| IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アサックス(8772 東証二部)IPO |
特に問題はなく、業績は安定的だが、関連業界のイメージダウンによる影響が心配 業績は安定的に推移している。貸し金業界ではグレーゾーン金利の問題があるが、アサックスの場合には、不動産担保ローンであり、グレーゾーンにかかる金利での貸し出しは現在ない点も安心できる。 07.3期業績予想ベースのEPSでの想定公募価格のPERは約11倍となり、アサックスの安定的な成長性を考慮すると割安感はある。アサックスには直接関係はないにしても、業界全体のイメージとしては、大手消費者金融会社が軒並み赤字決算見通しとなっていることでのイメージタウンがある。周辺環境的には、あまり人気化しにくい可能性はあるだろう。 個別データ(肩は対前期比(%))
アサックスは、不動産担保ローンの専門会社として、一般事業者・個人向けに融資事業を展開している。顧客地震の不動産である土地・建物にアサックスの抵当権を設定する形で融資を行っている。 また、顧客の債務不履行によって、アサックスが不動産競売の申し立てによる抵当権の実行を行い、アサックスが自己競落した場合の不動産売却のケースとして、不動産担保ローンに付随して、不動産の取得・販売を行うことがある。 |
06.3期は町田支店の開設など、首都圏での営業拠点網の強化を行ったことや、一般エンドユーザー向けにはインターネット広告を強化したことなどによって、営業貸付金残高は対前期比+約13%増の約337億円となった。 これを受けて営業収益では、営業貸付金利息が増加し、対前期比+約3%の増収となった。経常利益でも若干の増益となったが、当期利益では、役員退職慰労引当金繰入額を約381百万円特別損失に計上したことで、減益となった。 06.9中間期では、資金需要の拡大によって新規貸付が好調だったこと、都心部での地価の上昇傾向を考慮して、不動産事業者向けの融資を抑制して、エンドユーザー向けの融資の強化を図り、短期・大口債券の回収額が安定してきた模様。中間期末での営業貸付残高は約374億円に増加した。 表1 貸付金種別の期末残高(件数 / 残高百万円) 06.3期 06.9中 消費者向け1,698 / 10,892 1,786 / 11,647 事業者向け1,704 / 22,840 1,813 / 25,771 合計 3,392 / 33,732 3,599 / 37,419 表2 営業収益の内訳(百万円、05.3期 / 06.3期 / 06.9中) 不動産担保ローン収益 3,731 / 4,196 / 2,312 不動産販売収益 502 / 180 / 65 合計 4,233 / 4,376 / 2,377 06.3期〜06.9中間期にかけての、期末営業債権残高に対する貸倒引当金と貸倒償却額の比率は、それぞれ0.21-0.18%、0.04-0.07%となっている。 07.3期の業績予想は、売上高・利益ともに対前期4%以上の伸びが見込まれている。中間期までの進捗率をみると、特に達成に問題はないように思える。 グレーゾーン金利での貸付については、04年4月を最後に適用していないとのこと。これによって、06.3期末時点での営業貸付金残高に占めるグレーゾーン金利での貸付は無くなっている。元々アサックスの場合には、不動産を担保とした上で貸付けているため、貸出し金利は全般に10%未満と低く、こうした有担保での融資金利がいわゆるグレーゾーン金利にまで到達するケースは、考えにくい状況ではある。
大口の既存株主を中心としたロックアップが付されている。売り出し考慮後では、発行済み株式数に対してのロックアップのカバー率は約7割となる。 A. 発行済み株式数 30,345株(06.6に1:5株式分割後) B. 公募 4,000株、増資によるオーバーアロットメント 1,300株 C. 売出し 5,080株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 35,645株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者11名に180日間。対象株数は30,115株。 目論見書での想定発行価格は35万円で、この価格に基づく公募によるアサックスの手取り概算額は約1,380百万円とされている。第三者割当増資の手取り総定額450百万円と合わせた手取り金の使途は、営業貸付金に1,000百万円、残額を借入金の返済に充当する予定。
アサックスのウエブサイトには1月17日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。 |
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