3842ネクストジェンIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ネクストジェン(3842 ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

成長性が十分感じられる
07.12期の業績予想ベースでのEPS約6千円に基づく、想定されている公募価格のPERは約28倍。足元では業績を大きく伸ばしており、成長性の点からは、公募価格は十分にディスカウントされているように感じる。

 販売先が二社に集中しているリスクなど、業績が鈍化する要因もあるが、PER50倍程度の30万円あたりまでは妥当な価格に思われる。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/12 06/6中 06/12 07/12予
売上高(百万円)
1,078

387
11.6%
1,203
19.3%
1,435
営業利益(百万円)
107

-67
48.6%
159

--
経常利益(百万円)
103

-69
50.5%
155
16.7%
181
当期利益(百万円)
59

-48
33.8%
79
30.6%
103
総資産(百万円)
純資産(百万円)
761
511
662
463
990
590
--
--
株主資本比率(%) 67.1% 69.9% 59.6% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
13.5%
11.5%
--
--
15.7%
13.4%
--
--
発行済株式数 17.45 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
3,379
29,277
--
26,513
4,520
33,797
5,903
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
NGN(次世代通信網)に関わるソフトウエア製品の開発・販売・保守サポートとコンサルティング
 ネクストジェンは、次世代通信網(NGN)に関する通信エンジニアリング企業で、主としてIP電話システムに関わるソフトウエア、ハードウエアのソリューション提供を行うNGNソリューション事業と、システム・エンジニアリング、コンサルティングや保守・サポートを行うNGNサービス事業の2つの事業を行っている。

 日商エレクトロニクスが公募・売出し前時点で発行済み株式数の50%を保有する、親会社になっている。

 主な実績は、
・ SIP(インターネット電話等で用いる通話制御プロトコル)を用いたソフトスイッチ(電話交換機をIP技術で代替したもの)の開発と商用導入
・ 大規模IPセントレックシステム(企業向けのIP電話サービスの一種)構築の開発・導入
・ 無線LAN対応のデュアル端末向けSIPサーバーの開発
・ SIPによるサード・パーティー・コール・コントロール・アプリケーション(第三者が二者を呼び出すことで、二者間での通信を確立させる方法)の開発と商用導入


収支の状況
業績は急拡大中
05.12期はNGNソリューション事業では、既存・新規顧客へのサード・パーティー・コール・コントロール・アプリケーションの提供や既存顧客システムの大規模な増強案件があったことで、自社ライセンス製品の売上げは順調に推移したものの、他社ライセンス製品の売上げは利益率の高い自社ライセンス製品販売に注力したことで大幅に減少した。

また、他社製の音声サーバーの販売や大規模システム開発を受注した際のサーバー機器類の販売については、付加価値の高いメディアサーバー以外の通常サーバーについての販売を積極的に行わない方針としたことから、大型プロジェクトで多数のサーバーを納入した前期と比較して、大幅に減少した。

NGNサービス事業では、自社・他社ライセンス製品の保守業務については、納品先の増加とシステムの安定稼動実績によって、順調に販売を伸ばしているものの、製品・ライセンスの受注活動に注力したことで、SE/コンサルティングの売上げは、前期と比較して大幅に減少した。

 以上によって、売上高では、対前期比マイナス約3%の減収となった。更にコスト面で、他社ライセンス製品等の保守費用の増加と、要員の増加に伴う人件費の増加があったために、経常利益では対前期マイナス約15%の減益となった。

 06.6中間期では、NGNソリューション事業では通信事業者向けソリューションの提供や新規顧客の開拓はあったものの、自社ライセンス製品の売上げは減少した。NGNサービス事業では、納入済みシステムに対する保守サポート売上げは引き続き順調に推移しているとのこと。

表1 事業区分別の販売実績(百万円、前期比%)
            05.12期  06.6中
NGNソリューション 706 -7.0% 149
NGNサービス    371 +3.6% 237
合計         1,077 -3.6% 387

 06.12期の実績が発表されている。中間期時点では、赤字決算だったが、季節要因が相当ある模様で、通期では、前期と比較して大幅な増収増益の結果となった。07.12期の業績見通しも発表されており、06.12期ほどではないが、引き続いて高い対前年伸び率での増収増益の見通しとなっている。

 ネクストジェンの販売先は主に通信事業者になっており、全体の売上高のうち約9割を占めている。この中でも、更にフュージョン・コミュニケーションとケイ・オプティコム向けのウエイトが高くなっており、05.12期ではそれぞれが40%、06.6中間期では各30%のシェアになっている。

株式の状況
ストックオプションの行使状況には注意要
 ベンチャーキャピタルの保有はなく、ロックアップは公募込みでのウエイトが約半分になっている。ストックオプションの行使による希薄化効果は約1割強存在し、この点だけは留意点になる。

A. 発行済み株式数 12,363株
B. 公募 3,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 1,200株(売出し元は外国法人2社)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 2,087株
 E. うち潜在株式に算入する数 2,087株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 17,450株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: 外国法人と日商エレクトロニクスに6ヶ月。対象株数は、9,483株

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
04年9月 850株 5万円 04年9月〜14年9月、04年12月〜12年12月
05年12月 470株 16万円 05年12月〜13年12月
05年2月 578株 35千円 05年2月〜15年2月
06年4月 189株 98千円 06年4月〜16年4月

目論見書での想定発行価格は17万円で、この価格に基づく公募によるネクストジェンの手取り概算額は約454百万円とされている。資金使途は、運転資金と研究開発費に充当する予定。

情報開示の状況
開示あり
 ネクストジェンのウエブサイトには投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライト、決算短信となっている。上場前の段階としては、平均的な開示水準。

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