3072アクロスIPO=新規公開株式の上場目論見書に基づいた、銘柄・企業分析、初値予想・適正株価水準の想定
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アクロス(3072 名証セントレックス)IPO

公募価格バリュエーションと初値予想等

セクター:卸売り業

業態のイメージからは意外な低成長、その分公募価格も妥当な水準か
07.5期業績予想では、利益が頭打ちになる想定になっている点が評価できない。業態としては面白みがあり、本来は成長性が評価できる銘柄であってもおかしくはないところだが、これだけ低い利益水準の予想を会社から出されると、評価のしようがない。

 その分、想定されている公募価格も低めに抑えられている印象であり、公募での取得でも特段のリスクはないだろう。


個別データ(肩は対前期比(%))
決算期 05/5 06/5 06/11中 07/5予
売上高(百万円)
864
194.1%
2,542

1,488
33.7%
3,400
営業利益(百万円)
37
540.3%
235

93

--
経常利益(百万円)
22
927.0%
223

91
2.4%
228
当期利益(百万円)
-103

158

52
-16.8%
132
総資産(百万円)
純資産(百万円)
347
-66
844
347
980
445
--
--
株主資本比率(%) -- 41.1% 45.4% --
ROA(%、経常利益)
ROE(%、当期利益)
6.3%
--
26.4%
45.6%
9.3%
11.8%
--
--
発行済株式数 14.821 (修正後、千株)
EPS(円/株)
BPS(円/株)
--
--
10,672
23,389
3,527
30,004
8,876
--
配当(円/株) -- -- -- --

事業概要
複合カフェのフランチャイズ展開など
 アクロスの主な事業内容は、複合カフェのフランチャイズ展開と直営店の経営。複合カフェは全国にフランチャイズ店舗を展開し、06年12月末の店舗数は143店舗、うち直営店が2店舗となっている。

 アクロスが提供する主要コンテンツは、コミックとインターネットで、その他店舗規模や商圏特性に応じて、カラオケルーム等の娯楽系アイテム、ゲルマニウム温浴等の癒し系アイテム、食事等を提供している。

 直営店舗は、フランチャイズ加盟店の店舗研修としても利用している。又、複合カフェ以外にも、レンタルビデオ店2店舗、エンターテイメントカフェ(海外映画を題材とした喫茶店)1店舗を経営している。

 フランチャイズ事業では、フランチャイズ加盟店から加盟契約時に受ける加盟金、開業準備コンサルティングにかかる開業準備料、コミック、パソコンその他店舗什器・備品等の販売による収入、開業後のロイヤリティ、物品販売等による収益を得ている。

情報開示の状況
開示はあるが、まだ寂しい状態
 アクロスのウエブサイトには、投資家向け情報開示のページが既に設置されている。ただし、現在掲載されているコンテンツは、上場承認に関するニュースリリースだけとなっており、やや寂しい開示状況。
収支の状況
07.5期は売上は増加するものの、利益の伸びは薄い見通し
 06.5期の加盟店契約件数は91件、フランチャイズ加盟店の開業は49店舗、期末のフランチャイズ加盟店舗数は108店舗となった。店舗数の増加に伴って売上高は増加し、フランチャイズ事業で前期比+約183%、売上高トータルでは+約194%の増収となった。増収に伴って、営業利益以下でも、増益・黒字化した。

表1 事業部門別の06.5期販売実績(百万円、前期比%)
フランチャイズ 2,387 +183.4%
直営店      154  +605.1%
合計      2,542  +194.1%

 05.5期には営業外費用でデリバティブ評価損を約7百万円、特別損失で関係会社整理損を約126百万円計上したことが、利益水準が低いことに影響している。

 07.5期の業績見通しでは、売上高では対前期比で3割以上の増益を見込む一方、利益ベースでは前期並みか、当期利益に至っては前期割れの想定になっている。中間期の進捗率をみると、通期予想の半分には達していないので、そもそも達成リスクも考えられる。成長性の観点からは、評価しにくい状況になっている。

株式の状況
向こう半年間の株式需給は悪くならない
 大株主はロックアップの対象で、ストックオプションは行使可能になるには上場後半年経過さないといけない。ベンチャーキャピタルの保有ウエイトは無視できないボリュームだが、こちらも、当面は保有確約の対象になっている。上場後半年程度の期間については、株式需給も良好になると見込める。

A. 発行済み株式数 12,000株(05.7に1:10株式分割、05.9に第三者割当増資、06.9にSO行使後)
B. 公募 1,000株、増資によるオーバーアロットメント なし
C. 売出し 1,000株(売出し元は会社関係者)、既発株のオーバーアロットメント なし
D. ストックオプション等の残高総数 1,821株
 E. うち潜在株式に算入する数 1,821株
F=A+B+E 上場時点の想定発行済み株式数 14,821株

【参考】(株数は売り出し考慮前)
ベンチャーキャピタルの推定保有株数 3,900株
既存株主へのロックアップ情報:会社関係者1名と法人1社に180日間。対象株数は8,000株。05.9第三者割当増資4千株(割当先は全数がベンチャーキャピタル)は保有確約の対象。

表2 ストックオプションの未行使残高の状況
総会決議  対象株数 行使価格 行使期間
05年8月 1,821株 5万円 07年9月〜15年8月

 目論見書での想定発行価格は10万円で、この価格に基づくアクロスの手取り概算額は約88百万円とされている。資金使途は、POSシステム、コンテンツ配信システム等の新規設備投資の資金に充当する予定。



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