6639コンテックIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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コンテック(6639 東証二部)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:電気機器

業績の伸びを期待して投資するなら、むしろ親会社に投資したほうがいいかも
 産業向けの電子機器関連の業態であり、最近の好調な景気動向も反映してか、業績は至って順調に推移している。ただし、売上高の相当なウエイトを親会社であるダイフク(6383東証)が占めている。コンテックの業績も部分的には親会社の意向次第となり、親子上場でのディスカウント評価は免れないところ。

 上場直後の株式需給には不安はないが、業績の伸びが親会社次第である点で評価はしづらい。今後の業績の伸びを見込んで投資するなら、コンテックよりもむしろ親会社のダイフクに投資すべきだろう。07.3期の想定PES約200円に対して、想定されている公募価格は約12倍と、妥当な価格設定と考える。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3予
売上高(百万円)
14,855
32.0%
19,611

11,181
15.7%
22,696
営業利益(百万円)
569
30.1%
740

642

--
経常利益(百万円)
483
76.4%
852

631
18.8%
1,012
当期利益(百万円)
20
3546.0%
734

377
-5.4%
694
総資産(百万円)
純資産(百万円)
12,555
4,000
14,723
4,903
15,697
5,202
--
--
株主資本比率(%) 31.9% 33.3% 33.1% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
3.8%
0.5%
5.8%
15.0%
4.0%
7.2%
--
--
発行済株式数 3,300 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
6.1
1,212
222.4
1,485
114.1
1,576
210.3
--
配当(円/株) 33 33 (17) 44(17)
( )は内数で中間配当
事業概要
産業用の電子機器・関連機器の開発、製造、販売
 コンテックは、パソコン、マイコンなどの産業界向けの電子機器と、これらの関連機器の開発、製造、販売を主な事業内容としている。

 事業部門としては、デバイス&コンポーネント事業部門と、ソリューション&サービス事業部門、EMS事業部門に3区分される。

 デバイス&コンポーネント事業部門では、
・ 各種パソコン用インターフェースボード、省配線機器などの周辺機器やドライバーソフトウエア、計測制御用パッケージソフトウエアなどのインダストリアル・オートメーション機器、
・ オールオートメーション用途に対する各種工業用・産業用パソコンなどのインダストリアル・コンピューター機器
・ 規格準拠の標準機能に独自機能を付加してセキュリティ、マネジメント、フレキシビリティ機能を強化した、自社開発・自社生産の産業向け無線LAN機器、組込み用無線LANモジュール、管理ソフトウエアなどのネットワーク機器
・ 工業用・産業用パソコン等の核になる各種シングルボードコンピューターとその周辺機器などのCPUボード及びOEM・ODM機器
・ 顧客の要望に基づいたソリューションサービスパソコンや制御装置のセットアップサービスなどのサービス機器
を取り扱っている。

 ソリューション&サービス事業部門では、塗装ライン制御システム、計測制御システム、交通信号制御システム、各種リモート監視システムなどを取り扱っている。

 EMS事業部門では、親会社ダイフクが最終ユーザーから受注した物流システム向けの各種制御盤・制御用電子機器・ハーネス等の受託製造をしている。


収支の状況
07.3期は増収・実質増益の見通しだが、親会社向け販売の貢献が大
 06.3期は、デバイス&コンポーネント事業部門で、無線LAN機器の組込み需要開拓に成功したことで、ネットワーク機器の売上高が対前期比+約88%の大幅増となった。セットアップパソコンをメインとするサービス機器でも設備投資の増加の影響を受けて、対前期比+約37%と好調。

一方で、インダストリアル・オートメーション機器とインダストリアル・コンピューター機器の売上高が前期実績割れとなったほか、CPUボード等では特定ユーザーへの供給の一巡化から対前期比マイナス64%の大幅減収となった。

デバイス&コンポーネント事業部門の全体での売上高は対前期比マイナス5%となった。

ソリューション&サービス事業部門では、自動車向けを中心に好調に推移し、売上高は対前期比+約5%の増収。EMS事業部門では、親会社のクリーンルーム内の搬送・補完システム事業が好調であったことを背景に、対前期比+128%の増収となった。

 以上から、売上高全体では、対前期比+約32%の増収となったが、増収の最大の要因は親会社向けの販売増加によるものであり、単純には評価できない。

 06.3期の当期利益が前期と比較して大幅な増益になっているのは、前期に退職給付費用負担金や過年度役員退職慰労引当金繰入額などの特別損失計240百万円を計上したことの反動によるもの。

 06.9中間期は、デバイス&コンポーネント事業部門ではインダストリアル・オートメーション機器で生産ラインの検査用途を中心にボード製品の販売が堅調、ネットワーク機器では流通業界向けの納入が増加、CPU関連製品も計量系端末用途などの販売が好調とのことで、全体としては、堅調に推移している模様。

 前期の大幅な増収の要因となったEMS事業部門でも、親会社での液晶・半導体などのクリーンルーム内生産ライン事業と、工場・物流センター向け物流システム事業が好調で、コンテックに対する受注は増加傾向にある模様。

表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
                  06.3期   06.9中
デバイス&コンポーネント 9,000 -5.1% 5,164
ソリューション&サービス 1,353 +5.0%  602
EMS            9,256 +126.8% 5,414
合計            19,610 +32.0% 11,181

 07.3期の業績見通しでは、対前期で増収経常増益の見通しで、中間期の進捗率をみると、達成には問題ないように見える。当期利益だけが対前期で減益の見通しになっているが、これは前期の当期利益が大きかったとみるべきで、07.3期見通しについては、経常利益の水準からみれば、この当期利益の水準が妥当なレベルと考える。

株式の状況
株式需給は当面タイトになると想定
 既存の株主の中では親会社ダイフクの持ち株シェアが圧倒的であり、これに対してロックアップが掛かっている。ストックオプション等もないので、上場直後の株式需給では、公募・売り出し分意外にはほとんど市中流通しないことになる。

A. 発行済み株式数 2,700千株(単元100株、06.9に1:3株式分割後)
B. 公募 600千株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 300千株(売出し元は親会社ダイフク)、既発株のオーバーアロットメント 135千株(売り出し元は同じ)
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 3,300千株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報:親会社ダイフクと取締役全員に180日間。逆にロックアップ非対象なのは持ち株会と退職した元役員程度になる。

 目論見書での想定発行価格は2,400円で、この価格に基づく公募によるコンテックの手取り概算額は約1,273百万円とされている。資金使途は、全額を借入金の返済に充当する予定。返済する借入金は、子会社が主力工場を親会社ダイフクから購入する際に、該当子会社に対する長期貸付金のために調達したもの。

情報開示の状況
開示なし
 コンテックのウエブサイトには2月8日時点で、投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場承認のニュースリリースが掲載されているだけとなっている。

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