IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
エルモ社 (7773 JASDAQ)IPO |
ネガティブ要因はあるものの、公募価格には割安感あり 日本国内でセキュリティ意識の高まりを受けて監視カメラの需要が増加し、米国で学校向けでの書画カメラの普及が追い風となっている。この結果、販売高は順調に増加している。しかし、技術開発コストがかかることと、競合が相当激しい事業分野である模様で、利益面では07.2期は対前期比で経常減益の見通し。 想定公募価格に対する07.2期予想EPSでのPERは約10倍にとどまる。先にあげた様なネガティブ要因はあるものの、他社比較感としても少なくともPER15倍程度の500円辺りには評価されてよいように感じる 連結データ(肩は対前期比(%))
エルモ社グループは、親会社であるタイテックを中心とする企業グループに属し、情報通信機器やFA関連機器の開発、製造、販売を行う電子機器関連事業や、光学関連機器の開発、製造、販売を行う光学機器関連事業を行っている。 この中で、エルモ社グループは、光学機器関連事業を担う企業グループと位置付けられ、光学技術やCCDカメラ技術などのデジタル画像処理技術やネットワーク技術などを用いて、監視カメラや資料提示装置である書画カメラなどの光学関連機器等を開発、製造し、主に、文教関連や公共の施設と産業向けに販売している。 主な取扱い商品は、監視カメラと書画カメラのほか、映像ソリューション関連のトータルモニタリングシステム・ソフトウエアとAVコントロールシステムCVASとなっている。 トータルモニタリングシステム・ソフトウエアは、ネットワークを介して、遠くに点在している複数代のネットワークカメラとPCサーバーによってセキュリティシステムからマネジメントまでをトータルで管理するシステムで、ビルのフロアや点在している店舗等の管理に利用されている。 AVコントロールシステムCVASは、タッチパネルディスプレイやリモートコントロールパネルによって様々なAV機器やスクリーン等の設備を自由に操作するシステムで、大学や企業の会議室で利用されている。 販売体制は、日本国内に7拠点、海外には米国とドイツの2カ国に拠点を設置して北米と欧州地域の販売を担当している。 |
06.2期は、監視カメラ事業では、国内市場でセキュリティ意識の高まりから監視カメラへの需要は高まったものの、競合が激化したために、販売の増加には貢献しなかった模様。海外市場ではマイクロカメラについて米国で特需案件はあったものの、監視カメラ販売の落ち込みによって、全体としては対前期比 -約2%の減収となった。 書画カメラ事業では、主力とする大学市場での需要停滞と競合の激化によって国内販売は落ち込んだものの、米国の義務教育での学校市場でOHPに代わる役割として書画カメラの需要が拡大した。これによって、売上高は対前期比+約11%の増収となった。 映像ソリューション事業では、総合大学の新校舎案件を一括受注したことで、売上高は前期比+約39%の大幅な増収となった。 06.8中間期では、監視カメラ事業では、国内外で営業セキュリティ・モニタリングの需要が高まったことで、堅調に推移している模様。 書画カメラ事業では、国内販売が大学需要の停滞などによって低調だった半面、海外では活発化し、特に米国では前期に引き続いて義務教育の学校市場での書画カメラ需要が拡大して、小型機種の販売が大きく伸びている。 映像ソリューション事業では、大学でのAV設備投資意欲の落ち込みや、前期に大型案件を受注した反動もあって、販売は苦戦している。 表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%) 06.2期 06.8中 監視カメラ 2,952 -2.8% 1,611 書画カメラ 4,717 +11.6% 2,700 映像ソリューション1,192 +39.8% 424 その他 1,571 -22.5% 751 合計 10,434 +2.8% 5,487 07.2期の会社発表予想では、中間期の状況が下期も継続する様子で、国内での監視カメラの需要増加と、米国での小中学校での書画カメラ需要の増加によって、対前期比+約10%の増収となる見込み。 利益ベースでは、競合の激化による粗利率の低下などによって、経常利益以下の項目で対前期で減益になる見通し。 中間実績の進捗状況と年間見通しを比較すると、売上高については、実績ペースのままになっているので納得感はある。利益項目では、下期の想定利益額が上期実績と比較して相当落ち込む計画になっている。ただし、製品の主なマーケットが学校であり、需要のピーク時期が、夏休み時期と3月の年度末にある模様なので、両方の需要期からはずれる下期に利益が上がらない点については、事業の特性かもしれない。
ストックオプションは潜在株式に算入しているが、上場後半年程度は行使できない。一方でロックアップのカバー率は8割を超えており、ストックオプションの行使可能時期になるまでは、公募・売り出し分以外にはほとんど市場流通しないと考えられる。 A. 発行済み株式数 9,000千株(単元1,000株) B. 公募 500千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 663千株(売出し元は自社保有598千株、残は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 567千株 E. うち潜在株式に算入する数 567千株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 10,067千株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株 既存株主へのロックアップ情報:会社関係者6名と親会社等法人3社に180日間のロックアップ。対象株数は約8,408千株。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 05年5月 567千株 189円 07年6月〜09年5月 目論見書での想定発行価格は350円で、この価格に基づくエルモ社の公募による手取り概算額は、約157百万円とされている。自己株式の処分による手取り概算額189百万円とあわせた資金使途は、在タイ子会社の設備資金とレンズ工場建設資金に充当する予定。
エルモ社のウエブサイトには1月15日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認に関するニュースリリースや業績予想なども掲載されていない。 |
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