3841ジーダットPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ジーダット(3841 JASDAQ)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

業績等に関しては、ネガティブな要素が多く、気になる
 07.3期業績予想によるEPSは約9,200円で、これに基づく想定公募価格のPERは約16倍となる。ネガティブな要因として、親会社アルゴグラフィックス(7595)との親子上場になる点、顧客である半導体等の業界市況に大きく影響を受ける点、07.3期は前期と比較すると増収増益だが、05.3期のレベルまでには回復しない点、07.3期は下期の利益計上の見通しが上期の実績と比較して小さく、利幅が縮小している可能性がある点、がある。

 以上の点を考慮すると、想定されている公募価格以上に評価することは現時点では難しい。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/3 06/3 06/9中 07/3予
売上高(百万円)
2,172
-15.5%
1,836

1,036
12.8%
2,070
営業利益(百万円)
423
-66.3%
143

171

--
経常利益(百万円)
469
-60.5%
185

220
51.0%
280
当期利益(百万円)
333
-62.7%
124

144
45.0%
180
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,401
860
1,461
1,093
2,320
1,785
--
--
株主資本比率(%) 61.4% 74.8% 77.0% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
33.5%
38.7%
12.7%
11.4%
9.5%
8.1%
--
--
発行済株式数 19.5 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
17,055
44,110
6,366
56,033
7,392
91,563
9,231
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
電子回路・半導体集積回路・液晶モジュール等の設計支援のためのソフトウエア開発・販売・コンサルテーション
 ジーダットは03年11月にセイコーインスツルメンツの100%子会社として設立された後、04年に発行済み株式の58%がアルゴグラフィックスに譲渡され、アルゴグラフィックス(7595)の連結子会社となって、現在に至る。

 ジーダットは、LSIやLCDパネルをはじめとした電子部品、磁気ヘッドやマイクロマシンなどの微細加工部品を設計するための電子系CADソフトウエア製品を自社開発し、販売・サポート・コンサルテーションを行っている。

 親会社であるアルゴグラフィックスは情報機器の販売・サービスを主な事業とし、その他の関係会社に該当するセイコーインスツルメンツは、ウォッチ、小型精密部品、半導体、表示体等の製造・販売を主な事業としているが、ジーダットの事業とは一部の取引を除くと、直接の協業関係はない。

 ジーダットでは、電子系CADの中でもLSIやLCDパネルなどの電子部品を設計する分野にフォーカスしている。 ジーダットの自社開発製品は、回路設計ツール、レイアウト設計ツールなど。

主な顧客は、半導体メーカー、液晶メーカー、電子機器メーカー、マスクメーカー、設計会社等。国内顧客への直販が中心になっているが、一部、米国・台湾・中国・韓国等への輸出も行っており、これについては、現地代理店を通じて販売している。

情報開示の状況
開示あり
 ジーダットのウエブサイトには既に投資家向け情報開示のページが設置されている。現在掲載されているコンテンツは、会社概要と、上場関連や業績見通しを含めたニュースリリースとなっている。財務ハイライトが無いのは残念だが、目論見書が掲載されているので、当面は代用可能であり、問題ない開示水準になっている。
収支の状況
07.3期は増収増益の見通しだが、05.3期の実績には届かない
 06.3期はジーダットの主な顧客である半導体・液晶関連の製造業では、国際的に厳しい価格競争の影響を受けており、全般的に設備投資が抑えられる傾向にあった。このため、05.3期には売上高への貢献が大きかった、大手液晶メーカーを中心としたフラットパネルディスプレイ分野での設備投資が減少したことで、対前期比マイナス約15%の減収となった。利益面でも、売上高が対前期比で減少した分、ちょうど減益となっている。

 06.9中間期は、顧客である半導体・液晶関連の製造業では、引き続いて価格競争が厳しく、一部の大手企業では積極的な設備投資が行われているものの、全体としては、飛躍的な需要増が期待できる状況にはなっていない模様。

 その中ではあるが、アナログ等のカスタムデザイン分野や高精度FPD分野等の市場を中心にシェアの拡大を図った結果、前年同期と比較して増収・経常増益となった。

表1 販売区分別の販売実績(百万円、前期比%)
         06.3期  06.9中
製・商品 1,062 -19.9%  625
サービス  773  -8.5%  410
合計   1,835 -15.5% 1,035

 07.3期の業績予想では、売上高で対前期比+約11%、利益では50%前後の増収増益の見通しになっている。しかし、中間期までの実績と比較すると、売上高はちょうど半期の倍で予想されていることに対して、経常利益・当期利益では、下期単独ではあまり利益があがらない見通しになっている。

 また、06.3期と比較すると確かに増益の見通しだが、それでも05.3期の実績には達しないレベルでしかない。顧客産業の市況に左右される面が大きいのだろうが、足元の状況では、業績の回復が見込めない状態になっている。

株式の状況
ストックオプションなし、VCの保有もなし
 ストックオプションの未行使残高もベンチャーキャピタルの保有もない。既存株主としては、親会社であるアルゴグラフィックスと元の親会社セイコーインスツルのシェアが大きい。ロックアップはかかっていないが、最近一年に第三者割当増資を行った株式については、保有確約の対象となっており、また割当先には、親会社や取引先が多いことから、上場後に売却する可能性は高くないとみる。

A. 発行済み株式数 16,170株(06.9に親会社を割当先に980株を第三者割当増資、06.11に1:3株式分割後)
B. 公募 3,330株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 0株、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 0株
 E. うち潜在株式に算入する数 0株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 19,500株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 0株
既存株主へのロックアップ情報: ないが、過去一年の増資分が保有確約の対象。290株は上場後半年、1,100株は上場後一年間。

 目論見書での想定発行価格は15万円で、この価格に基づく公募によるジーダットの手取り概算額は約444百万円とされている。資金使途は、全額を将来の事業拡大のための研究開発資金に充当する予定。



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