IPO初値分析・株式投資〜Hephaistos Investment Research |
アドソル日進(3837 JASDAQ)IPO |
高い利益成長率を今後も維持できるかが課題 法人向けのIT関連事業であり、業態としては比較的地味な印象を受ける。業績面では、売上高の伸びは10%強と、これだけでもまずまずの伸びだが、利益に関しては2期連続で40%強の伸びになる見通しであり、成長性はなかなかのもの。 この背景には、法人向けということで、大型案件の受注がある模様であり、ここうした大型案件が今後も継続して受注できるかがキーにはなるが、当面は高成長企業として評価してよいと思える。 07.3期の業績予想ベースでのEPSによる想定公募価格のPERは約12倍に設定されており、十分に割安感はある。 個別データ(肩は対前期比(%))
アドソル日進は、独立系の情報サービス企業として、金融・通信・制御市場を主な対象として、基盤技術と業務ノウハウを強みとする受託ソフトウエア開発と業務サポートのサービスを提供している。 銀行、証券、生損保などの金融市場向けには、基幹系業務と個別業務に関わる情報システムを提供している。 一般企業や公共事業者向けには、業務効率化のための情報システムをインフォメーション市場向けとして提供している。 通信市場では、通信事業者・通信機器メーカー向けに通信インフラ、一般企業や公共事業者向けにはネットワークを構築する通信システムを提供している。 制御市場では、装置メーカーと製造事業者向けに、生産装置等を制御するプロセス・コントロールシステム、交通・下線・電力を含む公共事業者向けに運用を自動化・最適化するインフォメーション・マネジメント・システムを提供している。 組込み市場では、家電機器・AV機器・OA機器・産業機器・通信機器のメーカー向けに、様々な規模・用途に合わせた組込みシステムを提供している。 なお、システム・インテグレーションを提供する場合には、国内の販売代理店や海外のメーカーなどから、売買契約や販売代理店契約によって、最先端のハード・ソフトウエア製品を輸入・仕入れして、顧客ニーズに合致させた最適ソリューションとして、アドソル日進の独自技術を加えたシステム化製品を提供している。 サービス提供の方法は、委託・委任契約や売買契約・ライセンス契約によって、国内のエンドユーザーに直接提供する方法と、国内のメーカー、システム・インテグレーション企業、エンドユーザーの情報子会社を経由して、エンドユーザーに提供する方法とがある。 |
06.3期は対前期比で増収増益の結果となった。06.3期の主な実績としては、資材調達組織の再編による効率化や、在中国企業との業務連携を行ったほか、ユビキタス・ネットワーク社会に向けた無線通信技術等への取り組みと、そのプロトタイプ製品の開発を開始した。 表1 市場別販売実績(百万円、前期比%) 06.3期 06.9中 金融 1,142 -9.8% 616 インフォメーション3,008 +67.2% 1,480 通信 501 -55.5% 792 制御 927 +26.7% 505 組込み 2,062 +23.1% 1,097 合計 7,642 +15.8% 4,493 市場別にみると、金融向けでは金融機関の不良債権処理の終息や合併に伴うシステム統合等によって、金融機関の情報化投資は活発化している。合併対応案件や後方事務センター業務案件などの受注はあったものの、開発ピークを過ぎた案件があったために、売上高は対前期で減収となった。 インフォメーション市場では、電力会社向け資材IT化システムなど3件の大型案件について開発を完了し、売上に計上したことが寄与して、前期比で大幅に増収となった。 通信市場では、当初予定していたインフラ監視系の大型案件の納入が、翌期にずれこんだことで減収、組込み市場では、携帯電話関連、デジタルカメラ関連が好調なことで、増収となった。 06.9中間期の売上高では、金融市場で、メガバンクの金融再編後のシステム本格統合案件や地方銀行の営業店システム案件の受注によって、前中間期並みの売上高となった。 インフォメーション市場では、電力会社・カード会社・旅行代理店向けの基幹システムの受注で、通信市場では前期からずれ込んだ案件など、組込み市場では前期に引き続いて携帯電話・弟子たるカメラ向けのシステム開発が好調で、それぞれの市場分野で好調に推移している模様。 07.3期の会社発表の業績見通しでも、前期に引き続いての大幅な増収増益が見込まれている。中間期までの進捗率をみると、通期見通しの達成にも特に問題はなさそう。 アドソル日進はシステム開発を主とした事業形態のため、期末での売上計上が多くなっている。このため、特に下期に利益が偏重する傾向にある。過年度の2ヵ年の実績での営業利益・経常利益の上期・下期の比率は、1-3:9-7で下期に偏っている。 なお、アドソル日進は、福利厚生施設である独身寮の含み損を約399百万円持っているが、これについてはこれまでに減損損失としては計上していない。福利厚生施設であるために、減損認識のグルーピングとしては本体事業に付随していると考えられ、本業で支障が発生しない限り、減損としては認識されることはないと思われる。ただし、売却によって減損損失ではなく実現損が発生する可能性は持っている。 05.3期は、たな卸し資産の廃棄損・評価損を計約95百万円計上したことで、当期利益が減額されている。
ストックオプションの未行使残高とベンチャーキャピタルの保有があるが、ストックオプションには当面行使制限がかかっているものが多い上に、共にウエイトはそれほど高くは無い。株式の需給に決定的な影響を与えるものではない。 A. 発行済み株式数 685千株(単元100株) B. 公募 70千株、増資によるオーバーアロットメント なし C. 売出し 70千株(売出し元は会社関係者37千株、残は法人)、既発株のオーバーアロットメント なし D. ストックオプション等の残高総数 35,505株 E. うち潜在株式に算入する数 25,320株(下記#3までを対象) F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 780,320株 【参考】(株数は売り出し考慮前) ベンチャーキャピタルの推定保有株数: 40千株 既存株主へのロックアップ情報: ないが、05.8実施の第三者割当増資85千株(割当先は日生、みずほBK、MUFJ)とストックオプション(下記#2以降)は上場後6ヶ月の保有確約対象。 表2 ストックオプションの未行使残高の状況 総会決議 対象株数 行使価格 行使期間 #1 03年6月 7,740株 1,608円 上場日から2年間 #2 04年6月 8,430株 2,158円 上場日から2年間 #3 05年6月 9,150株 2,546円 07年7月〜09年6月 #4 06年6月 10,185株 3,288円 08年7月〜10年6月 目論見書での想定発行価格は3千円で、この価格に基づく公募によるアドソル日進の手取り概算額は約184百万円とされている。資金使途は、全額を運転資金に充当する予定。
アドソル日進のウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。現在掲載されているコンテンツは、マネジメント・メッセージと財務ハイライトなど。企業行動規範も開示・掲載されており、しっかりした印象を受ける。 |
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本資料における個別銘柄に関する注意事項 EPS・BPS・株主資本比率の計算の元となる、純資産・総資産・株主資本は、各決算期末時点の会社公表数値を用いている。発行済株式数は、自己保有株を含まない。また、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 一株当りの配当は、株式分割・公募増資・自己株買い入れ等を必要に応じて過年度を含めて修正している場合がある。 その他の重要な注意事項 本資料は、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。投資対象となる有価証券の価値や投資から得られる収入は、証券価格の変動のほか、発行体の経営・財務状況の変化、金利や為替相場の変動やその他の要因によって変化する可能性があり、投資額を下回る場合があります。また過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は、投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。 本資料は、当サイトが信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性・完全性を保証するものではありません。また、本資料に記された意見や予測等は、資料作成時点での当サイトの判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。本資料の著作権は当サイトに帰属し、その目的のいかんを問わず無断で本資料を複写・複製・配布することを禁じます。 |
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