3836ディーバIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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ディーバ(3836 ヘラクレス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:情報・通信業

プラス・マイナスの要素は両方あるが、想定公募価格は十分妥当な設定
 法人向けのシステム販売等を中心に、特に06.6期から07.6期予想にかけては、大規模案件の受注によって売上高は順調に増加している。

一方で、06.6期は対前期比での売上高が+約20%に対して、利益ベースでは2倍以上の高い伸び率となっていることに対して、07.6期には、売上高の伸び率は前06.6並み、利益では売上高並みの伸び率まで急低下する見通し。将来の業績について、大規模案件の受注に左右される面がある点と、この利益伸び率の急降下が懸念材料となる。

 07.6期見通しベースでの想定公募価格のPERは約18倍であり、上記のプラス・マイナス両面の要素を考慮すると十分妥当な価格設定になっていると考える。短期的な需給面からは、PER約30倍程度までは上昇する可能性もあるとみるが、それ以後は、この公募価格辺りを下限として、あとは案件の受注動向次第だろう。


連結データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/6 06/6 06/9 1Q 07/6会予
売上高(百万円)
1,688
21.3%
2,047

597
17.2%
2,400
営業利益(百万円)
48
254.2%
170

61

--
経常利益(百万円)
42
280.3%
159

58
25.7%
200
当期利益(百万円)
27
232.6%
90

34
33.6%
120
総資産(百万円)
純資産(百万円)
1,375
499
1,723
586
1,679
612
--
--
株主資本比率(%) 36.3% 34.0% 36.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
3.0%
5.4%
9.2%
15.3%
3.5%
5.6%
--
--
発行済株式数 11.735 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
2,302
42,484
7,656
49,941
2,931
52,147
10,226
--
配当(円/株) -- 874 -- 1,100

事業概要
連結経営支援用のソフトウエア製品の開発・販売・保守・コンサルティング
 ディーバは、連結会計のパッケージ・ソフトウエアの開発・販売・導入サービスを中心として、関係会社を有してグループ経営の実践・強化を志向する企業グループ向けに、情報技術・業務技術を効率的に活用した連結経営・会計業務を支援するソリューションの提供を主たる事業としている。事業区分としては、ライセンス販売、コンサルティング・サービス、サポート・サービスに3区分される。

 ライセンス販売では、連結決算業務を効率化する自社開発の連結会計システムや、フランス・カルテシス社が開発した計画・予算策定システム、計画・予算と実績の比較データや、連結決算の結果データ・経営指標など経営情報を部門やグループ企業と共有するための経営情報活用システムなどをライセンス提供している。

 コンサルティング・サービスでは、業務ノウハウが標準化されたパッケージ・ソフトウエアをより効率的に活用するために、導入支援サービスなどを行っている。

サポート・サービスでは、システムサポートのほか、ソフトウエア活用による業務運用の定着化支援、連結決算業務など実務を速習できる教育講座の提供、人材育成を含む業務ノウハウの効率的移転も視野に入れた、連結決算業務の請負サービスなどを提供している。

情報開示の状況
開示なし
 1月9日時点で、ディーバのウエブサイトには投資家向け情報開示のページは設置されていない。ニュースリリース等も掲示されていない。
収支の状況
大規模案件にも左右されるが、今期は予想達成ペースで推移
 06.6期は、主力事業であるライセンス販売については、大規模での導入実績が積みあがってきたことや、新モジュールの発売を通じて、製品競争力の向上を図ったことを背景とし、内部統制対応による中小規模グループのシステム化投資の引き合いがあったことによって、回復基調で推移した模様。

 また、サービス分野でも、制度上の連結決算を超えたソリューションの提供に注力した結果、大型案件の受注があったとのこと。以上によって、期末時点でのシステムの累積ユーザ数は483社となり、売上高は、前期比+約21%の増収となった。利益ベースでは、経常・当期とも、前期比で2倍強の大幅な増益となった。

表1 事業部門別の販売実績(百万円、前期比%)
ライセンス販売   400 -4.0%
コンサルティング  981 +33.0%
サポート・サービス 664 +24.9%
合計        2,046 +21.3%

 上記で受注した大規模プロジェクトは、関電システムソリューションズに対するもの。このプロジェクトだけで、06.6期の売上高では約227百万円が計上されているが、07.6期中には終了する予定となっている。07.6期の同プロジェクト関連での販売予定額が明記されていないので、プロジェクトの終了に伴う、今後の収支に対する影響はわからない。この案件以外でも、今後は新規の大規模プロジェクトは発生する可能性はあるものの、この点では、将来の収益面には若干の不安要素となる。

 06.9第一四半期の決算実績を元にした、07.6通期業績予想の進捗ペースは、丁度25%程度になるので、単純に考えれば当期の業績予想の達成可能性は高いとみられる。ただし、上記のように、大規模プロジェクト受注・終了などによって今後の業績は大きく変動する可能性はある。

株式の状況
公募枚数は少ないが、流通量は意外と多くなる
 ストックオプションについては、全数が上場直後から行使可能となるので、潜在株式と認識した。公募株数は1,000株だが、ベンチャーキャピタルの保有分とストックオプションの行使を考慮すると、実際の流通量は約4,000株とみたほうがよいだろう。もっとも、VCの保有ウエイト等が高いというよりも、公募株数が発行済み株式数の1割程度と少ないことが、逆に流通量を公募の約4倍に増加させている。

A. 発行済み株式数 9,735株(06.9に1:5株式分割後)
B. 公募 1,000株
C. 売出し 535株(売出し元は、会社関係者435株、ベンチャーキャピタル100株)
D. ストックオプション残高総数 1,000株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,000株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 11,735株

【参考】
売り出し考慮前のベンチャーキャピタルの推定保有株数 1,850株
既存株主へのロックアップ情報 なし

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
03年12月 1,000株 4万円 05年12月〜13年12月

 目論見書での想定発行価格は18万円で、この価格に基づく公募によるディーバの手取り概算額は約145百万円とされている。資金使途は、全額を研究開発資金に充当する予定。



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