2151タケエイIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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タケエイ(2151 マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

業績のブレが大きく、将来の見通しにはリスクがありそう
 06.9中間決算で特別損失を計上している。第三四半期には利益額が盛り返してきているが、07.3期の通期業績では、この影響が残ることになる。その他にも過去からオペレーション関連のコスト増などが突発的に計上されたケースがあり、先行きの利益を見通すことが難しい面がある。

 第三四半期並みのペースが第四四半期にも継続すると考えれば、07.3期通期のEPSは約240円となる。上期の特別損失分は次期以降には揺り戻しがあるだろうが、その分を次期以降の業績リスクとして非考慮とすると、想定されている公募価格のPERは約30倍となる。

 業態としての成長性はあると思われるが、今後も業績にブレが出る可能性があることを考えると、ちょうど妥当な価格設定と考える。なお、上場後6ヶ月以降には、ベンチャーキャピタル保有株式の売却とストックオプションの行使による希薄化のリスクがあり、注意が必要。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/12 07/3予
売上高(百万円)
10,566
22.2%
12,911

10,958
15.9%
14,958
営業利益(百万円)
1,216
-45.7%
660

1,255
182.7%
1,866
経常利益(百万円)
793
-72.6%
218

808
477.9%
1,257
当期利益(百万円)
98
228.5%
323

364
87.6%
605
総資産(百万円)
純資産(百万円)
19,779
1,210
23,365
3,339
24,740
3,751
--
--
株主資本比率(%) 6.1% 14.3% 15.2% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
4.0%
8.1%
0.9%
9.7%
3.3%
9.7%
--
--
発行済株式数 2,616.4 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
37.5
462
123.3
1,276
138.9
1,434
231
--
配当(円/株) 2 15 -- --

事業概要
建設廃棄物等の再資源化を中心とした環境ソリューション事業
 タケエイグループは、タケエイと連結子会社3社から構成されており、建設業を主とした顧客から排出される廃棄物を再資源化する環境ソリューション事業を行っている。売上分類では、収集運搬、廃棄物処分、その他の業務に3区分される。

 収集運搬業務では、主に首都圏における建設現場から排出される建設産業廃棄物を主な取扱い対象として、その収集と中間処理工場等への運搬を行っている。収集運搬の量等に応じて、排出者より処理代金を受け取る。07年2月時点の収集運搬の専用車両は273台。

 廃棄物処分業務では、産業廃棄物の排出者から取扱量、取扱品等に応じて、廃棄物処分代金を受け取り、処分業務を行っている。首都圏を中心として、4箇所の中間処理工場と1箇所の最終処分場を保有している。

 廃棄物処分の処理工程は、中間処理・再資源化と、最終処分・外部処理に大別される。

 中間処理・再資源化では、搬入時に受け入れ検査・計量を行った廃棄物を、手降ろしヤード、粗選別、ライン選別、機械選別の工程を経て、廃石膏ボード、がれき類、金属くず、紙くず、廃プラスチック類、木くず、可燃物等の品目別廃棄物に分別する。これらの廃棄物を更に、異物・付着物の除去、素材別選別、切断、破砕、圧縮等の再資源化機械処理を行うことで精選別し、品質・ロットを整えた上で、可能な限り再資源化品として搬出する。

 再資源化の内容は、石膏ボード原料、再生砕石、再生砂、鉄、非鉄、製紙原料、再生用プラスチック等のマテリアルサイクル用資源、木チップによるバイオマス発電、プラスチック、紙等からなるエネルギー化用可燃物による廃棄物発電などのエネルギー化用資源。

 最終処分・外部処理としては、中間処理で発生した選別残さを、自社最終処分場で埋め立てるか、外部の処理先に委託することで、顧客への廃棄物処理サービスを完結する。

 その他の業務としては、産業廃棄物処理に附帯するサービスとして、一般廃棄物処理サービス等を提供している。
収支の状況
売上高は好調だが、利益段階では先を読みにくい構造
 06.3期は売上高では、廃棄物処理業務が前期と比較して大幅に増収になったことから、全体では対前期比+約22%の増収となった。しかし、連結子会社で施設の安定操業が遅れたことと、グループ従業員の増加等によって営業利益段階では、対前期比マイナス約45%の大幅な減益となった。


 経常利益も同様に、対前期で大幅な減益となったが、当期利益では、有価証券売却益158百万円と国庫補助金収入516百万円を特別利益に計上したことで、前期と比較しても経常利益と比較しても増益となった。

 06.9中間期では、既存中間処理工場の統廃合を行った効果が出ているとのこと。更に、前期には経常損失を計上した子会社の運転も安定的に稼動しており、原価率が改善している模様。なお、中間純利益では、既存事業所の閉鎖に伴う閉鎖費用と、過年度処分場閉鎖費用の引当金繰入額を特別損失に計上したことで、経常利益と比較して、金額が相当小さくなっている。

表1 業務区分別の販売実績(百万円、前期比%)
            06.3期    06.9中
廃棄物処理業務 9,088 +27.7% 5,022
収集運搬業務  3,306  +8.1% 1,643
その他の業務    515 +33.0%  256
合計       12,910 +22.2%  6,922

 全般的な印象としては、売上高は好調に推移しているが、オペレーション費用等で一時的な費用を計上する傾向にあることと、特別損益への計上項目が頻発しているので、利益ベースでは先行きを見通しにくい。

株式の状況
ストックオプションの希薄化効果とVC保有ウエイトはかなり高い
 ベンチャーキャピタルの保有ウエイトが約25%あり、ロックアップの対象にはなっていない。しかし、これは06年2月の第三者割当増資によるものであり、上場直前の割当であることから、継続保有の対象となっている。

 ストックオプションについては、「当社及び子会社の役員・従業員」に対して上場日の前日または予約権の行使を行うまでの継続保有、「割当を受けた関係者」に対して上場後6ヶ月間の保有確約となっている。「従業員等」と「関係者」がどう違うのかについては不明。(5/17修正)

A. 発行済み株式数 1,860千株(単元100株、04.5に1:2、06.10に1:2株式分割後)
B. 公募 400千株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 40千株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 356.4千株
 E. うち潜在株式に算入する数356.4 株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 2,616.4千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 481.8千株
既存株主へのロックアップ情報: 会社関係者8名に6ヶ月間。対象株数は1,228千株。VC保有の約482千株は上場後6ヶ月間の保有確約の対象。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
04年8月 131,600株 975円 06年9月〜14年8月
06年1月 224,800株 2,750円 08年2月〜16年2月

 目論見書での想定発行価格は7,200円で、この価格に基づく公募によるタケエイの手取り概算額は約2,648百万円とされている。資金使途は、08年頃に完成を予定している最終処分場、廃プラスチック再資源化施設の設備資金として725百万円、子会社での工場増設と借入金400百万円の返済による財務体質の改善を目的とした子会社への投融資資金に1,000百万円を充当する予定。残額は、タケエイの有利子負債の返済資金に充当する。

情報開示の状況
開示なし
 タケエイのウエブサイトには4月23日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。



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