 03.8 04.8 05.8 06.8 07.2 42 84 146 193 213
ストックオプションとベンチャーキャピタルからの出資はなく、既存株式の大部分を保有している経営者一族はロックアップ対象になっている。株式需給の点では、特に問題はなさそう。 A. 発行済み株式数 20,000株(06.2に1:100株式分割後) B. 公募 4,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 2,000株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント 900株 D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 24,000株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者6名と法人1社に180日間。対象株数は、19,070株。但し、2倍以上での市場売却は可能。 目論見書での想定発行価格は28万円で、この価格に基づく公募によるコシダカの手取り概算額は約1,027百万円とされている。資金使途は、120百万円を当期の設備投資資金に、残額約907百万円を次年度以降のカラオケ店・カーブス店の新規出店等の設備資金に充当する予定。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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