6257藤商事IPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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藤商事(6257 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:機械

節税はほどほどにしてもらったほうが、投資家としては有り難いかも
 今期の会社発表業績予想に基づくEPS約2万円での想定公募価格のPERは約10倍となる。これは同業他社の水準と同等であり、妥当な価格設定と考えられる。

遊技機の製造・開発業態の場合には、商品のサイクルが短いこと、その短いサイクルの中でヒット商品が出るがとうかがポイントとなることから、短期的な業績変動リスクを構造的に持っていることも踏まえると、想定されている公募価格には特別な割安感はない。

 むしろ藤商事の場合、過去に法人税法違反となった事例を持つ。その後のコンプライアンスは改善されているとは思うが、近年でも航空機レバレッジリースを行っている。

 リース自体は問題はないものの、こうしたリース案件は節税目的にしばしば利用されるもので、藤商事のケースでの利用目的は不明だが、全般に節税意識が高いといえる。節税はよいのだが、節税と脱税とは当局の見解によっては紙一重の可能性もあり、長期的には投資リスクとして考慮する必要もあると考える。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3会予
売上高(百万円)
34,095
+18.6%
40,448

18,266
+6.1%
42,910
営業利益(百万円)
3,113
+170.1%
8,407

3,118

--
経常利益(百万円)
3,220
+165.6%
8,554

3,180
+2.3%
8,754
当期利益(百万円)
-215
--
5,573

1,903
-6.7%
5,202
総資産(百万円)
純資産(百万円)
32,407
21,787
41,876
27,803
34,803
28,684
--
--
株主資本比率(%) 67.2% 66.4% 82.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
9.9%
--
20.4%
20.0%
9.1%
6.6%
--
--
発行済株式数 259.836 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
83,851
21,448
107,002
7,323
110,392
20,020
--
配当(円/株) -- 4,000 -- 4,000

事業概要
パチンコ遊技機、パチスロ遊技機の開発、製造、販売
 藤商事グループは、藤商事と子会社1社、関連会社1社から構成されており、パチンコ遊技機、パチスロ遊技機の開発、製造、販売を主たる業務としている。

情報開示の状況
開示なし
 藤商事のウエブサイトには1月11日時点で投資家向け情報開示のページは設置されていない。上場に関するニュースリリースも掲載されていない。

収支の状況
07.3期は増収だが、広告宣伝費の増加などで若干の減益見通し
 06.3期は、パチンコ遊技機では6機種を新規投入し、販売台数は前期比+約10%の185千台となった。一方パチスロ遊技機では、新規則に基づく型式試験の適合は受けたものの、新機種の市場投入は次年度以降に繰り延べた。このため、当年度での販売はなく、中古移動に伴う手数料収入だけとなったことで、前期比-約97%の大幅な減収となった。

 06.9中間期時点での販売台数は、パチンコ遊技機で79千台、パチスロ遊技機で2千台。

表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
              06.3期   06.9中
パチンコ遊技機 40,417 +23.3% 17,470
パチスロ遊技機    30  -97.7%  795
合計        40,447 +18.6% 18,265

07.3期の業績見通しでは、パチンコ遊技機事業で遊べるタイプの遊技機3機種を含む8機種、パチスロ遊技機事業で新規則対応機3機種を投入する予定で、年間の販売台数は、パチンコ遊技機187千台、パチスロ遊技機10千台の計197千台を見込んでいる。これによって、売上高では対前期比+約6%の増収の見通し。

 費用面では、業容拡大に伴う陣経費の増加や、開発機種数の増加による研究開発費の増加、機種展示会やCM関連での広告宣伝費の増加を織り込み、販売・一般管理費は対前期比で大幅な増加が見込まれている。このため、売上高での増収分をコスト増加で取り崩す格好となり、利益ベースでは、ほぼ前期並みになる見通し。

 05.3期に当期損失を計上しているのは、製品自主回収損失約3,086百万円を特別損失に計上したことによるもの。

株式の状況
SO・VCなし、ロックアップのウエイトは高い
 公募による資金調達額が約80億円と想定されている、比較的大型の上場案件となる。ストックオプションやベンチャーキャピタルの保有はない一方で、上場時点の想定発行済み株式数約259千株のうち売り出し考慮後で約190千株がロックアップ対象となっている。公募・売り出しだけで約6万単元が流通するのだが、これ以上に追加流通する可能性は低く、株式需給に関しては比較的タイトな状況になる見通し。

A. 発行済み株式数 216,836株(06.11に1:2株式分割後)
B. 公募 35,000株、増資によるオーバーアロットメント8,000株
C. 売出し 22,000株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション残高総数 なし
 E. うち潜在株式に算入する数 なし
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 259,836株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 なし
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者4名に180日間のロックアップ。対象株数210,066株

 目論見書での想定発行価格は20万円で、この価格に基づく藤商事の公募による手取り概算額は約6,540百万円とされている。オーバーアロットメントを目的とした第三者割当増資の手取り概算額約1,499百万円とあわせた資金使途は、5,369百万円を設備投資資金に、残額を研究開発の資金に充当する予定。



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