IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
コムチュア(3844 JASDAQ)IPO |
地味にも見えるが、安定的に業績は向上 IT関連の事業内容ではあるが、法人向けが主であり、業績の伸び率は地味な水準。見方を変えれば、安定的に業績を伸ばしている状態になっている。 07.3期業績予想ベースのEPS約13千円に対して、想定されている公募価格のPERは約13倍となる。足元の業績の伸びからは、PER25〜30倍程度で評価しても良いと思われ、30万円以上の株価もありえると考える。 個別データ(肩は対前期比(%))
コムチュアは、各種コンピュータシステムの提案、構築、保守、運用に関わる情報処理サービスの提供を行っている。サービス需要別に、コムチュアが提供するソリューションサービスを分類すると、下記の4区分となる。 1. 顧客に効率的でスピーディな情報共有環境を構築するグループウエアソリューション事業 2. インターネットを活用したWebシステムを構築するWebソリューション事業 3. 顧客のビジネスプロセス改革ニーズに応えるERPソリューション事業 4. 顧客のシステムやネットワークの運用ニーズに応えるネットワーク運用サービス事業 グループウエアソリューション事業では、顧客の各役職員が、全社及び個々の役職や所属部署、参加しているプロジェクトなどの属性に適した情報を簡単に閲覧、入力できる環境を提案、構築している。また、グループウエアと顧客企業内に存在する各種システムやデータベース、インターネット上の各種情報等を連携し、横断的な検索とデータ交換を可能とする企業ポータルも手掛けている。 Webソリューション事業では、顧客企業間や社内での業務、情報の共有化などのシステム構築を行い、大企業等での会計システム、販売管理システム等の基幹システムや基幹システムと連動する勤務管理システム等の情報系Webシステムを扱っている。 ERPソリューション事業では、会計システム、販売管理、購買管理、人事管理システムによる顧客のビジネスプロセスの改革支援を行っている。 ネットワーク運用サービス事業は、システム運用や監視業務、ヘルプデスク等を提供する事業で、銀行・証券会社等の金融、流通、情報通信等の大手顧客に対して、顧客のデータセンタ、コンピュータセンタ等における各種コンピュータシステムの運用管理・監視、トラブル時の対応・復旧活動を行っている。 |
06.3期は、売上高では、ERPソリューション事業で、慢性的なIT技術者不足によって、顧客引き合いに十分に対応できなかったことから、対前期で減収となった。他の3事業では事業を順調に拡大し、全体の売上高では対前期比+約17%の増収となった。利益項目では、営業利益以下で、対前期比+60%以上の大幅な増益。 06.9中間期でも、ERPソリューション事業ではIT技術者の不足による受注減が続いており、対前年同期比で減収となったものの、他の事業分野では前年同期を上回る実績となった。全体の売上高は対前年同期比で+約12%の増収。利益項目でも、対前年同期比+50%以上の増益となった。 表1 事業区分別の販売実績(百万円、前期比%) 06.3期 06.9中 07.3見 グループウエア 1,267 +34.8% 676 1,569 +23.7% Webソリューション 1,424 +22.7% 746 1,547 +8.6% ERPソリューション 533 -13.0% 265 586 +9.9% ネットワーク運用 1,413 +13.1% 813 1,617 +4.1% 合計 4,639 +17.3% 2,501 5,320 +14.6% 07.3期業績予想では、売上高は日本IBMとのアライアンスによる新規顧客の開拓などを行うことで、増収を見込んでいる。ただ、売上原価で労務費の増加を前期比+16%と見込んでいることや、販売費・一般管理費でも間接部門の増強や技術者の中途採用の積極化による求人費の増加などを織り込み、対前期比で+19%の増加と予想されている。このため、利益項目での対前期伸び率は、売上高のそれ以下の水準に留まる見通しになっている。 IT関連事業でよくあるように、コムチュアの場合も顧客の予算消化スケジュール等に影響を受けることから、上半期に比較して下半期の売上高ウエイトが高くなる傾向にある。利益項目も同様の傾向にある。この点を考慮しても、07.3期の通期見通しは、中間期実績と比較しての達成可能性には問題ないと思われる。
ベンチャーキャピタルの保有株式はあるが、ボリュームは大きくない。また、ストックオプションもない。一方で、全既存株主に対してロックアップはかけられていないので、会社関係者等からの利益確定のための売りは発生する可能性がある。 A. 発行済み株式数 14,500株(06.1に1:10株式分割後) B. 公募 3,000株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 500株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 0株 E. うち潜在株式に算入する数 0株 F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 17,500株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数 500株 既存株主へのロックアップ情報: なし 目論見書での想定発行価格は17万円で、この価格に基づく公募によるコムチュアの手取り概算額は約439百万円とされている。資金使途は、借入金の返済に300百万円、基幹系システム・管理系システム・情報系システムの統合による社内ERPシステムの構築に30百万円、残額は運転資金に充当する予定。
コムチュアのウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライト、上場承認のニュースリリースとなっている。最近IPO銘柄での上場前の開示水準としては、至って平均的な内容。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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