2148アイティメディアIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アイティメディア(2148 マザーズ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:サービス業

公募価格でも既に十分高い評価がされているが、更に人気化する可能性もある
 08.3期予想ベースのEPS約1万円に対して、想定されている公募価格のPERは約50倍となる。
インターネットで情報提供し、広告を掲載することでフィーを得るビジネスモデルは、株式市場でも一定の高い評価は得られる傾向にあり、アイティメディアの場合も、順調に増益トレンドを維持していることから、妥当な公募価格設定とみられる。

 PER50倍でも今後の相当高い成長性を既に織り込んでいるが、会社の知名度やビジネスモデルからは、公募価格帯以上に高い評価をされる可能性も十分にある。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 06/3 06/9中 06/12 07/3予 08/3予
売上高(百万円)
2,152

1,291

2,097
35.3%
2,912
24.5%
3,626
営業利益(百万円)
358

118

299

--

--
経常利益(百万円)
356

117

299
29.6%
461
19.3%
550
当期利益(百万円)
344

70

171
-22.1%
268
20.5%
323
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,634
1,215
1,555
1,285
1,732
1,387
--
--
--
--
株主資本比率(%) 74.4% 82.6% 80.1% -- --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
21.8%
28.3%
7.6%
5.4%
17.2%
12.4%
--
--
--
--
発行済株式数 32.445 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
10,605
37,460
2,148
39,616
5,286
42,757
8,260
--
9,955
--
配当(円/株) -- -- -- -- --

事業概要
IT系総合情報サイト「ITmedia」(アイティメディア)の運営によるインターネット広告事業
 アイティメディアは、ソフトバンク社の出版事業部を切り出して分社化したことから創立され、グループとしてはアイティメディアとドメイン保有のための連結子会社1社から構成されている。

 アイティメディアグループは、ITをテーマとした、ニュースや技術解説記事などの専門性の高い情報を、ウエブサイトやメールマガジン等、インターネットを通じて月間数千本の規模でユーザーに提供するメディア事業を中心に展開している。

 ウエブサイトを訪問するユニークユーザー数は07.2末で1000万人/月、閲覧されるページビュー数は約1億/月となっている。

 アイティメディアグループの収益は06.3期実績で、このうち約86%をウエブサイトやメールマガジン等に掲載する企業の広告から得ている。的を絞ったユーザーに到達できるため、他ポータルサイト等に掲載される広告と比べて掲載単価を維持しやすい。また、IT関連分野に詳しい編集記者が、広告主に代わって広告メッセージを制作するタイアップ型広告が、広告主からの評価・支持を得ており、アイティメディアグループ収益の重要な柱になっている。

 また、広告以外の収益源として、人材紹介企業等から転職希望技術者のデータベースを利用することによる手数料、ポータルサイト等への記事の提供、価格比較サイトとの提携によるデジタル関連製品の電子商取引等がある。

情報開示の状況
開示あり
 アイティメディアのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージ、財務ハイライト、上場関連のニュースリリースと資料となっている。上場前段階としては、十分な開示水準に達している。
収支の状況
他社M&Aをからめて、業績は拡大中
 06.3期は、05年3月にアットマーク・アイティと合併して、コンテンツの質・量を拡充した後、新しいデジタルライフスタイルを提案する情報サイト「ITmedia+D」や、次世代ITリーダーのための情報サイト「ITmedia エンタープライズ」を開設した。また、企業情報システムと経営分野に特化したIT関連出版社メディアセレクトの全株式を取得した。

 06.9中間期は、先に合併したメディアセレクト社のコンテンツ等のオンライン化とオンラインと雑誌の融合を図った。また、ビジネス現場の生産性向上を提案・支援する新メディア「ITmedia Biz.ID」や、ITmediaユーザーに趣味や余暇の充実を幅広く提案するプレミアム・オンライン・メディア「+D Style」を開設した。06.9末時点のユニークユーザー数は984万人となった。

表1 事業の種類別セグメントの販売実績(百万円)
06.3期  06.9中
テクノロジー・メディア    607 347
ライフスタイル・メディア   470 232
エンタープライズ・メディア 443 373
ビジネス・メディア      374 183
人財メディア         250 116
ターゲティング・メディア    3  37
合計             2,151 1,291

 07.3期と08.3期の業績予想では、売上高も引き続き好調に増加傾向になる見通し。利益項目も同様の見通しになっている。当期利益に関しては、06.3期に実質的な法人税負担がなかったことから、07.3期に一旦減益になる形になっているが、これが本来の水準であり、08.3期には増加に転じる予想。

株式の状況
ストックオプションには期間に応じて行使制限が付いている
 ストックオプションが細かく発行されている。02年6月以降に決議されたものについては上場日からの経過期間に応じて行使できる量が制限されている。上場後の6ヶ月経過後からでないと行使できず、行使できるようになっても一年間は基本的に割当量の25%しか行使できないことになっている。ベンチャーキャピタルの保有ウエイトも小さいため、上場直後の株式需給にはあまり問題は無いように見える。

A. 発行済み株式数 26,067.16株(02.6に1:2株式分割後)
B. 公募 5,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 392株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 2,771株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,378株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 32,445株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 883株
既存株主へのロックアップ情報: なし

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
新株予約権付き社債 170株 5万円 04年4月〜11年7月
新株予約権付き社債 114株 5万円 同上
01年5月  606株 133,334円 03年6月〜08年5月
(以下は、期間に応じた行使制限あり)
02年6月  411株   15万円 04年10月〜11年7月
03年6月  364株   15万円 05年8月〜11年7月
05年6月  817株 167,000円 07年6月〜15年6月
05年6月  225株   同上   同上
06年6月   54株   25万円 08年6月〜16年6月
06年6月   80株   25万円 08年6月〜16年6月

 目論見書での想定発行価格は50万円で、この価格に基づく公募によるアイティメディアの手取り概算額は約2,277百万円とされている。資金使途は、各メディア事業の拡大と成長を持続させるためのサーバー等設備と、広告配信システムの拡充、次期コンテンツ配信システムの開発、優秀な人材の確保・育成、将来の戦略的買収・事業提携、新規メディア立ち上げのための資金に充当する予定。



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